もふもふ不動産のもふです。
2014年から不動産投資を開始。TwitterやYouTubeやブログなどで資産運用や不動産投資について解説しています。
最近、人手不足になっており、特に若者の給料が高くなっている傾向にあります。会社によっては、初任給が1000万円などという例もあり、若者の給料が増やされてきています。
従来日本は年功序列となっており、勤続年数や年齢で給与が自動的に決まっている部分が多かったです。しかしそれでは優秀な若者が外資系企業に引き抜かれたりすることにようやく気が付き、日本企業も初任給を上げたり若者の給与を上げ始めました。
僕自身、16年間大企業でサラリーマンをしていた経験があり、その経験を踏まえてどのような企業がどういう職種に高い初任給を出しているのか?また、企業はどんな人材を求めているのかをわかりやすく解説しました。
もくじ
IT系企業で若者の給与を増加中
IT系の企業で若者の給与を上げている例が多くなってきています。
SONYで新卒に年収730万円
業績が好調なSONYで神速の年収を最大で730万円にすると報道されています。通常の社員では年収560万円なのですが、プログラミングやAIなどの分野でサービスを開発できる優秀な人材に対し、給料を730万円までUPするそうです。
ソニーは、新入社員の初任給を引き上げる。プログラミング言語を使いAI(人工知能)などの分野で新たなサービスを開発できる人材を採用するため、大学院修了など一部の新入社員の年収を能力に応じて最高で730万円と、現在の約560万円から3割程度上げる。デジタル分野での人材の獲得競争が世界的に激しくなっていることが背景にある。
今春の新入社員も全員7月から、給与を大卒で2万円増の月25万円、院修了で1万5千円増の月28万円に引き上げる。その上で、プログラミングが堪能な新入社員を中心に、入社後の仕事内容や評価に応じて人事評価で9段階中の4段階目にあたる「主任クラス」の等級に抜擢(ばってき)する。これまで新入社員は入社2年目の6月まで一律で「等級なし」だった。
2020年4月からは採用試験など、入社前の評価で等級を与えることも検討している。約400人いる新入社員で実際に等級が与えられるのは5%ほどと見込む。
同社広報は「世界的な人材獲得競争に、危機感を持って対応していく」としている。
- ソニーが「新卒に年収730万円」、最大のカベは中高年社員の嫉妬!?(SHIFT)
NECが新卒に年収1000万円超 IT人材確保に危機感
NECでもIT系の技術者に新入社員でも年収1000万円以上を支払う制度を導入すると報道されていました。
日本のIT(情報技術)大手が若手の研究者や技術者の報酬を増やす。NECは優秀な研究者には新入社員でも年収1000万円以上を支払う制度を導入する。富士通はカナダの人工知能(AI)子会社で役員待遇の報酬を検討する。IT業界ではGAFAなどの米国企業などが厚遇で世界の人材を集めている。危機感を強めた日本企業は若手を照準に市場価値に見合った評価を導入し、硬直的な賃金制度を見直す。
著名な学会での論文発表の実績などある技術者に対して適用される可能性があるそうです。従来も役員年収並みの2000万円~3000万円の年棒の仕組みはあったが、20代~30代は対象外だったとのこと。
ここで注意が必要なのは、制度を導入しただけで実際に1000万円以上を支払われる新入社員が現れるかどうかは別問題ということです。NECは業績が低迷してリストラに次ぐリストラをしてきた年功序列の制度が残る旧体質の企業です。
これまでの動きを見てきて、本当にNECが
- 優秀な若者を見抜くことができるか
- 優秀な若者を抜擢できるか
ということについては、これまでの経緯を見るとかなりハードルが高いのではないでしょうか?
NTTデータがAI技術者に最大3000万円の年収
日本国内のIT系企業のトップクラスであるNTTデータでも、AIやIoTの技術者に3000万円の年棒を支払う制度を作ったと報道されました。
NTTデータは4日、人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながる「IoT」などの分野でトップ級の技術者の獲得を狙った人事制度を新設したと発表した。国内IT(情報技術)企業では最高水準の年収2000万~3000万円で処遇する。AIやIoTのトップ技術者は世界的に不足し、国境・業界を超えた争奪戦になっている。米国企業とも戦える報酬制度で対抗する。
従来も、NTTがGAFA(Google, Apple, FaceBook, Amazon)などの企業に優秀な人材を引き抜かれまくっていたと、NTTの社長が危機感を抱いているのが報道されました(参考:対GAFAで研究者の処遇改善 NTT、流出に危機感)。
このことに対する対応なのでしょう。従来の日本は年功序列制度が根深く残り、どんなにすさまじい結果を残しても報酬がUPすることは難しい現状でした。そのため、優秀な人材ほど外資系企業から引き抜かれまくるのです。
今後はIT技術者の給料がよりUPする
今に日本のIT技術力が育たないのも、優秀な人材を育てようという気がなく引き留めようともしてこなかったからでしょう。。
実際、たった一人の天才技術者が世界を変えてしまうのです。日本企業の経営者たちが、ようやくそのことに気が付き始めてきました(20年遅いのですが…)。今後ますます、優秀な若者の給料が増える可能性が増してくるでしょう。
海外で戦える若者の給料がUPする傾向がある
若者の給料を上げているのはIT系だけではありません。ユニクロのファーストリテイリングや、くら寿司などの企業でも若者の報酬を上げ始めています。
ユニクロのファーストリテイリングが入社3年目で年収3000万円も
ユニクロが入社3年目の若者にも年収3000万円の可能性があると報道されました。
入社後に店舗やITの経験を積ませ、3~5年後に幹部に登用する計画とのこと。さらに、国内担当で年収1000万円、欧米で年収3000万円まで想定しています。
ユニクロを運営するファーストリテイリングは優秀な若手の確保に向けて2020年春にも人事制度を見直す。入社後最短3年で子会社の幹部などに抜てきする。年収は1千万円を超え、欧米勤務では最大3千万円程度とする。ソニーが人工知能(AI)に詳しい新入社員を優遇するなど、横並びの給与や昇進体系の見直しが進めば成果主義が浸透し、企業の生産性向上にもつながっていく可能性がある。
有価証券報告書によると、18年8月末時点の平均年収は877万円だ。新入社員は接客や店舗運営を学ぶためほぼ一律に店舗に配属される。20年春入社の社員からは一律ではなく、個人の能力に応じてITやデザインなど専門性が高い部門にすぐに配属する人を増やしていく予定だ。
柳井社長は「優れた人材にはチャンスを与え、それに見合った教育や待遇が必要だ」と説明する。問題を改善し物事を変えていく力や常に新しい事に挑戦する積極性といった資質を重視する。
日本は人口減少などの問題があり、日本市場が衰退していくのは目に見えています。そうすると、必然的に海外に進出せざるを得ない状況となってきます。
海外で戦える幹部候補には高い給料を払うということでしょう。とても良い戦略です。
くら寿司で新卒で年収1000万円の幹部候補生を採用
回転ずしのくら寿司でも新卒で年棒1000万円の幹部候補生を募集すると報道されました。
くら寿司は2020年春入社の新卒採用で、入社1年目から年収1000万円の幹部候補生を募集する。26歳以下でビジネスレベルの英語力を持つ人材を最大10人ほど採用する。米国や台湾など海外でも回転ずし店を積極出店するなか、グローバルで経営を担う人材を確保する狙いだ。幹部候補生は入社して2年間、店舗での研修や購買部などでの職場内訓練(OJT)を受ける。そのあと1年程度、海外研修に参加する。研修後は適性に合った部署に配属され、部長職相当の業務を担う。年俸制とし、1年目から1000万円を支払う。新卒だけでなく、応募条件を満たす社員も申し込める。
最大1000万円ではなく、1000万円で10名ほど採用する計画なので、ほかの企業より進んでいる取り組みだと思います。26歳まで応募可能なので、新入社員だけではなく第二新卒や、さらにすでに入社している方も対象にしているのですばらしいですね!
よく考えられていると思います。
くら寿司も今後は海外進出を加速させようとしていて、そのためには海外で戦える優秀な幹部候補生の人材獲得が必須と考えているようです。
日本の回転ずし市場は飽和状態に近くなってきているので、成長を続けるには海外に打って出るしかないという考えなのでしょう。
どんな若者の初任給が上がるのか?
ここまでの例を見てきていくつかの傾向が見えてきています。
IT系で人工知能などのプログラミングスキルがある人材
人工知能は、すでに研究段階から応用段階に入っており、僕らの身近なサービスすべてに取り入れられつつあります。そして、人工知能を活用して未来を予測することで、利益が改善したり今までになかったようなサービスが生まれています。
そういったことから、今後も企業の差異化を図るための最も重要な技術の一つがAIだと考えられています。
IoTが進み、莫大なデータがサーバーに響蓄えられており、そのデータを人工知能を活用して応用することが、いま最も重要と考えられているのです。
今後も人工知能を活用できる人材や、人工知能の研究者は重宝されることでしょう。
海外で戦える人材
従来は日本国内だけでビジネスをしていけば、ある程度の売り上げを確保できていました。しかし日本の市場が衰退に向かっていることは明確なため、このままいけば売り上げは減り続け、企業として存続できるかどうかの問題になっていくでしょう。
そういったことから、海外でも売り上げを伸ばすことが企業にとって重要なこととなっており、いかに海外の市場で戦って勝てるかが今後を大きく左右するでしょう。
そのため海外で戦える人材を求めていく傾向が増えると考えています。
海外で戦うためには、
- 英語力
- マーケティング力
- 交渉能力
- ビジネスの経験
等が求められるでしょう。特に日本企業はマーケティングが得意でないので、海外のマーケットを分析して海外にカスタマイズした商品を提案できる人材は、さらに重宝されると考えています。
韓国の三星はマーケティングを重視していて、その国に何年住んでその国の文化を習得し、その国の人が求める商品を開発しています。そのマーケティング力で、世界中でシェアを伸ばしてきました。
例えば、インド向けの富裕層向け冷蔵庫にはメイドのつまみ食いを防ぐためのカギを付けて人気となりました。
中東向けの携帯電話にはコンパスを付けて、メッカの方向がわかるようにしたりしています。
こういう発想は、その国の文化や生活を深く把握していないと生まれないでしょう。。
日本企業も、ようやくこういうマーケティング力を求め始めると予想しています。
若者の給料や初任給が増加中!まとめ
ここまで、若者の初任給や給料があげられていっている報道をまとめました。
成果を出さずとも勤続年数に応じて給料が上がっていく年功序列制度が崩壊しつつあり、優秀な若者の給料がUPすることはとても良いことでしょう。
若者というだけで給料が上がるというわけではなく、やはり会社に対する貢献に応じ、貢献に見合った報酬を支払っていく流れは加速すると考えられます。
IT系スキルや、AIなどのプログラミング、海外で戦える人材になることが今後も求められるでしょう