「メタプラネットはやばいのか?」——結論から言うと、会社がすぐ潰れるという意味での「やばい」ではありません。ただし、株主にとって不利な構造を抱えた会社であることは変わっていない、というのが僕の見方です。そして2026年9月時点で株価は293円。2025年6月につけた最高値1,930円から約85%下がり、ついに会社の値段が保有ビットコインの価値を下回るところまで来ました。
もふもふ不動産のもふです。半導体メーカーの研究開発とベンチャー企業の取締役を経て独立し、株式投資20年以上・不動産投資10年以上。企業の資本政策(増資・自社株買い)が株主にどう効くかを、実務と投資の両方の側から見てきました。
この記事はもともと2025年9月に「投資家である僕がメタプラネットを買わない理由」として書いたものです。あれから1年、当時挙げた理由がどう答え合わせされたのかを【2026年9月時点】その後どうなったかの節に追記しました。先に当時の論(なぜ買わないのか)を読んでから、答え合わせに進んでもらうと構造がよくわかると思います。投資は自己責任ですので、買うも買わないもご自身で判断してください。

よくある質問
メタプラネットはやばいのですか?
倒産するという意味での「やばい」ではない、というのが筆者の見方です。5,000億円規模のビットコインを実際に保有し、その原資の中心が借入ではなく株式発行のため、価格下落で即座に強制売却を迫られる構造ではありません。ただし株価は2025年6月の最高値1,930円から2026年9月4日時点で293円まで下落しており、値動きの荒さは極めて大きい銘柄です(個人的見解・投資判断はご自身の責任で)。
メタプラネットのmNAVはどうなりましたか?
2025年9月時点の1.15から低下し、2025年10月15日に初めて1を割り込み(0.97)、2026年9月時点では0.70まで下がりました。1株あたりの保有ビットコイン価値が約420円に対し株価が293円という状態で、数字の上では保有ビットコインより安く評価されています。
メタプラネットは今もビットコインを買い増していますか?
保有量は2025年9月時点の25,555枚から43,000枚まで増えましたが、直近の買い増しは2026年6月末〜7月初めの2,823枚が最後で、それ以降2か月以上、新規購入の発表は出ていません(2026年9月6日時点)。
それでもメタプラネット株を買わない理由は何ですか?
増資のたびに1株あたりの取り分が薄まる構造が続いていること、mNAVが1を割っても750億円の自社株買い枠で2026年5月末まで取得が0株だったこと、株価の理由が自社の事業ではなくビットコイン価格に依存することの3点です。投機として値動きを取りに行くのは自由ですが、長期で資産を築く投資先としては選ばないというのが筆者の個人的見解です。
メタプラネットはどんな会社なのか?

一言でいうと、
株を発行して得た資金で、ひたすらビットコインを買い集める会社
です。非常に単純ですね。
執筆当時(2025年9月)に購入してきたビットコインは25,555コイン。金額にして4173億円にもなります。よくここまで資金調達してきたのがすごいです(2026年9月時点では43,000枚まで増えています。その後の変化は答え合わせの節にまとめました)。

mNAVという指標が注目されている
ビットコインに投資している上場企業が割高か割安かを表す指標として、mNAVという指標があります。
これは、企業価値が保有ビットコインの何倍なのか?を表す指標で、1を超えると割高と言われているそうです。個人的にはPBRでいいのでは?と思っているのですが、ビットコイン保有上場企業の評価はmNAVでやっているそうです。
2025年9月25日時点では、mNAVが1.15まで下がってきました。


投資家の僕がメタプラネットに投資しない理由
メタプラネットは投資対象かどうか?を一言でいうと、、
僕の投資基準では、投資対象になりません。
値動きを取りにいく投機としてなら、あとは本人次第だと思います。
です。なぜ投資家の僕がメタプラネットに投資しないのかですが、まとめると以下になります。
割高なので買う理由がない
税金が優遇といっても、普通の人は税制面での恩恵を受けられない
将来ビットコインの分離課税のリスクがある
値動きが激しいから買っているのは投機目的でギャンブル
1)割高なので買う理由がない
投資家は今は評価されていなく本来の価値よりも割安なものを買い、将来の適正な水準に値上がりして株価が戻ったり、長期的に企業が成長して売り上げや利益が上がるものを買うべきだと思います。
メタプラネットは、そもそも時価総額が保有資産以上に評価されており割高なので買うメリットはありません。
※これは2025年9月時点の話です。2026年9月時点ではこの前提が逆転しました(答え合わせの節へ)。
2)税金が優遇といっても、ほとんどの人に関係がない
よく「ビットコインは税金が最大55%で高い」と言われますが、55%になるのは他の所得と合算した課税所得のうち、4,000万円を超えた部分だけです。
給与と合算した課税所得が330万円なら、所得税10%+住民税10%で約20%。株式の20.315%とほとんど変わりません。
つまり多くの人にとって、「税制メリットがあるからメタプラネット株を買う」という理由は、思っているほど大きくないんですよね。
3)ビットコインが分離課税になる可能性もあり
現在、ビットコインは給与などと合算されて課税されていますが、将来的に株やFXのように分離課税になる可能性も議論されています。
もしそうなったら、メタプラネットの株を買うメリットは全くなくなります。
4)値動きが激しいので買っている
まさにこれは投機目的で買っていることになり、投資対象としてはボラティリティが高すぎて向いていません。ギャンブル的な要素が激しく、安定した資産を築くのにはメタプラネットの株は投資対象外としたほうがいいでしょう。
メタプラネットの株の本質的な問題点とは?
長期保有のための投資先としてメタプラネットが向いていない本質的な問題点として、
ディスカウントされた株を発行して資金調達をすることで、既存株主の持ち分が希薄化される。またビットコインを買い増ししていくことで、平均買い付け単価が上がっていくので、どんどん含み益が薄まっていく構造をしている
があります。
ディスカウントした金額での第三者割当増資やMSワラントで資金調達することで、既存株主の保有割合も下がりますし、普通にビットコインを買うよりもコストが高くなります。
そして、そのお金でビットコインを買ったところで、どんどん平均買い付け単価が上がっていくので株主として長期保有するメリットがどんどんなくなってしまいます。
保有株の株価が上がっていくので、もっと欲しいと思い買い増しした経験がある方は多いと思います。その時、平均取得単価がどんどん上がっていきませんでしたか?そして少し株価が下がったら、マイナスになって買い増ししなければよかった・・・という思いは、何度かやってしまっています。
メタプラネットが資金調達をして株を買い進めるのも同じことで、どんどん平均取得単価が上がっていくので相対的な含み益がどんどん削られて行きます。
そんなわけで、個人的にはメタプラネットを投資対象としては見れないのでした。
【2026年9月時点】その後どうなったか——答え合わせ
ここからが2026年9月の追記です。1年経って、当時書いたことがどう答え合わせされたのかを事実ベースで並べます。
株価は最高値から約85%下落
2026年9月4日の終値は293円。2025年6月19日につけた最高値1,930円からは約85%の下落で、直近52週のレンジも192〜779円と、当時の水準からもう一段下がっています。市場全体が崩れたわけではなく、この銘柄固有の下落です。
ビットコインは43,000枚まで積み上がったが、買い増しは止まっている
保有量は執筆当時の25,555枚から43,000枚まで増えました。ただし、直近の買い増しは2026年6月末〜7月初めの2,823枚が最後で、そこから2か月以上、新しい購入の発表は出ていません(2026年9月6日時点)。「ひたすら買い集める会社」の買う手が止まっている、というのが今の状態です。
mNAVは1.15 → 0.70へ。ついに会社の値段が中身を下回った
執筆当時1.15だったmNAVは、2025年10月15日に初めて1を割り込み(0.97)、2026年9月時点では0.70まで下がりました。1株あたりの保有ビットコイン価値が約420円なのに対して、株価は293円。つまりビットコインを持っている会社を、そのビットコインより3割安く買える状態です(mNAVは正確には有利子負債も加えて計算しますが、同社は負債が資産規模に比べて小さいため、1株あたりで見てもほぼ同じ倍率になります)。
ここは正直に書きます。当時僕が挙げた1つめの理由「割高だから買わない」は、もう成立していません。むしろ数字の上では割安です。実際、mNAVが1を下回る局面では自社株買いが株主価値の向上につながる、という議論も出ています。
750億円の自社株買い枠を作ったが、取得はゼロだった
会社は2025年10月28日に上限1億5,000万株・750億円の自社株買い枠を決議しました(取得期間は2026年10月28日まで)。ところが、2026年5月末時点での累計取得は0株。枠を作っただけで、実際には1株も買い戻していませんでした。株価が最も安い局面で、割安になった自社株を買えなかったわけです。
希薄化の規模は日本の資本市場でも異例
2025年6月、同社は5億5,500万株のMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)で約7,709億円を調達すると発表しました。会社自身が「日本資本市場史上最大の新株予約権発行」と説明しています。2025年8月には海外募集でも約2,041億円を調達。僕が「本質的な問題点」として書いた希薄化は、想像を超える規模で実際に起きたということです。
CEOが新株予約権を行使、5年間のロックアップ付き
経営者の動きも見ておきます。2026年8月、ゲロヴィッチCEOが新株予約権を1株10円で行使して6,403万株を取得し(払込額は約6.4億円)、保有株は約7,959万株に。この新規取得分には原則2031年8月17日までのロックアップ(売却制限)が付いています。5年間売れない形にした点は、長く経営に関わるという約束にはなります。ただし市場で時価で買ったわけではなく、時価を大きく下回る1株10円で株を得る仕組みには株主から批判が出ました。公表後の1週間で株価は約20%下落し、会社は9月に予約権の条件を見直しています。
今後どうなる?メタプラネットは大丈夫なのか(個人的見解)
ここからは完全に僕の個人的見解です。
まず「やばい=倒産する」という意味なら、そこまでの話ではないと思っています。5,000億円規模のビットコインを実際に保有していて、その原資の中心が借入ではなく株式発行だからです(ビットコインを担保にした借入も一部行っていますが、主軸は増資です)。全額を借金でレバレッジをかけて買っていたら、価格下落で追証・強制売却という最悪のシナリオがありますが、株で集めたお金には返済期限がありません。ここは投資家として冷静に見るべきポイントです。
そのうえで、僕は今も買いません。理由は、当時書いた「本質的な問題点」が今も生きているからです。
- 株主が受け取る価値が、増資のたびに薄まる構造——ビットコインは増えても、1株あたりで見た取り分は増えるとは限りません。実際にmNAVは1.15から0.70まで落ちました。「会社は成長しているのに株主は報われない」という形になり得ます。
- 割安に見えるが、割安を解消する手段が実行されていない——mNAVが1を割った会社が株価を戻す最短の道は自社株買いですが、750億円の枠で取得は0株でした。割安が放置されるなら、割安であること自体は買う理由になりません。
- 結局はビットコイン次第——事業の利益で株価が決まる会社ではないので、値動きの理由をこちらでコントロールできません。それならビットコインを直接買うか、買わないかの二択でいいと僕は思っています(僕はビットコイン自体も、生活を賭ける対象にはしていません)。
今後の見どころを1つだけ挙げるなら、自社株買いを本当に実行するかどうかです。mNAVが1を大きく割ったまま自社株買いを実行すれば、1株あたりのビットコインは増え、株主の利益になります。逆に、この局面でまた増資に走るなら、これまでと同じ構造が続くということ。株価やビットコインの値段ではなく、そこを見ると会社が誰のほうを向いているかがわかります。
投機として値動きを楽しむのは個人の自由です。ただ「長期で資産を築く投資先」として見るなら、僕の答えは1年前と変わりませんでした。
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