
この記事では、そんな疑問にお答えします。
私は2005年から株式投資を行ってきており、今まで数1000万円を稼いできました。また、2014年から不動産投資を行ってきて今までに4棟を購入して、純資産1億円を築くことが着ました。そんな投資家の僕の目から見て、スルガ銀行が今後どうなるのか?を解説します。
もくじ
スルガ銀行は破綻するのか?不動産投資家が徹底解説。これまでの経緯をかんたんにまとめ

スルガ銀行は、ノルマ達成のために壮絶なパワハラが行われており、そのノルマを達成するために無茶苦茶な融資をしていました。
その一つがシェアハウスのかぼちゃの馬車です。購入者が利益を出すことができないような超割高な物件にも、ノルマを達成するために融資をしていました。
普通に計算すると融資できないので、資産をねつ造したり、ありとあらゆる不正を尽くして融資をしていていました。
目先の利益を追って高利益を出していましたが、かぼちゃの馬車を運営するスマートデイズ社が破綻したことで問題が一気に明るみに出ました。
購入したシェアハウスはがら空きだったのですが、かぼちゃの馬車が家賃保証契約をしており、購入者は家賃保証でスルガ銀行に返済をしていました。
しかし、かぼちゃの馬車が破綻したことで家賃保証がされなくなり、家賃が入ってこなくなってしまい購入者がスルガ銀行に借金を返済できなくなってしまいました。
返済が滞ると、銀行は赤字になり破綻の可能性が出てきます。
その一連の流れは、「かぼちゃの馬車へのスルガ銀行の不正融資まとめ」でまとめていますので、見てみてください。
そのような状況で、スルガ銀行は大丈夫なのか?を解説しています。
2019年5月15日 スルガ銀行の決算の解説
2019年5月15日にスルガ銀行の決算の発表がされました。
概要は、以下のような内容です。
赤字に転落するも、預金残高は下げ止まり。
これは第3Qでの予想とほとんど同じ数字でした。赤字の原因は、不正融資で貸し倒れされると予想される金額を赤字に計上しているためです(貸倒引当金)。
預金の流出のペースは緩やかになってきているので、落ち着きそうな印象です。
スルガ銀行の決算書から読み取れるリスク
1棟物の融資の延滞率が1.58%と上昇しています。これは、融資の返済できなくなった融資の金額が1.58%になったということです。この数字が上昇していっているので、スルガ銀行に借金を返済できなくなった人が増えているということが読み取れます。
シェアハウスへの融資では、約40%の金額が返済が遅れています。
シェアハウスへの融資残高は2000億円ですが、1棟物不動産への融資は1.2兆円もあります。
もし、1棟物への不動産投資の融資もおなじくらい延滞してしまったら、さらに赤字が爆発的に広がり大問題になるでしょう。
今後、スルガ銀行の1棟物への延滞率がどのように推移するのかが一番のカギを握っています。
スルガ銀行が元本カットを発表
スルガ銀行が不正融資に関して元本カットする可能性を発表しました。
お客さまが取得された不動産の取得価額と積算価格(物件取得時の土地の路線価等を基
に算定した価格をいいます。詳細は個別相談の際にご説明いたします)の差額を上限と
して、元本一部カットを検討いたします。
・元本一部カットに関する個別のご相談を頂戴した時点でローン返済が困難な状況が存在
する(ローン返済を含む物件収支が赤字である)物件であって、ローン契約締結時に当
社の不正行為があり、その不正行為とお客さまの投資判断との間に相当因果関係が認めら
れる場合が対象となります。
なんと最大で積算価格まで元本をカットする可能性があるそうです。
スルガ銀行が不正行為に関与して、その関与が購入者に相当な因果関係が認められた場合と書かれています。
この措置で、どれくらいの元本がカットされるのか?そしてそれが今後の決算書に織り込まれているのかが謎です。
- 1棟物不動産投資への延滞率が上昇中
- 元本カットが決算書にどれくらい織り込まれているか
この二つがスルガ銀行の不安要素として注視が必要です。
Youtubeでも解説しています。
https://youtu.be/r4ijyC0QkaA
2018年12月 スルガ銀行3Qの決算書の解説

スルガ銀行の決算書によると、
- 収益は 1176億円 → 1090億円
- 純利益 347億円 → -961億円
- 預金額 4.1兆円(2018年3月) → 3.2兆円(2018年12月)
- 与信費用 1879億円(+1210億円)
- 自己資本比率 13.6%(3490億円) → 9.1%(2277億円)
と、961億円の赤字に転落しています。預金額も減少しているので、顧客がどんどん流出していることもわかります。
与信費用というのは、貸したお金が返ってこない分を見込んで赤字に計上しておく費用のようなもので、1210億円増加して見込んでいます。
これだけ見ると、短期間でかなり業績が悪化しており、このまま赤字が続くようだとかなり問題となってしまいます。
スルガ銀行の決算書の延滞率から破綻の可能性を探る

延滞率とは、3ヶ月以上延滞している債権の割合を表しています。
シェアハウスに関しては、2018年9月の30%だったのが、2018年12月に38%にアップしています。かなりの部分が返済できなくなってしまっていることがわかります。
ここで僕が注目したのは、1棟物の収益ローンの延滞率が0.5%→1.15%と2倍に上昇していることです。たった3ヶ月で2倍も上昇しているのは、かなり異常なことです。しかも融資の残高は1.2兆円もあります。
実はスルガ銀行は1棟物にもかなり無茶な融資をしてきています。先日ガイアの夜明けで放送されたケリーバックスの物件に無謀な融資をして、購入者が破綻していました。( 参考:ガイアの夜明けでケリーバックスにハメられた購入者がやばい)
今はまだ1.15%となっていますが、このペースでどんどん不良債権が増えてくるようだと、より多くの与信費用を計上しないと行けず、債務超過になってしまう恐れもあるかも…と個人的に心配しています。
また、ワンルームローンも残高が3400億円あり、これの延滞率が0.2%→0.66%と3ヶ月で3倍になっています。こちらに関してもシェアハウスの融資よりもたくさん融資をしており、不良債権化するとかなり危険な状況となってしまいます。
この1棟物不動産の融資と、ワンルームマンション投資の融資が返済できなくならないかどうかが、今後のスルガ銀行の未来を左右すると予想しています。
スルガ銀行は破綻するか?現段階での返済不能な融資の見積もり

シェアハウスの融資残高が約2500億円のうち、全く問題がない借金は405億円しかない状況です。残りの80%くらいは、破産したか、危険か、要管理が必要な借金となっています。
かなりヤバい状況ですね。
このうち、どれくらい帰ってくるかというのが保全額になります。保全額は949億円となっており、この金額は担保(シェアハウス)を売り払うことで確保できると考えているようです。
今のところ、1369億円が返ってこないと見込んでいて、その数字をすでに織り込んでいるようです。担保でカバーできない分の92%を見込んでいるので、シェアハウスの破綻に関してのリスクはかなり織り込み済みなのかなと僕は考えています。
このことから、僕はシェアハウスの破綻に関してはかなりの部分のリスクを織り込み済みであると考えています。
その他の不動産投資物件の不良債権の見込みは?

シェアハウス以外の不動産投資ローンで、不良債権を見込んでいるのは150億円のみです。
融資の残高は1.5兆円くらいあるので、約1%くらいの見込み。。
今のところ延滞率的には許容範囲ですが、シェアハウスのように延滞率が10%とかになってくるようだと、自己資本を食いつぶしてしまいヤバくなってしまいます。。
今後、スルガ銀行が破綻するかどうかを担うのは、投資用不動産ローンの不良債権が増えるかどうかが最大のポイントになっていると考えられます。
今後もスルガ銀行から目が離せませんね。
https://youtu.be/8OViDj6rmcI
もし利益が出ない不動産を購入していたら…
かぼちゃの馬車を発端に発覚したスルガ銀行の不正融資問題、またTETERUの問題など、不動産投資業界はかなり混乱している状態です。
銀行も、不正融資を疑い始めて融資をかなり絞り始めていますし、金融庁から指導が入っているようです。
銀行が融資を出さなくなると、購入できる人がいなくなり物件が売れなくなります。そうなると、さらに物件の価格が下がる可能性があります。現に、物件が売れなくなったため、水戸大家さんなどたくさんの投資物件を扱う不動産屋さんが廃業しています。
もし、あなたが利益が出ない不動産をお持ちでしたら、売却の査定に出してみて自分の不動産がいくらくらいで売却できそうかを調べてみるのがおすすめです。
もし儲からない不動産を買われてしまって毎月赤字の状態の方は、早めに売却されるのも作戦だと思います。
都心の区分マンションは価格が高騰しており、思わぬ高く売れる可能性もあります。
ご自身の物件の価格がいくらくらいなのかを知るため、見積もりの査定に出すことをお勧めします。もしローンの残りよりも高く売れるのでしたら、思わぬ資産になります。逆にローンの残りの金額より高く売れないのでしたら、将来の人生設計に影響を及ぼす可能性もあります。
自分の物件の価格を知ることは、とても重要です。
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スルガ銀行は破綻するか?まとめ

スルガ銀行が今後破綻するかどうかについて決算書から分析してきました。
- 収益は 1176億円 → 1090億円
- 純利益 347億円 → -961億円
- 預金額 4.1兆円(2018年3月) → 3.2兆円(2018年12月)
- 与信費用 1879億円(+1210億円)
- 自己資本比率 13.6%(3490億円) → 9.1%(2277億円)
シェアハウスの不良債権については、かなりの部分を織り込み済みなのでこれ以上問題とはならなさそうでした。
一方で、そのほかの不動産投資物件の融資は150億円しか不良債権化しないという見込みを建てています。しかし、融資の延滞率はこの3か月間で1棟物で2倍、区分マンションで3倍と増加している状況です。
今後もこのペースで不動産投資向けの融資が不良債権化するようだと、もっと多くの与信費用を計上する必要が出てきます。そうなってくると、自己資本比率を大きく毀損してしまうので、上場廃止などのリスクがより高まってしまいます。
スルガ銀行が破綻するかどうかは、不動産投資用物件の延滞率次第で大きく変わり、今後もチェックがとても重要になります。
Youtubeでも解説しています!おすすめです
https://youtu.be/8OViDj6rmcI