もふもふ不動産のもふです。
2014年から不動産投資を開始。TwitterやYouTubeやブログなどで資産運用や不動産投資について解説しています。
2019年7月23日、Amazonが住宅不動産市場に参入したとニュースになっています。
アメリカの大手不動産会社のRealogy Holdings Corp(リアロジーホールディングス)と手を組み、TurnKey(ターンキー)というサービスを提供すると発表されました。
- リアロジーの発表(英語)
- AmazonのTurnKey(英語)
リアロジーは、日本でもおなじみのCENTURY21などのブランドを持っている、住宅不動産会社ですが、ここの所不調で株価を大きく減らしていました。この発表で一時30%の株高になりました。
この記事では、Amazonがどのように不動産事業に参入してくるのか?TurnKeyのサービスなどについてわかりやすく解説していきます。
Youtubeでも解説しています。
もくじ
Amazonが不動産事業行うサービスとは?
Amazonとリアロジーが行うTurnKeyという事業は、Amazonのページを通じてリアロジーの不動産エージェント(営業マン)をマッチングさせます。
リアロジーのエージェントに不動産を探してもらい、良い物件を見つけ購入すると、Amazonから数千ドルのAmazonのホームサービスやスマートハウスの商品をプレゼントされるという仕組みです。
住宅価格に応じてプレゼントされる金額が変わってきます。
- 15万ドル~39.9万ドルの場合は、1000ドル相当
- 40万ドル~69.9万ドルの場合は、2500ドル相当
- 70万ドル以上の場合は、5000ドル相当
1ドル110円だとして計算すると、4310万円以下だと11万円相当、7560万円以下だと27万円相当、7560万円以上だと、54万円相当のAmazonのサービスやホーム製品がもらえるそうです。
Amazonのプレゼントの内容
購入した不動産の金額によってプレゼントの内容が異なるのですが、70万ドル以上の住宅をTurnKeyを通じて買うと、
- 荷物の開封やクリーニングや家具組み立てなどのサービス
- Amazonのスマートハウス製品
- Amazon Moveが引っ越しした顧客の手助け
をしてくれるとのことです。70万ドル以上になると、かなりのAmazonのスマートハウス商品がもらえますね。
まずは全米15の都市からスタート
リアロジーの発表資料によると、アトランタ~シカゴ、シアトル~サンフランシスコなどの全米の主要15都市からスタートするとのことです。
TurnKeyのサイトに都市が出ていましたのでご参考。
TurnKeyのビジネスモデルやAmazonの狙いは何か?
TurnKeyのビジネスモデルの詳細は発表されていないので推測になるのですが、、
リアロジーの狙い
リアロジーはネットでの不動産販売事業で大きく出遅れており、かなりの苦戦を強いられています。Zillowなどのポータルサイトで不動産をかんたんに探せるようになってきており、実店舗メインだったリアロジーの売り上げは低迷し、この数年で株価を1/10にしてしまっています。2019年7月の時価総額は約6億ドル(660億円)くらいの小さな規模です。
一方でZillowは時価総額1兆円を超える規模まで成長しています。
この状況を打破するために、ネットに強いAmazonと提携して、不動産の販売手数料を稼ぎたいというのが狙いでしょう。
Amazonの狙い
Amazonの狙いとしては、住宅市場に参入する足掛かりを得ることでしょう。住宅市場には巨大な金額が動いていますが、アマゾンはまだ巨大な住宅市場に参入できていません。
リアロジーとの提携をきっかけに住宅のカテゴリーに参入する計画なのでしょう。
大きく狙いは2つだと思います。
- 住宅を探している層のデータを取る
- スマートハウスを普及させ、基礎データの蓄積を行う
Amazonで商品を購入している人の膨大なデータが蓄えられているので、そのデータを活用してどういう人々が住宅の購入に興味あるのかのデータを取ることができます。このデータがたまってきたら、住宅を探していそうな層に効果的にアプローチすることができ、住宅販売を加速することができる可能性があります。
そしてAmazonのスマートハウスの商品を提供することで、住宅を買って引っ越しした人がどんな生活を送るのかをすべてデータを取ることができます。
- Amazonでどんな商品を購入してどんな生活をしているか
- どういう層がどんな家を探しているか?
- 引っ越ししてどんなライフスタイルを送るのか?
すべてを一気にデータを取ることができ、さらにそのデータを活用して新たなサービスやニーズをくみ取ることもできるでしょう。。
スマートハウスの商品に詳しくない方のために、設置などをサポートするのもよいアイディアだと思います。何も考えずに、Amazonのスマートハウスで暮らすことができるのです。
このようなスマートハウスを導入することによって、すべての情報がAmazonに筒抜けになるので恐ろしいと考える方もいるでしょうね。。電気の店頭具合や温度などから、どの部屋にどれくらいいたかなどの細かいデータもすべて取られる可能性があるでしょう。。
集めた情報をもとに分析する
AmazonがTurnKey事業を通じて集めた膨大なデータをもとに分析すれば、どんな家族には、どんな家が適しているのか?の提案もできるようになるでしょう。
そうなると、住宅販売の提案もできるようになり、その人のために最も住み心地が良く、快適に過ごせるような理想の土地や、理想の住宅の構造や間取りや広さなども提案できるようになるかもしれません。
そうなると、Amazonは住宅の販売にも参入することができるようになるでしょう。このTurnKey事業はその代位歩になると考えています。
Amazonの分析などで役立ったサイト
Amazonの狙いなどは、市川紘さんがかかれている「Amazonが不動産業界に本格参入。その狙い、ビジネスモデル、競争戦略を徹底解説」の記事が詳しく書かれておりわかりやすいです。
Amazon提携に関するニュース
まだ発表されたばかりなのですが、報道されつつあります。
まだまだ未知な部分がありますが、報道が出始めています。
Gizmodeの記事で「スマートハウスでAmazonに監視されることになるから、いらんわっ」って面白いですね^^
- (20190726)米Amazonで家を買うと、最高50万円ぶんのAmazon製品をプレゼント…って、いらんわっ!(Gizmode)
- (20190725)アマゾン、ついに住宅不動産市場に参入(JBpress)
- (20190724)不動産仲介の米リアロジー株急伸。アマゾンとの提携を発表(Bloomberg)
Amazonが不動産事業に進出のまとめ
今後Amazonの不動産事業がどうなるのか未知な部分が多いですが、不動産に進出してきたのは大きなニュースとなっています。
住宅の巨大な市場をアマゾンが崩すことができるのか?昔ながらの仕組みが多く残っている不動産ビジネスは、IT企業にとっては大きなチャンスになると思います。
引き続き、Amazonが不動産事業に進出したニュースをまとめていきたいと思います。
日本にも不動産界のAmazonといわれるインドのOYOが日本に参入して住宅事業を攻め込んでいます。記事にまとめているのでぜひ見てみてください。
Youtubeでも解説しています。