
この記事では、そんなお悩みにお答えします。
私は不動産投資家で、これまでにアパートを2棟、RCマンション1棟、テナントビルや戸建てなどを購入して運営してきました。また株式投資や、ブログやYoutubeでも収入を得て生活しています。
これまでに1億円以上借り入れをしてきた経験上、低金利で借りられているのなら頭金は少ないほうがおすすめです。
- 低金利なら頭金は少ないほうがよい
- 支払い金額の差は大きくない
- 手持ちの現金が減ってしまうので、万が一の時に困る
- 現金が減った時に銀行から借りようとしても借りられない
- 住宅ローン減税で1%返ってくる
- 頭金を入れたほうが金利が下がるケースがあるので注意
Youtubeでも解説しています。
もくじ
住宅ローンの頭金とは何か?

住宅ローンにおける頭金とは、諸費用を除いた最初に支払えるお金のことです。
家を購入する場合、いろいろな費用が掛かります。
- 住宅の代金
- 税金(固定資産税、不動産取得税、登記費用)
- 仲介手数料
- 住宅ローンの手数料
- 住宅ローンの保証料
- 家具代金、引っ越し代金
一般的な住宅ローンでは、住宅の代金部分しか出ません。
住宅の代金の内、自分でお金を出す金額を頭金といいます。
たとえば、住宅の価格が3000万円だったとき、住宅ローンで2800万円、頭金を200万円入れるというような使い方をします。
諸経費は、税金と仲介手数料で住宅価格の7%~10%くらいかかり、ローンの手数料や保証料なども含めるともっとかかるので注意が必要です。
住宅ローンの頭金はいくら入れるべきか?頭金は少ないほうがおすすめ


僕も昔はそう考えていました。

確かに借金の金額が多いと不安になるのですが、実はもっと問題なことがあるのです。
それは、

例えば、頭金でお金をたくさんつかってしまって、手元に現金がない…そうなってしまったら、もし何かあった時に支払いができなくなってしまいます。
そのため、一番注意が必要なのは、何かあった時に手元に現金がないことなのです。
住宅ローンの頭金をたくさん入れた場合どうなるか?

具体的に考えてみましょう。
例えば、600万円を持っている方がいたとして、3000万円の家を購入したとします。
諸経費が300万円かかったとして、頭金を200万円入れたときと頭金をなしの場合を比較してみましょう。
頭金を200万円入れたケース
頭金を200万円したらので、住宅ローンの金額は2800万円になりました。
そして諸経費300万円、頭金が200万円なので、500万円も使ってしまったことになります。
貯金は100万円だけになってしまいます。
この時、もし何かあってお金が必要になったらどうするのでしょうか?
交通事故を起こしてしまったり、入院して働けなくなってしまったりなど、思わぬ出費が出てしまう可能性があります。
例えば急に200万円必要になった時、どうしたらよいでしょうか?
銀行からお金を借りるのは大変ですし、消費者金融で金利15%とかで融資を受けるとかしかないかもしれません。
かなり危険だと思いませんか?

頭金を入れないケース
頭金を入れない場合は、諸経費300万円のみなので、600万円あった貯金が300万円になります。
トラブルの大きさやその人その人にもよると思いますが、300万円くらいあればとりあえず何とかしのぐことが可能になってきます。
住宅ローンの借金の額は3000万円ありますが、35年間かけて返済していけばよいので安心です。
このように、頭金は少ないほうが万が一の時に何とかなります。
そもそも現金がないので頭金を入れられないケース
このケースでは、住宅を買うのはかなり危険なのでお勧めできません。
頭金があるのにつかわないのと、頭金がないのとは全然違います。。
住宅を持つと、いろいろとお金がかかります。固定資産税、修繕費用、保険などなど。。
全くお金がないのに家を買うのは、かなりリスクが高いのでお勧めしません。
頭金を入れたときによる支払金額の差

頭金を入れたほうが、月々の返済額が少なくなるメリットがあります。
また、金利の支払いも減るので、金利の負担も減るメリットがあります。
しかし、最近の住宅ローンは超低金利なのでそこまで大きな差になりません。
頭金有り無しの比較「35年間、金利0.625%」
3000万円の家を購入するケースで、頭金200万円出した場合と頭金なしの場合で、35年間で金利0.625%で住宅ローンを受けた場合を比較しました。比較はみずほ銀行の住宅ローンシミュレーターを使いました。
毎月のご返済額 | ボーナス月のご返済額 | 年間のご返済額 | 総返済額 | |
---|---|---|---|---|
頭金200万円 | 74,240円 | 74,240円 | 890,880円 | 31,180,800円 |
頭金なし | 79,543円 | 79,543円 | 954,516円 | 33,408,060円 |
頭金有り無しでの月々の支払額は、5300円しか変わりませんね!
また、支払総額の差も220万円くらいしか差がありません。頭金を200万円入れているので、35年間で20万円くらいの金利差しかないです。
これを大きいとみるか小さいとみるかは個人差があると思いますが、僕自身はたったこれだけの差で手元に現金を多く残せているのなら、頭金をなるべく入れないほうが安全だなと考えています。
頭金を入れないほうが住宅ローン減税を多く受けられる

住宅ローン減税の制度をご存知でしょうか?
借り入れの1%分の所得税と住民税が控除されるという仕組みです。
- 毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除
- 所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除
- 住宅ローンの借入れを行う個人単位で申請
- 令和元年10月の消費税率引上げにあわせて控除期間を13年間に拡充
例えば、3000万円の住宅ローンを受けた場合、毎年住宅ローンの残高の1%の所得税と住民税から控除を受けることができます!1年目なら30万円くらいですね。
住宅ローンの金利が1%以下で借りられているのなら、住宅ローン減税を受けている間は金利がマイナスとなってお金が返ってくるようなイメージになってしまいます。。
住宅ローン減税を考慮した場合、1%以下で借りているのなら頭金を減らして多く借りたほうがお得となります。10年を超えた後は、繰り上げ返済するとかの方法もありです。(ただ、繰り上げ返済もおすすめしていません。参考記事:繰り上げ返済はお勧めしません)
住宅ローン減税の注意点としては、所得税と住民税から控除されるので、住民税と所得税を多く払っていない場合は満額の控除を受けられない可能性があります。ややこしいので、詳細は国土交通省のページや税理士さんなどに確認してください。
諸経費を含めて融資を受けられるケースがあります。
銀行によっては、諸経費も含めて融資を受けられる可能性があります。
- 諸経費を含めた住宅ローン
- 諸経費は別のローン
という2パターンあるようです。
諸経費を含めた場合は金利や保証料や融資手数料が高くなったりするケースがあるので、どちらが有利なのかしっかり比較しましょう。
フラット35では頭金を1割入れたほうが金利が低くなる
フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している、35年間金利が固定されている住宅ローンです(参考:フラット35とは(住宅金融支援機構))。
フラット35の場合、頭金を1割入れたほうが金利が安くなるので、頭金を入れたほうが得なのかどうか?実際にシミュレーションして、手元に現金が減ってしまっても問題ないかどうかをしっかり検討したほうが良いでしょう。
金利負担を減らして支払い総額を減らしたいのか、手元に現金を残しておきたいのかは悩ましいと思います。。
どちらが正解というのはなく、自分のライフスタイルや考え方次第で選ぶことが重要です。
住宅ローンの審査はネットで簡単にできます
もし今あなたが家を購入されようとしているのなら、実際に住宅ローンのシミュレーションを依頼してみるのもおすすめです。
どれくらい融資が付くのか、金利はどれくらいなのか?諸費用はどれくらいなのか?など心配だと思います。
新生銀行は、融資手数料はかかりますが、保証料や団体信用保険料などが無料となっているメリットがあり、満足度も高く人気のようなので興味があれば見てみてください。Web上で簡単に審査申し込みが可能です。


住宅ローンの頭金は少ないほうがおすすめ!まとめ

住宅ローンの頭金は、少ないほうがお勧めです。
- 低金利なら頭金は少ないほうがよい
- 支払い金額の差は大きくない
- 手持ちの現金が減ってしまうので、万が一の時に困る
- 現金が減った時に銀行から借りようとしても借りられない
- 住宅ローン減税で1%返ってくる
- 頭金を入れたほうが金利が下がるケースがあるので注意
やはり、手元に現金がないというリスクが大きく、住宅ローン減税の金額も減ってしまいます。
また、住宅ローンは低金利なので、頭金を入れて借金を減らしたときのメリットがあまり受けられないこともあります。
一方で、フラット35などで頭金を1割入れたほうが金利が低くなることもあり、総合的に判断してどちらのほうがお得なのか?を検討することが大切だと考えています。
Youtubeでも解説しています。