株式会社ZOZOの前澤友作さんは、ZOZOTOWNの創業者であり、123億円でバスキアを落札したり、女優の剛力彩芽さんと交際されたり、宇宙旅行へ行くと発表されたり、Twitterで1億円を配ったり、豪快な行動で有名な経営者です。
前澤友作社長はアートを愛していることを有名ですが、保有するアートをオークションに出展したことから資金繰りが苦しいのではないか?とニュースで流れていました。
アート作品を5月16日のサザビーズオークションに数点出品します。大切に引き継いでくださる方にお譲りします。 pic.twitter.com/WcxsY0ige8
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) May 4, 2019
ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの「FLOWER」が約6億2000万円。現代美術家、エド・ルシェの「BONES IN MOTION」が約2億6000万円。前澤社長は先月、香港のオークションでも所蔵品の一部を手放し多とも報道されています。
前澤友作社長はZOZOの株を担保にお金を借りていることがわかっており、このことを詳しく調べてみると意外と本当にお金がなさそうということが浮かび上がってきました。
さらにTwitterを休止した時期は、金策で四苦八苦されてそうな時期が被っているので、金策のためにTwitterを休止された可能性もありそうです。
そして、ついに2019年9月12日、ZOZOがYahooと
私は2005年から株式投資をやってきており、企業の財務諸表などを分析することで数1000万円の利益を上げることができています。普段は、Twitter(1.6万人以上)やYoutube(4.3万人以上)などで情報を発信しています。
この記事では、これまでの経験を培って、資金繰りなどを分析してみたいと思います。
ご本人もお金がないとおっしゃっていますのが、本当かもしれないです。
はい、いつもお金ないです。すぐ使ってしまうので😆
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) May 4, 2019
100万円お年玉またやるのにお金必要なんだもん。
前澤社長 所蔵の現代アート数点を売却へ ウォーホルなどサザビーズで https://t.co/oBiAdQHunW # @Daily_Onlineより
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) May 5, 2019
そしてついにZOZOをYahooに売ってしまう対応を取られました。
先ほど適時開示しましたが、ヤフーさんとZOZOは資本業務提携することとなりました。また、このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます。詳しくは本日17:30からの記者会見でお話しさせてください。
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) September 11, 2019
この記事は、発表されている事実をもとに書いていますが、一部推測を含んでおりますのでご注意願います。
Youtubeでも解説しています。
もくじ
ZOZOの前澤友作さんのこれまでの順風満帆な経緯
これまでの流れを知っておいたほうが良いでしょう。
- 2016年05月 バスキアの絵画を62億円で落札
- 2017年05月 バスキアの絵画を123億円で落札
- 2018年09月 宇宙旅行の契約を公表(金額非開示)。推定700億円以上。
- 2019年01月 Twitterで1億円配る
- 2019年02月 Twitter休止。株価下落
- 2019年04月 Twitter再開。
- 2019年05月 絵画をオークションで売却
- 2019年09月 ZOZOを退任。Yahooと資本提携
その他にも、たくさんの総額数10億円するとおもわれるスーパーカーを保有されていたり、千葉に100億円する豪邸を建てられたり、話題につきません。
そんな飛ぶ鳥を落とす勢いのZOZO前澤友作社長に異変が現れたのは2019年に入ってからです。
2018年7月に株価が4875円を付けたのをピークに株価が下落を続け、2019年2月8日には1621円まで下がりました。
もともと、前澤友作社長はZOZOの株を担保に銀行からお金を大量に借りていました。
株価が下落すると追加の担保を入れるか、借りているお金を返済する必要があります。大量保有報告書をみると株価下落に伴い、前澤社長が株の担保をどんどん追加している状況が見えてきます。
Yahooと資本提携し、ZOZOの代表取締役を辞任
どのような理由で辞任されるのかまだわかりませんが、資本提携されて代表取締役を辞任されます。新しいZOZOの代表取締役は、取締役だった澤田宏太郎さんが就任されます。
3. 新任代表取締役の略歴
氏名 澤田 宏太郎(さわだ こうたろう)
生年月日 1970 年 12 月 15 日
所有株式数 900 株
略歴 1994 年4月 ㈱NTT データ入社
1998 年4月 ㈱NTT データ経営研究所入所
2005 年6月 スカイライトコンサルティング㈱入社
2008 年5月 ㈱スタートトゥデイコンサルティング(2013 年 8 月に当
社に吸収合併)代表取締役
2013 年6月 当社取締役(現任)
(補足)この記事の内容は、前澤友作社長が保有されている株のことなので、前澤友作さん個人のことになります。株式会社ZOZOと関係ないことであることに注意しましょう。
ZOZOとYahooの資本提携の流れ
2019年の6月下旬ごろよりPayPayモールにおけるYahooとの業務提携の可能性において議論する中で、前澤社長がZOZOの企業価値が向上するのであれば、株式の売却も可能という考えを示されたことから話が一気に進んだようです(ZOZO IRより)。
YahooはYahooショッピングでストア出店にかかる初期費用やロイヤルティーや月額費用を無料にする施策を打ち出したり、ソフトバンクのスマホの利用客にポイント10倍できるキャンペーンを行ったり、かなりの力を入れて強化してきました。
ショッピングモールZOZOTOWNを運営しているZOZOとYahooの提携で、お互いのシナジーが生かせると判断し、資本提携が決まった模様。
資本提携の方法~TOBで50.1%の取得を目指す
YahooがZOZOの株を1株2620円でTOB(公開株買い付け)で取得し、最大50.1%の株を取得することを目指しています。
前澤社長が保有されている約36%のZOZO株の約30%をYahooに売り出すことが決定されています。
買い付けの株数の下限は33.4%で、応募の株数に満たない場合は、全部の買い付けを行いません。ただし、下限の株式は法律の範囲内で変更できるとのことなので、ほぼ成約するでしょう。
事業によるシナジー
YahooとZOZOが資本提携することによって、
- 集客におけるシナジー
- 商品提供におけるシナジー
- ユーザーの利便性向上におけるシナジー
を期待していると発表されています。Yahooは中高年ユーザーが多いですが、ZOZOは若者のユーザーが多いことで、お互いを補完する関係になります。また、Yahooショッピングで出店している顧客が、ZOZOTOWNに出店する可能性が考えられます。さらにソフトバンクグループとの提携によってPayPayの導入などによる利便性を期待されているとのことです。
ここから先は、株を担保に銀行からお金を借りていた概要について解説しています。
株を担保に銀行からお金を借りるということ
まず、普通の方にはあまりなじみがない「株を担保に銀行からお金を借りる」仕組みについて解説していきます。
株を担保に銀行からお金を借りられる

株を担保に銀行からお金を借りることが可能となっています。
株を売却すれば、「社長が株を売っている」と噂になり株価が下がる可能性もありますし、持ち株数が減ってしまいます。将来値上がりすることを確信しているのなら、株を担保にしてお金を借りておけばリスクを減らすことができます。
例えば、ZOZO株が1株3000円だとして、100株を銀行に預けると銀行からお金を借りられるのです。
1株3000円が100株なので30万円の価値があります。しかし、株は値動きが激しいので、借りられる額は銀行や契約によりまちまちですが、株価の半分くらいなどが相場のようです。
半分だったら、30万円分の株式を担保に、15万円のお金を借りることができます。
このお金には金利もかかり、銀行にもよりますが野村信託銀行なら1.5%の金利がかかるようです。
担保にしている株の株価が下がったらどうなる?
30万円分の株を担保に15万円借りていたとします。もし株価が大幅に下落してしまったら、追加で担保を入れるか、売却されてしまいます。
- 時価の下落により、担保評価額がご融資金の70%を下回ったなどの場合、野村信託銀行において担保有価証券などを売却の上、その代金をお借入元本および経過利息に充当いたします。なお、すべての売却代金がお借入元本および経過利息の総額に満たない場合には、不足額について直ちにご返済していただく場合があります。
–野村信託銀行より–
つまり、株価が下落して1株3000円から1050円になったら、担保の100株の価値が10.5万円となり、
10.5/15 = 70%
となるので追加で担保を入れる必要があります(野村信託銀行の場合)。
株を担保にお金を借りているときに株価が下落すると、追加で担保を入れるかお金を返済するかしないと株を一斉に売られてしまうのです。
そうすると、株価が暴落することになり、さらに他の借り入れも担保割れを起こして一気に株価が下落するリスクをはらんでいます。
- 株を売らないでもお金を借りることができる
- 株価が下落したら、追加で担保を入れないといけない
- 追加で担保を入れられなかったら、強制売却。
- 強制売却されると、株価がさらに下がる。
- そうすると、他の株担保の借り入れも追加担保必要になり、強制売却のスパイラルに陥る可能性がある
前澤友作社長は株を担保に大金を銀行から借りていることが大量保有報告書から判明
上場しているある銘柄の株を5%以上保有している株主が、その株式を売買した場合は金融庁に大量保有報告書を提出しないといけないルールがあります。これは、大株主の動向が株価に大きく影響を与えるため、ちゃんと市場に伝えるためのルールです(Wiki:大量保有報告書)
この大量保有報告書にZOZOの前澤友作社長が、ご自身が保有するZOZOの株を担保に、銀行からお金を借りていることが記載されています。(株プロ:ZOZOの大量保有報告書)
例えば、2018年5月18日の大量保有報告書をみると、野村信託銀行と三井住友銀行から700万株を担保にいれてお金を借りていることがわかります。

5月18日のZOZOの株価は3800円くらいなので、700万株を担保にしたら株の価値は266億円相当です。この半分を貸し出すとしたら、130億円くらいを貸し出されていると推測できます。
さらに、この後もどんどんと株を担保に銀行から借り入れを増やしていきました。


2019年5月16日現在、
- 11226万株保有
- 8340万株を担保
- 1950万株を貸出し
- 保有株式の約92%を担保or貸出
という状況です。
これは、異常な状態で普通ではありません。
前澤友作社長が個人で豪遊してきた元のお金は、株を担保に貸し出しを受けたお金である可能性が高いです。
前澤友作社長の資金調達の予想
ここからは予想がかなり入ってしまいますが、株価の下落の推移と、前澤友作社長の担保株の推移について解説していきます。
2018年5月に1200万株を売却し約500億円を調達

2018年5月に大量に株を売却されています。
- 2018年5月18日 590万株を4604円で売却~271億円調達
- 2018年5月23日 600万株を3845円で売却~230億円調達
と、1190万株を売却することで約500億円を調達されています。
これまで売却をしたことはなかったので、500億円を何に使ったのか…?
これは推測ですが、タイミング的には宇宙旅行に使った可能性もかんがえられます。
月に行くことにしました。アーティストと共に。 #dearMoon https://t.co/ivMypEcWBZ
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) September 18, 2018
2018年5月に現金化して前払い金を支払い、9月に契約を発表といった可能性があります。報道では700億円以上かかるといわれているので、さらにお金が必要になるでしょう。(参考:ZOZO前澤氏の月旅行は総額750億円以上か?)
2018年5月に株を担保に
- 2018年4月02日に8831万株を担保
- 2018年5月13日に8131万株を返済し、担保が700万株に減少
- 2018年5月23日に8831万株に担保増額
と、担保額を急激に減らした後に急激に増やしています。
この動きがよくわからないのですが、1株3800円とすると8000万株で約3000億円…。
50%借りられるとして、1500億円を調達しています。
すさまじい金額ですね。
7月20日に1166万株を返済しする

7月20日に1166万株を担保から返済しています。
7月20日は、ZOZOの株式が一番高いピークでした。
株価が値上がりして株の担保余力が出たので、一部の株を返してもらった可能性があります。
10月25日にまた担保を入れる

しかし、その3ヶ月後の10月25日にはBank Julius Baerなどの銀行に担保を増やしています。
これは、株価が2800円台に下落したので、担保余力が足らなくなったので追加した可能性があります(もともと5月23日に株価が3800円くらいの時に借りていたので株価は1000円も下落しています)
2月に入り、さらに担保の株を追加

2月に入るとさらに株価が下落して1691円まで下がりました。
担保余力が足らなくなったのか、2/6,2/12,2/18と、こまめに担保株を増やしていっている様子がわかります。
これほどこまめに担保を移動させる必要はないので、推測ですが担保株のやりくりをギリギリまでやっていたのではないでしょうか?
偶然なのか、ちょうどこの時期に前澤友作社長は「本業に注力する」と言ってTwitterをお休みしていました。
本日よりツイッター再開します。また皆さまよろしくお願いします。
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) April 25, 2019
「本業に集中します」と宣言されていますが、大量保有報告書の貸株のやりくりからすると、本業というよりも自分の株の担保の返済に四苦八苦していたのではないでしょうか?(推測です)
担保割れを起こすと株価が売却され、さらに担保割れを起こす恐怖
なぜここまで前澤社長が必死に担保を追加したのでしょうか?
それは、もしどれか一つでも担保割れを起こすととんでもないことが起こるためです。
担保割れが担保割れを起こすデススパイラル

仮にどれか一つが担保割れを起こしてしまったとします。
そうすると、担保の株を強制売却されてしまうのです。
大量の株が強制売却されると、株価は一気に下落します。
株価が下落すると、さらに他の銀行の担保割れを引きをこし、さらに強制売却される…というとんでもなく恐ろしいことが起こるのです。
そうなると破産してしまうので、前澤社長はTwitterを休止して必死に株のやりくりや資金調達や絵画の売却などに奮闘したのではないか?(推測ですが)
ヘッジファンドなど、この連鎖を引き起こして大儲けしようとして、わざと空売りをしていると噂になっています。
ZOZOの株価が回復して、前澤友作社長がTwitterを再開
ZOZOの株は、最悪の時期を抜けて若干回復してきました。

また、オークションで絵画が売却されると噂がされ始めました(市況かぶ全力2階建て(3/18):ZOZO前澤友作いよいよ金欠か、コレクションの絵画が売りに出る)
いろいろな金策が終わり、余裕ができたのでしょうか?前澤友作社長がTwitterを再開されました。
本日よりツイッター再開します。また皆さまよろしくお願いします。
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) April 25, 2019
本業に注力するためにやめて、まだ本業が回復してないのになぜこの時期に始めるのか?と疑問に思っていましたが、個人的な金策がひと段落して手が空いてきたからではないかと推測しています。
5月16日に1500万株の担保を返済し、1950万株を貸株に変更
大量保有報告書によると5月16日に1500万株もの担保を返済し、1950万株を貸株に移していたことがわかりました。
貸株とは、株を貸し出す代わりに金利をもらえる仕組みです。
例えば1株1000円で10株を貸し出したとして、年利1%の金利をもらえるとしたら、1万円の1%なので年間100円が入ってくる計算になります。金利は株によってまちまちです。デメリットとしては、配当がもらえないことや、借りた相手が空売りを仕掛けて株価が下落する可能性もあります。


貸株の仕組みと、貸株の理由

貸株のメリットとデメリットは、大まかに言って
- 貸株のメリットは金利をもらえる
- 貸株のデメリットは、配当がもらえない、貸しているので売却できない、空売りされる恐れがある
があります。(配当や優待がもらえるように、権利確定日だけ返却する仕組みもあり)
担保割れを起こして資金調達をしている状況で、1950万株もの株数を貸株にするメリットはわからずリスクが大きいと個人的には考えています。
なぜこのようにされているのか…予想が付かないのですが…しいて言えば、
- 資金調達がうまくいき、かなり余裕ができた
- 配当を減らす可能性があり、貸株の金利のほうが儲かる
- 貸株を担保にできる特約がある?
- その他の理由
とかでしょうか。。株価が下落を続けている状況なので、貸株にして株を担保にできないリスクを考えると、得策とは思えないのですが、きっと何か僕がわからない理由があるのでしょう。。
前澤友作社長はお金がない?大量保有報告書からのまとめ
大量保有報告書から分析した結果、保有株の92%を担保や貸株にしていることがわかりました。
特に2019年2月の株価下落時には、こまめに担保を増やしていたことから、資金調達に苦戦していたのではないかと予想されます。ちょうどその時期にTwitterを休止されていました。
2019年5月に入り、貸株を増やされたりオークションで絵画を売却されたりして、破産の危機は逃れたように見えます(あくまで個人的な予想です)。
一方で、まだ株価は下落基調なので、2月の株価である1690円を下回ってくると、また担保割れの危機が訪れる可能性も考えられます。
もし担保割れを起こして株を強制的に売却されてしまうと、株価が大幅に下落してそれがさらに担保割れを引き起こし、一気に8340万株が市場で強制的に売却される可能性があります。そうなると…とんでもない事件になってしまいます。
今後のZOZOの株価の推移に注目が必要です。
Youtubeでも解説しています。
株の勉強をしたい場合
株式投資の基礎から勉強したい場合は、下記の記事がお勧めです。
- (ブログ)株の始め方を超初心者に解説
- (ブログ)投資信託を基礎から解説
- (動画)株式投資入門
不労所得を築きたい場合
不動産投資とブログとYoutubeで月に250万円以上の収益を得られるようになりました。その方法をブログでまとめていますので、参考にしてみてください。