「政経電論TV」にゲスト出演 ─ 元キオクシア・ソニーの技術者として、フィジカルAIと日本企業の勝ち筋を佐藤尊徳編集長と語る

政経電論TVのサムネイル。「フィジカルAI到来 キオクシア・ソニー次の主役になる?」元キオクシア・SONY技術者 もふ社長と政経電論編集長 佐藤尊徳さん

2026年9月30日、チャンネル登録者60万人超のYouTubeチャンネル「政経電論TV」(運営:株式会社経営科学出版)に、「元キオクシア技術者 もふ社長」としてゲスト出演しました。聞き手は、ウェブメディア「政経電論」編集長で、雑誌「経済界」の編集長も務めた佐藤尊徳さんです。「フィジカルAI」を軸に、半導体メモリの仕組みから、キオクシアやソニーなど日本企業の勝ち筋までを、ソニー・キオクシアで半導体の研究開発に携わってきた立場からお話ししました。

YouTubeで公開された前半(約49分)は、公開2日で12万回再生を超えています(2026年10月2日時点)。続く後半は、会員制サービス「政経電論プレミアム」で公開されています。

「政経電論TV」と、聞き手の佐藤尊徳さん

「政経電論TV」は、ウェブメディア「政経電論」編集長の佐藤尊徳さんと、大王製紙元会長の井川意高さんがMCを務めるYouTubeチャンネルです。2023年5月に配信を始め、登録者は60万人を超えています(2026年10月時点)。今回の対談は、前半をYouTubeで、後半を会員制の「政経電論プレミアム」で公開する2部構成です。

佐藤尊徳さんは、1991年に経済界に入社して雑誌「経済界」の編集長を務めたのち、2013年に「政経電論」を創刊し、編集長を務めています。今回の出演は、2026年8月に経営科学出版から当サイトのお問い合わせフォームを通じてご依頼をいただき、実現しました。

番組で語ったこと:フィジカルAIで、半導体の何が足りなくなるのか

番組の画面タイトルは「フィジカルAIと半導体の最前線〜それでも残る、日本の勝ち筋」。佐藤さんの質問にお答えする形で、次のような内容をお話ししました。

フィジカルAIで、半導体の需要は2か所で増える

ロボットの中で動く「頭脳」と、そのロボットを学習させるデータセンターの両方です。データセンターでは、NVIDIAの「Omniverse」のように物理法則を再現した仮想空間で、ロボットに何百万回も動作を試させています。実機で1日がかりだった調整を桁違いの規模で回せる分、膨大な計算資源・電力・メモリが必要になります。

AIは「速くするほど買い手がいる」

NVIDIAの次世代「Vera Rubin(ベラ・ルービン)」は、6種類のチップを同時に作り直し、多くの企業との協調設計(エクストリーム・コデザイン)で全体を作り込んでいます。速さが採算に合わなかった超音速旅客機コンコルドと違い、AIは速くすれば高くても買う顧客がいる。だから大手IT企業が巨額の投資を続けている、という見方です。一方で、OpenAIやAnthropicのように「血を流しながら走り続けている」AI企業が投資を回収できるのか、NVIDIAからの資金支援が膨らんでいる点も含めて、懸念もお話ししました。

DRAMは「机」、NANDは「本棚」 ─ キオクシアが賭けた道

DRAMは速いが電源を切ると消える作業用、NANDフラッシュは遅いが大容量で、電源を切っても消えない保管用。役割が違うので、どちらも欠かせません。DRAMを持たないNAND専業のキオクシアは、「DRAMが足りないなら、速く動くNANDで補う」という方向に5年ほど前から動いてきました。その中核が、メモリ部分と回路部分を別々に作って貼り合わせる「CBA」技術です。ただ、中国のYMTCも同様の貼り合わせ技術(Xtacking)をキオクシアより先に発表しており、追い上げを警戒しています。

HBMとHBF ─ メモリが「AIの記憶」になった

GPUのすぐ隣でデータを送り込むHBM(DRAMを積み重ねて縦に貫通させた高速メモリ)は、SKハイニックス・サムスン・マイクロンの3社が作っており、DRAMを持たない日本勢は作れません。そこでサンディスクとSKハイニックスが打ち出しているのが、フラッシュメモリで容量を大きくする「HBF」で、AIが長いやり取りの途中で前のことを忘れてしまう問題を補える可能性があります。メモリは「画像や動画を保存する箱」から「AIの頭脳に差す拡張メモリ」になり、高くても奪い合う部品に変わりました。キオクシアはHBFをまだ発表していませんが、サンディスクとフラッシュメモリを共同で作っていることから、一緒に取り組んでいるのではないかと推測しています。

日本の勝ち筋は「メモリ」と「ロボットの目」

メモリではキオクシアがリードし、ソニーのCMOSイメージセンサーは世界一の技術力を持っています。フィジカルAIでは、イメージセンサーがロボットの「目」になります。ソニーとTSMCの合弁は、撮った画像をその場で処理してすぐ反応できる、フィジカルAI向けの「目」を狙ったものではないか、というのが元ソニーの技術者としての見立てです。

さらに、車にたとえればエンジン(GPU)だけでなくタイヤや燃料ポンプまで限界に来ているように、AIのボトルネックはデータ転送・電力・部品へと広がっています。村田製作所のMLCC(積層セラミックコンデンサ)、味の素のABF、光接続のフジクラ、光電融合など、日本の部材企業に光が当たっている理由も解説しました。

東芝でメモリ開発に携わっていた当時を振り返り、「潰れる未来は想像したけれど、今の姿は1ミリも想像していなかった」と率直にお話しする場面もありました。

後半の会員限定パート(政経電論プレミアム)では、番組の告知によると、元技術者として見た東芝の迷走の内幕、AIの「電力の壁」とNVIDIAが賭ける光電融合、日本に残る「隠れ企業」の実力と弱点、TSMC「一強」の理由と台湾有事といったテーマを掘り下げています。

なぜ「元キオクシア・ソニーの技術者」が語るのか

もふもふ不動産のもふ(菊地夏紀)は、大学卒業後にソニーで世界初のシステムディスプレイ「ACX343」の開発に携わり、その後、東芝(現キオクシア)で世界初の48層3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」の立ち上げに第0世代から参画しました。ソニー・キオクシアの16年間で、世界初の量産に2度携わった研究開発者出身の投資家です。番組の冒頭でも、この経歴をそのまま自己紹介しています。

フィジカルAI、半導体メモリ(DRAM・NAND・HBM・HBF)、キオクシアやソニーをはじめとする日本の電機・半導体企業の行方といったテーマを、開発の現場にいた技術者と、20年以上市場と向き合ってきた投資家の両方の視点から、一般の視聴者にも伝わる言葉に置き換えてお話ししています。

出演動画

画像をクリック(タップ)すると、このページ内でそのまま動画を再生できます。

政経電論TVの収録風景。もふが仮想空間でのロボット学習を解説し、聞き手の佐藤尊徳さんが聞いている場面

▼番組情報
番組:政経電論TV(YouTube・運営:株式会社経営科学出版)
動画:【フィジカルAI】キオクシア・SONY...日本企業が大復活を遂げる!?(ゲスト:元キオクシア技術者 もふ社長)
公開日:2026年9月30日
聞き手:佐藤尊徳さん(政経電論編集長)
後半:会員制サービス「政経電論プレミアム」で公開

2026年、半導体・投資の専門家として続く取材・出演

キオクシアの時価総額が国内トップクラスに躍り出た2026年、「実際に3次元フラッシュメモリを開発していた元技術者」と「20年以上市場と向き合ってきた投資家」の両方の視点を持つ専門家として、国内外のメディアから継続的に取材・出演のご依頼をいただいています。

番組のテーマを、解説記事で

当サイトでは、今回の番組で取り上げたテーマを、技術者と投資家の両方の視点から詳しく解説しています。

今後も、半導体・株式投資・不動産投資の専門家として、難しいテクノロジーと投資の話を「わかりやすく」伝える発信を続けてまいります。

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