こんばんです。もふもふ不動産のもふです。
今日はですね、キオクシアがとんでもない決算を叩き出してきましたので、詳しく解説していきたいと思います。
実は僕、元々キオクシアで研究開発を2010年くらいからずっとやっていまして、この半導体の3次元フラッシュメモリという分野には並々ならぬ思い入れがあるんです。さらに投資家としても20年以上活動していますので、今日は研究開発者と株式投資家のダブルの目線で、このキオクシアという会社が今どれだけ凄いことになっているのかをたっぷりとお話しします。
株価10倍で時価総額10兆円超えという異次元の成長

まず驚くべきは株価の動きですね。1年前に上場した時から比較して、なんと株価は10倍以上に上昇し、2万4000円という値をつけました。これによって時価総額は10兆円を突破し、日本を代表する超大型企業としての地位を不動のものにしています。
去年の6月頃、僕は動画やブログで、キオクシアはAI時代に必須の存在であり、第2のエヌビディアになれる可能性があるという予想を出していました。
当時は、そんなわけないだろうという懐疑的な声も多かったのですが、蓋を開けてみれば僕の想像をはるかに超えるスピードで成長し、多くの投資家から感謝の声をいただくまでになりました。
エヌビディアが熱望するキオクシアのSSD

なぜここまでキオクシアが求められているのか。そのきっかけは、世界最強のAI半導体メーカーであるエヌビディアとの提携です。エヌビディアが次世代のAIシステムを構築する上で、キオクシアの高速なSSDが不可欠であるということが明確になりました。
エヌビディア側からも、AIのパフォーマンスを最大化するためにはキオクシアの技術が絶対にいりますという強い要望が出ています。2024年度からその流れは加速しており、これまでの半導体ブームとは一線を画す需要の波が押し寄せています。
AIシステムにおけるボトルネックの解消

AIの仕組みをエンジンとガソリンの関係で例えてみましょう。 GPU(グラフィックスプロセッサ)がいわゆるエンジンで、そこに流し込むデータがガソリンです。どんなにエンジンの回転数を上げても、ガソリンを供給するポンプやタンクが詰まっていては、車は速く走れません。

これまではDRAMというメモリがガソリン供給の役割を担っていましたが、そこが追いつかなくなり、HBMという超高速なメモリが登場しました。しかし今、その次のボトルネックとなっているのが、膨大なデータを保存しておくストレージ、つまりフラッシュメモリの部分なんです。ここでデータを超高速で転送できないと、せっかくのGPUが宝の持ち腐れになってしまいます。そこにキオクシアの技術がピタリとはまったわけです。
世界を驚かせたCBA技術の凄み

キオクシアが他社を圧倒している理由の一つに、CBA(CMOS Bonded Array)という技術があります。これは簡単に言うと、データを記憶するメモリ部分と、それを制御する回路部分を別々に作って、最後にそれらをガッチャンコと貼り合わせる技術です。
これまでの作り方は、一つの基板の上に回路とメモリを順番に積み上げていくものでした。しかし、これだとメモリを作る時の熱で下の回路が痛んでしまったり、逆に回路が邪魔をしてメモリを効率よく並べられなかったりという問題がありました。

これをシュークリームに例えると分かりやすいです。 これまでは生地の中にクリームを入れてから全体をオーブンで焼くようなものでした。そうすると生地を焼く熱で中のクリームが煮えてしまい、味が落ちてしまいます。そこでキオクシアは、生地は生地で最高にパリパリに焼き上げ、クリームはクリームで新鮮なまま別に作り、最後に合体させるという方法を編み出したんです。
この合体させる作業がまた凄まじく難しいんです。300ミリメートルもある大きな円盤状のウェハ同士を、ナノメートル単位の狂いもなくピッタリと貼り合わせる必要があります。これを量産レベルで実現できているのは、世界でもキオクシアくらいなものです。
僕はかつて現場で3次元フラッシュメモリの立ち上げをやっていましたが、この技術は信じられません。本当によくこんな難しいことを成功させたなと、キオクシアの努力には頭が下がる思いです。この技術があるからこそ、エヌビディアからも認められ、採用に至ったのだと確信しています。
衝撃の決算と来期に向けた爆発的なガイダンス

ここからは数字の話をしましょう。今回の決算内容はまさに衝撃的でした。 直近の四半期売上高は5400億円、営業利益は1900億円となっています。これだけでも凄いのですが、利益率が36%から40%という驚異的なマージンを叩き出しています。

そして何より市場を驚かせたのが、第4四半期の業績予想(ガイダンス)です。売上高は8400億円から9500億円になると発表されました。たった3ヶ月で売上が1.5倍から2倍近くに跳ね上がるという予想です。営業利益に至っては4400億円から5300億円を見込んでおり、営業利益率は50%を超えてくる勢いです。
これを単純に年間に換算すると、売上高は4兆円規模、営業利益は2兆円に達します。これは日本が誇る製造業の王者、トヨタ自動車の利益水準にも近づくような、まさに異次元の数字です。これほどの爆益を生み出す製造業が日本に誕生したことは、一つの歴史的な転換点だと言えます。
財務体質の劇的な改善とキャッシュの課題

もちろん課題がないわけではありません。時価総額10兆円規模の企業としては、手元の現金(キャッシュ)が約2800億円と、少し心もとない印象を受けました。これまでの苦しい時期を乗り越えるために投資を継続してきた結果なのですが、売上規模に対してキャッシュリッチとはまだ言えません。
しかし、財務の健全性を示すネットD/Eレシオなどは着実に改善しており、経営状態はどんどん筋肉質になっています。今後、これだけの利益が出てくれば、キャッシュの問題もすぐに解決し、さらなる次世代投資へと回していく好循環が生まれるでしょう。
2001年の涙から始まった復活の物語
キオクシアの歴史は、決して平坦なものではありませんでした。 前身である東芝の四日市工場時代、2001年にDRAM事業から撤退した時のことは、今でも語り継がれています。当時、会社は存亡の危機にあり、エンジニアたちは仕事がなくなって工場の草むしりをしたり、自動車工場へ出向したりしていました。
四日市工場の管理棟には2台のエレベーターがあるのですが、電気代を節約するために1台をあえて止めていた時期がありました。その止まったエレベーターを見て、当時の先輩たちは、この悔しさを忘れるな、いつか必ず世界一に返り咲くんだと誓い合ったそうです。僕もその止まったエレベーターを見たことがありますが、その廃墟のような光景には、当時の人たちの意地と魂が刻まれているように感じました。
どんなに苦しい時期でも、キオクシアはフラッシュメモリへの投資だけはやめませんでした。DRAMでの失敗を繰り返さないため、上層部は泥水をすするような思いで資金を工面し、新しい工場を建て続けました。その執念が実を結び、今や世界中で使われている3次元フラッシュメモリの生みの親として、頂点に君臨しているのです。

この3次元フラッシュメモリを開発した5人のレジェンドの方々は、実は僕の元上司や指導役だった方々です。皆さん、クレイジーなほどに頭が良く、情熱に溢れていました。僕が右も左も分からなかった頃に、半導体開発のイロハをゼロから教えてくださった恩師たちです。皆さんがまさか僕がYouTuberになるとは思ってもみなかったでしょうが、こうして素晴らしい成果を世界に発信できることを誇りに思います。
未来への布石、光通信SSDと新工場の展望

今後の注目ポイントは、さらに高速なインターフェースの導入です。 キオクシアは現在、光通信を活用したSSDの開発を進めています。電気ではなく光ファイバーでデータをやり取りすることで、これまでの限界を超えた超高速転送が可能になります。エヌビディアの次世代チップであるVera Rubinなどと組み合わされることで、AIの進化はさらに加速するでしょう。
また、生産能力の拡大も急ピッチで進んでいます。岩手県の北上工場では第2製造棟の立ち上げが控えており、2025年9月からの稼働を目指しています。新しい工場の立ち上げは非常に難易度が高いのですが、四日市での経験を活かせば大きなリスクはないと見ています。
四日市工場もすでにディズニーランドを超えるような広大な敷地を持っていますが、これ以上の拡張が難しいほど過密になっています。既存の古い棟を壊して最新鋭の棟に作り変えるのか、あるいは別の場所に新天地を求めるのか、その決断も今後の成長を占う上で重要になってくるでしょう。
まとめ
キオクシアの躍進は、単なる運ではありません。20年以上前の挫折を糧にし、どんな時も技術への投資を惜しまなかった日本企業の執念が生んだ結果です。
AI需要でフラッシュメモリが枯渇し、キオクシアに注文が殺到している。
エヌビディアとの提携により、次世代AIシステムの核となる。
独自のCBA技術が世界最高水準のパフォーマンスを実現。
来期の利益予想はトヨタに匹敵するほどの爆発的な水準。
現場のエンジニアたちの魂がこもった復活劇である。
元研究開発者として、僕が心血を注いでいた技術がこうして世界を救うインフラになっていることは、本当に感慨深いです。これからもキオクシアの動向、そして半導体業界が切り拓く未来について、しっかりとウォッチして皆さんにお伝えしていきたいと思います。
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キオクシアの技術についてさらに深掘りした内容や、次に注目すべき半導体関連銘柄の分析なども知りたいですか?もしリクエストがあれば、また詳しい記事を書いてみたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


