不動産投資家の茂風智文です。不動産投資家として、資産2億円純資産1億円を築きました。いろいろな投資案件を見てきて、怪しい案件から詐欺の案件、詐欺っぽいけど本当の案件など、様々なものに投資してきています。
先日、人気Youtuberのラファエルさんが「成上りたきゃ見ろ!利回り80%超え!?世界一儲かる投資の現場に潜入」という動画をYoutubeにUPされていました。
利回り80%以上という異常な利回りになっています。本当に投資案件として安全なのか?について、今まで不動産投資家の最前線で投資してきた僕の見解を解説しました。
- 利回りが良すぎるのでYoutubeで募集する必要がない
- 栽培方法の特許は、侵害発見できないので公開するメリットがない
- もし大量に栽培できるとすると値崩れする(Youtubeで公開しない)
- 蛍光灯の本数を減らせる理由がわからない
- 設立前の法人に、20トンの高麗ニンジンを発注をする会社はあるのか?
今の段階では、本当と思えるような情報がなく、リスクは高いかなという印象です。
Youtubeでも解説していますので見てみてください。
もくじ
ラファエル「成上りたきゃ見ろ!利回り80%超え⁉世界一儲かる投資の現場に潜入!」水耕栽培で作物を育てて売ることで、利回り84%って本当?
ラファエルさんの動画を見て、簡単に要点をまとめるました。
- 葉物野菜で利回り10.2%
- 高麗人参で42%。補助金入れて82%
- 高利回りの秘訣は、4倍のスピードで作物が育つ
- 4倍の理由は、根に水流で振動を与え、空中に浮かせてCO2を与える
- 蛍光灯も通常8本から3本で済むので電気代削減
- 高麗人参は国内と国外に毎月20トンのオーダーを取ってある
とのことです。一見するといいことずくめのようですが、実際どうなのでしょうか?
野菜工場で黒字化を出すのは相当難しい
野菜工場で安定して利益を出すのは、かなり難しいです。撤退する事業者が相次いでいます。
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「『未来の農業』に異変が起きています。」まるで宇宙基地のような光景。温度や湿度を管理した人工的な環境で野菜を育てる「植物工場」です。天候に左右されず、安定した生産ができる「未来の農業」として注目されてきました。「きっかけは2009年。農業の再生と技術の輸出を期待して、農林水産省と経済産業省が150億円の補助金をつけるなど後押しました。特にLEDなどを使う『人工光型植物工場』は当初の6倍に急増。しかしその一方で、黒字を達成した企業は19%にとどまり、事業から撤退するケースも増えています。」-NHKニュース-2017年7月21日
エアコンで空調管理をして、水質管理までしても安定して栽培をするのが困難なことが報道されています。
水耕栽培の野菜工場は、かなり難易度が高いのです。また仮に水耕栽培で野菜工場ができたとしても、コストが割に合わないので黒字化するのは至難の業なのです。
しかしながら、植物工場を適切に運用するためには、「環境制御」「設備設計」「工場運営」のノウハウをバランスよく適用する必要がある。にもかかわらず、そのすべてのノウハウを保有する企業は少ないため、赤字の工場が増えているのだという。その状況は「とある調査では日本の植物工場の7割が赤字と報告されている。が、それでも控えめなくらいで、実際には9割以上だと確認が取れている。ある人に言わせると、99%が赤字という位ひどい」(同社)らしい。
では、赤字となる主な原因は何なのだろうか。同社が挙げたのは「低い栽培効率」「高いランニングコスト」「低い商品品質」の3点だ。「例えば、棚の上下で最大10℃も温度差があったりする。下は春で、上は夏のような状況で、光ムラで生育も不均質だったり、とても工場と呼べない環境が多い。それなのに省エネ不足による高い消費電力と、自動化遅れによる高い人件費によってランニングコストは高騰。肝心の味についても、蛍光灯で栽培するので熱の影響で味が変化して、植物工場の野菜は二度と使わないというシェフも多い」(同社)
–ASCII 植物工場は必ず黒字化できる。パナソニックが熱弁-2016年10月14日
最先端の企業がこぞって研究していても黒字にすることすら難しい野菜工場の業界で、本当に投資として安定して利回り10%とか40%とか出せるのか?というのは、ちょっと疑問があります。
利回りが良すぎるので、Youtubeで募集する必要がない

技術が本当で実績があるのなら、Youtubeで募集する必要はなく、銀行やベンチャーキャピタルなどから資金を調達すれば可能なんです。利回り20%でも投資する人がたくさんいるでしょう。わざわざYoutubeで一般人から大量に少額の資金を集めて利回り80%で販売する必要はどこにもないんです。
大勢の投資家から少額の資金を集めると、管理がとても大変です。仮に1万人から10万円を集めたとしたら、1万人に配当を配り、案内のメールや書類を送ったりなど管理がとても大変になります。多くの人から資金を集めるメリットが全くないのです。
また、Youtubeで大々的に宣伝したら、多くの企業に真似されてライバルが増えます。ライバルが増えると販売先が減ってしまい何もいいことはないのです。ライバルが大量に生産を始めたら、世の中に高麗ニンジンがあふれて価格が大幅に下落してしまいます。キャベツが取れすぎて捨てられている画像を見たことはないでしょうか?作物が取れすぎると価格が暴落するので、破棄せざるを得ないのです。
もし本当にすごい技術を開発したのなら、技術内容を公開せずにひっそりと進めるでしょう。
ノウハウ特許なので、普通は公開しない。


根っこを揺らし、CO2を注入することで1/4の時間で成長して栽培できる特許を取っている為利回りが高いとのことですが、生産方法のノウハウは後悔しないケースが多いです。
理由は、その特許をひっそりと使ったとしても、特許侵害を検出できないからです。
たとえば、僕がこの方法を真似して高麗人参を出荷したとしても、どうやってそのことを発見するのでしょうか?高麗ニンジンをみても、僕が彼らの特許を使っているかどうかは検出できないのです。実際に工場の中を見ない限りは、発見できません。
なので、真似されてもわからないようなことは、あまり特許を取らないケースが多いです。特許を取ったとしても、その技術を使って1/4のスピードで栽培したと発表することは何のメリットにもならないので、公開しないと思います。
もし本当に植物の成長スピードを4倍にできるのなら、世界の食料危機を救う技術なので、もっと大々的に報道されるべきですよね。
蛍光灯の本数が少ない理由が不明

植物は太陽の光を受けて光合成して有機物を生成し、大きく成長します。そのため、光が重要なのです。蛍光灯の数を減らしても、植物が早く大きく成長する理由は、よくわかりませんでした。
あと、最近の野菜工場ではLEDを使うことが多いような気がします。昔は蛍光灯を使っていましたが、LEDの価格が安くなってきたので、電気代が半分で済むLEDを使う場合が多いようですね。さきほどのNHKでもLEDでした。
いろいろ調べてみると、野菜工場ではLEDを使うのが常識なようです。蛍光灯に比べて、光の波長をコントロールできるLEDのほうが成長のスピードが速いとのこと。
昭和電工は山口大学の研究グループと共同で、発光ダイオード(LED)照明を活用して植物の成長を大幅に早めることができる技術を開発した。レタスや水菜で蛍光灯に比べ2倍以上、バイオ燃料への利用が見込める藻類は3倍以上の速度で成長することを確認した。新技術では赤色と青色の2種類のLED照明を独自の光量の比率と間隔で照射する。発芽から14日目のレタスの場合、蛍光灯の照明と比べて重量が約2.5倍になる。石油に近い油を生成しバイオ燃料への活用が期待される「ボトリオコッカス」という藻類では成長が蛍光灯より3〜5倍早く、油の量も多くなるという。 LED照明は消費電力が蛍光灯の3〜5割程度で寿命も4万時間と長いため、省エネの観点で植物工場への採用が増えているが、成長を早める効果は2割アップが限界とされていた。 昭和電工は技術のライセンス供与とLED照明の販売を組み合わせ、植物工場向けに電力コスト低減と収穫量アップを両立できるサービスとして売り込む計画。料金は作付面積1000平方メートルで3000万〜5000万円の見込み。初年度は売上高5億円、2014年には同50億円を目指す
–植物工場・農業ビジネスオンライン– 2012年5月9日
野菜の味を調整できる?
「野菜の香り以外は調整できるようになった」とおっしゃっています。葉っぱの柔らかさ、硬さ、甘さ、苦さなど。糖度を上げたり下げたりもできると…。すごいことを言っていますね。
普通は品種改良しないといけないので、遺伝子レベルで何かコントロールしているのでしょうか?どうやって調整しているのかはわかりませんでしたが、本当ならかなりすごいことになりますね。。
調べてみましたが、ある程度の味などを調整することはできるようです。
山口大学発ベンチャーのアグリライト研究所(山口市)は「おいしさ」を制御できる植物工場用発光ダイオード(LED)照明を開発した。野菜の成長や糖度などに関わる異なる光を組み合わせ、うまみや食感を設定できる。生育期間や生産量と併せて食味・食感をコントロールした野菜が生産できる技術として植物工場などに売り込む。
LED照明は山口大農学部の山本晴彦教授(農業気象学)の研究室が開発した技術を活用し、ブルーウェーブテクノロジーズ(東京・大田)が製造。3種類の照明を「ベジレッズW」として商品化した。野菜の糖度や塩味、アミノ酸を抑え、あっさりとした食味の「さわやか」、アミノ酸が多くうまみを強めた「旨味(うまみ)」、糖度が高く苦みがある「コク」をそろえた。従業員が作業しやすいよう色は白色光にした。
農産物と光の関係は、例えばフリルレタスでは赤系は甘味や重量に、青系は形や香りに、緑系は葉の充実などに関わるとして、使用するLEDは赤系、青系、緑系の光を組み合わせた。
この照明で栽培した野菜を山口県産業技術センターが分析したところ、3種の照明でそれぞれ目標とする糖度、アミノ酸などの成分が得られた。試験では、しゃきしゃき感など歯ごたえの差も確認できたという。
-日経メッセ-2017年3月23日
投資先のAgras Japanは法人設立中
Youtubeの詳細欄からLine@を登録すると、投資先のAgras Japanから連絡が来ます。
このAgras Japanは法人設立の準備中とのことです。助成金関係の申請で、登記まで時間を要しているようです。
設立前の法人に対して、日本と外国の企業が20トンの朝鮮人参の売買契約のオファーをするのか?というのは、かなり疑問があります。。現在ホームページ作成中で、特許情報なども開示予定とのことです。
Buzz Feedでラファエル投資について弁護士さんが
Yahooニュースにも取り上げられ、この問題に火がついているようです。
こうした事業を紹介するラファエルさん自身の責任については、どう考えれば良いのだろう。田上弁護士は言う。「ラファエルさんは投資のメリットを強調する一方、『保険入ってれば大丈夫なんだね』『すごいな。じゃあ、もう完璧ですね』など、リスクがないかのように説明しており、推奨・勧誘しているとも評価できます。仮に投資をした人が損をした場合、ラファエルさん自身も民法の信義則上の説明義務違反などを理由に、損害賠償請求訴訟を提起される可能性があります。ラファエルさん側が動画を製作・編集しているとすれば、単にタレントが広告塔を務める以上の積極的な役割を果たしていると考えられます。『ラファエルさんを信じて投資をしたら損をしてしまった』と訴える人が出てくるおそれがある。影響力の大きい方なので、トラブルに巻き込まれないよう、多くの人のお金が動くことに関しては慎重になった方が良いと思われます」
鵜呑みにせず、自己責任で
動画の視聴者に対しては、以下のように注意を呼びかけた。「もし投資を検討している人がいたら、本当に特許を持っているのか、実際に高麗人参などを栽培しているのかどうかなどについて、業者に質問した方が良いと思います。動画では大手製薬メーカーと取引があるような説明もありましたが、どこのメーカーなのかなど具体的に尋ねてみてはいかがでしょうか。ラファエルさんの言葉を鵜呑みにして信じるのではなく、上記のような不明点を業者にきちんと問い合わせたうえで、自己責任で判断すべきです」
-Buzz Feed-2018年12月6日人気YouTuber「世界一儲かる投資」「利回り80%超!?」 紹介動画が波紋
弁護士さんも、ラファエルさんが訴えられるリスクがあることを解説されています。
Youtuberラファエルさんの利回り80%の投資案件のまとめ
いろいろ調べてみましたが、本当に利回り80%をたたき出せると思えるところを見つけられませんでした。本当なら投資してもいいのですが、、、
安愚楽牧場の投資とかと同じように見えますが、これから情報が出てくるにつれて信ぴょう性を判断できるのでしょう。今のところ、信じれる情報は出てきていないので、僕は見送ります。買いたい人がいたら、自己責任で少額買ってみてもいいのではないでしょうか?

不動産投資の魅力
理由がわからない高利回り商品は、かなりのリスクが伴います。しかし不動産投資はしっかりと物件調査を行えば、かなりのリスクを減らして安定して経営することができます。また、最悪土地が残るので資産としては残すことができます。
僕自身、不動産投資で毎月100万円の家賃が安定して入ってくる状態になり、はじめに買った2棟に関しては2000万円の売却利益を出すことができました。その不動産投資を始めた体験談をまとめているのでぜひ見てみてください。
不動産投資を勉強したいのなら、初心者にお勧めの本を紹介しているので見てみてください。
不動産投資といえば区分マンション投資のイメージがあるのですが、区分マンション投資は利回りが低く儲からないのでアパート1棟の投資をお勧めしています。
アイケンジャパンさんでは無料で書籍とDVDをプレゼントしているので、もし興味あれば問い合わせてみてください。
初心者でもわかりやすいように不動産投資の講座をまとめているので、ぜひ見てみてください。
Youtubeでも解説していますので見てみてください。