と思われているかもしれませんが、実は証券会社の営業マンの言うとおりに売り買いすると、大きな損失になる可能性もあります。
証券会社の人は、株式のプロだから儲かる株を教えてくれると思ったら大間違いです。もしその営業マンがどの株が上がるかわかっていたら、株や投資信託を売らずに自分で株を買ってサラリーマンをやめていることでしょう。
営業マンの言うとおりに売り買いしていくと、莫大な損失になる可能性すらあるので注意が必要です。
私は2005年からずっと株式投資やFX投資をしており、2014年からは不動産投資も行っています。そのため、投資業界の詐欺のような案件をたくさん見たり聞いたりしてきました。
実際、こういうケースはよく聞きますので、注意が必要です。
2019年1月21日、読売新聞から報道がありました。
証券会社が株売買の委託手数料を稼ぐため顧客に株を短期間で買い替えさせる「回転売買」が横行し、証券取引等監視委員会が警戒を強めている。顧客は外国株の取引で損失を出す高齢者が目立ち、監視委は昨年10月に準大手証券会社に業務の改善を要請した。今後、証券各社への立ち入り検査を強化する。
「販売員にうまく乗せられ、資産の多くを手数料で持っていかれた」。昨年7月までの約6年間、準大手証券会社を通じて外国株などの売買を繰り返した東京都内の女性(74)は憤る。
女性は2011年、死亡した夫から4000万円相当の大手企業株などを相続。投資経験はなかったが、弔問に来た証券販売員から「財産は有効活用しないと損ですよ」と勧誘され、相続した株を外国株に買い替えるなどし、計約1億4000万円分を投資に充てた。
損失が出ても販売員の上司らから「会社のチームが支えるから大丈夫」と言われ、外国株や新興企業株の短期売買を繰り返した。だが、損失が膨らみ、弁護士に相談。それまでの取引を計算すると、利益はほぼ出ていないのに委託手数料の総額は約6400万円にも上っていた。
女性から相談を受けた弁護士は取材に「まっとうな取引ではなく、顧客を手数料稼ぎの道具としか見ていない」と証券会社を批判。一方、同社は「コメントできない」としている。
-株の回転売買横行 手数料総額6400万円も-読売新聞より
このように、手数料を儲けるために外国株や新興国株の売買を繰り返し、手数料を荒稼ぎするというのが報道されました。
お金を増やすどころか、手数料だけで大きな損失になっています。
この記事では、投資家の私が見て、危険と感じている回転売買についての注意点について解説していきます。
株の回転売買に注意。悪質な証券会社の営業マンがいるので危険です
証券会社は株や投資信託の売買手数料から利益を得ていることが多いです。
最近では、若い人はSBI証券などのネット証券会社を使う方が多いので、昔ながらの証券会社を利用する人は少なくなってきます。電話などで売買してくれるので、お年寄りなどは依頼しやすいというメリットがありますが、手数料がかなり割高なのがネックとなります。
総合証券は店舗がある分、人件費がかかるため手数料が高く、ネット証券は店舗がない分コストを下げられるので手数料が安くなります。
みんなの株式より
96ut.com(玄人)さんのページで手数料の比較が乗っていましたが、500万円以上の現物株の取引きの場合の手数料で
- ネット証券~1000円くらい
- 証券会社~最高2万円以上
と、20倍くらいも差が出ています。
これは人件費がかかっているからしょうがないことなのですが、かなりの金額差になっています。
この手数料欲しさに、営業マンが売買を繰り返しするように誘導するのです。
「米国株が上がりそうだから、米国株を買いましょう」
「新興国が良いので、米国株を売って新興国株を買いましょう」
「やはり米国株が持ち直してきたので、米国株を買いなおしましょう」
みたいな感じで、とにかく売買させてくるようです。
売買の回数が多いほど、証券会社に手数料が入ってきて利益が上がります。そのため、とにかく理由を付けて売買することを勧めてくる証券会社がいるんです。
手数料の高い商品により注意
より多くの手数料を稼ぐため、販売手数料が高い商品を勧めてくる場合があります。
複雑な商品であればあるほど手数料が割高になる傾向があるので注意が必要です。
一般的には日本株よりも外国株のほうが販売手数料が高く、場合によっては為替の手数料もかかってきます。
投資信託についても、日経平均などのインデックスの販売手数料は安いですが、新興国などの株を混ぜ込んだ投資信託のほうが手数料が高い傾向にあります。
パワハラが横行しているケースがあり、営業マンも苦しい立場
証券会社の営業マンは、厳しいノルマに追われているケースが多いです。ブラックな噂は絶えません。
友達が大手証券会社の営業マンをしていましたが、ノルマを達成できないと詰められるとのことです。
「詰める」とは、どうやってノルマを達成するのか、威圧的な態度で部下を追い込むような言葉として使われているようでした。
証券会社の営業マンは、日々上司や支店長から詰められて、どうやってノルマを達成するのか追い詰められています。何とかしてノルマを達成しないと…という心理になり、顧客が存するのをわかっていて回転売買に走る方もいるでしょう。。
匿名掲示板で書かれていたのが記事になっていますが、壮絶です。
配属初日、いきなり課長から丸刈りを命じられると、2日目からは朝3時に起きて自転車で出勤の生活が始まる。5時に出社する上司より早く出社しなくてはならず、始発では間に合わないためだ。
ひたすら飛び込み営業をかけ続けたが、スレ主はなかなかノルマをこなせず、朝礼で「皆様のおかげでご飯を食べさせていただいてます」などと土下座して回ることが日常化した。ノルマ未達成の社員が、それ以外の社員に詫びることになっているのだ。
そのうち土下座以外にも、私用の携帯を奪われて登録先に片っ端から営業電話をかけさせられ、友だちを失うはめに。さらに個人の借金でノルマ分を買わされたり、暴力を振るわれるなどのパワハラを受けたりするうちに、心身ともに追い詰められてしまう。
–証券会社の営業マンのブラックな噂は本当?– キャリコネニュースさんより
他にも検索するとたくさん出てきます。。スルガ銀行の不正融資問題でも、パワハラが横行されて詰められていました。。金融業界全体として、こういう文化が残っているようです。(スルガ銀行のパワハラはこちら)
FXの回転売買の営業にも気を付けよう
ここまで、株の回転売買で被害にあわれた方が報道されていたので注意喚起してきました。
株だけではなく、FXの販売業者も営業が不安をあおって売買させるという手口があります。
友達の投資家がこの手口に引っかかってしまい、営業マンから不安をあおられて売買を繰り返し膨大な手数料を奪われ損失を被っていました。。
正確に言うと、FXの場合は手数料ではなく、スプレッドという売りと買いの価格差があり、その差分でFXの会社は利益を出しています。
例えば、アメリカドルだった場合、
- ドル買い…100円
- ドル売り…99円
というようなイメージです。100円で1ドル買って、その1ドルを売ると99円が戻ってくるようなイメージですね。
この場合は往復で1%の手数料になります。
FXの場合も不安をあおってとにかくたくさん売買させて、スプレッドで証券会社の利益を出すため、とにかく売買させるというのは証券会社の営業マンと同じですね。
証券会社の売り込みに注意しよう
証券会社の営業マンの言うとおりに売り買いし、手数料をかすめ取るという手法が報道されました。
株のプロと思って証券会社の営業マンの言うとおりに売り買いするのは、とても危険な場合があるので注意が必要です。
専門家の言うことだから鵜呑みにはせず、リスクをちゃんと判断して購入するように気を付けないと、騙されてしまう可能性があります。
不動産投資についても同様で、不動産屋さんやコンサルタントの言うとおりに買うと大きな失敗につながる可能性もあり注意です。
Youtubeでも解説していますので、ぜひ見てみてください
証券会社の人たちはプロだから、証券会社の人の言うままに買ってみようかな?