カネカがパタニティーハラスメント(男性社員の育児休暇に対する嫌がらせ等)で、育児休暇を取得した男性に転勤の業務命令を出し、日付をずらしたりなどいろいろとお願いするもすべて受け入れられず、退職するしかなかったとの告発がTwitterであり、炎上しています。
改めて決意
夫日系一部上場企業で育休とったら明けて2日で関西に転勤内示、私の復職まで2週間、2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引越して10日後のこと。
いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。私産後4か月で家族4人を支えます
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) June 1, 2019
改めて決意 夫日系一部上場企業で育休とったら明けて2日で関西に転勤内示、私の復職まで2週間、2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引越して10日後のこと。 いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。 私産後4か月で家族4人を支えます
この問題の概要は、
- 3/25から育児休暇を取得。
- 新居購入し引っ越し(4/13)。4/22に復帰出社
- 4/23に5/16付けで転勤を内示
- 転勤日をずらすように上司に依頼するも拒否。
- 人事、組合、都の労働局に相談するも「転勤は合法」
- 転勤不可能なため退職を決断。
- 有休消化を依頼するが、会社は拒否。
- Twitterで問題が炎上した日に、ワークライフバランスのページを削除
という流れです。。
かなり厳しい内容になっています。
一方で、カネカからの見解では、
- 調査委員会が調査した結果、当社の対応は問題ない
- 育児休暇に対する見せしめではない。5/31で退職届が出されており問題でない
- さまざまな社員がいるので育休を取った社員だけ特別扱いできなく、育休明けの転勤は問題と思っていない
- 発令から着任までは普通1~2週間程度。出張など自宅に帰れるように配慮している。
- 育休前に転勤の話は決まっていたが、内示する前に育休に入られたので伝えられなかった。
とのことです。育児休暇に対する考え方はとても難しいものと実感させられます。。
この記事では、カネカのパタハラの問題なのかどうか?について解説していきます。
Youtubeでも解説しています。
もくじ
カネカの育休明け退職問題を解説
元社員の方のインタビューやツイートから状況を解説します。
これはTwitterと日経ビジネスのインタビューなので、フェアでない可能性があります。カネカ側の意見や見解ではないのでご注意ください。
3/25に育児休暇を取得。
育児休暇をされて、いろいろと赤ちゃんの育児を行ったことでしょう。。育児休暇された友達から聞くと、働いているほうが楽という意見が多いですね。。でも、赤ちゃんと一緒に過ごせる時間はかけがえのないものですよね(*´ω`)
4/13頃に引っ越し
子どもが生まれて、新居に引っ越しされたそうです。
新しい家族と新しい家での生活、大変でもいろいろと充実した日々だったことでしょう。
4/22に出社。4/23に転勤を内示
4/22に約一ヵ月ぶりに出社されています。
育児休暇を開けて、心機一転新しい赤ちゃんのためにもますます頑張ろうという気持ちでいたことでしょう。
しかし、その翌日に5/16付けで関西へ転勤を命じられたとのことです。。天国から地獄へ一気に落ちたような感じでしょうね。。
上司と相談するも転勤は決定事項
上司と相談して、転勤が難しいことを伝えても、上司は決定事項として伝えたそうです。
あまりにも急すぎるので準備期間がないので不可能だから、転勤日を伸ばせないか相談しても決定事項だからとして断られたとのこと。
どうすることもできなくなり、退職するしかなくなってしまい、プロジェクトの途中だから引継ぎまでの期間を延ばせないのかとか、年休を取らせてほしいとお願いしてもNGとのこと。。どうすることもできず、5月末で退職されました。
さらに、人事や労働組合や、東京労働局に相談しても違法性はないとの回答とのこと。。どうすることもできないのですね。
カネカのパタハラに対する対応は?
カネカから6/6に公式の見解が出されました。
- 調査委員会が調査した結果、当社の対応は問題ない
- 育児休暇に対する見せしめではない。5/31で退職届が出されており問題でない
- さまざまな社員がいるので育休を取った社員だけ特別扱いできなく、育休明けの転勤は問題と思っていない
- 発令から着任までは普通1~2週間程度。出張など自宅に帰れるように配慮している。
- 育休前に転勤の話は決まっていたが、内示する前に育休に入られたので伝えられなかった。元社員の勤務状況に照らし、希望を受け入れると着任がけじめなく伸びるので受け入れなかった。
元社員の勤務状況という言葉が出てくるので、どんな勤務状況だったのか気になるところですが…
1. 6月2日に弁護士を含めた調査委員会を立ち上げて調査して参りました。6月3日には社員に向けて、社長からのメッセージを発信致しました。更に、6月5日に、社内監査役及び社外監査役が調査委員会からの報告を受け、事実関係の再調査を行い、当社の対応に問題は無いことを確認致しました。 2. 元社員のご家族は、転勤の内示が育児休業休職(以下、育休とします)取得に対する見せしめである、とされていますが、転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません。また、元社員から5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出され、そのとおり退職されております。当社が退職を強制したり、退職日を指定したという事実は一切ございません。 3. 当社においては、会社全体の人員とそれぞれの社員のなすべき仕事の観点から転勤制度を運用しています。育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません。 4. 社員の転勤は、日常的コミュニケーション等を通じて上司が把握している社員の事情にも配慮しますが、最終的には事業上の要請に基づいて決定されます。手続きとしては、ルール上、内示から発令まで最低1週間が必要です。発令から着任までの期間は、一般的には1~2週間程度です。転勤休暇や単身赴任の場合の帰宅旅費の支給といった制度に加え、社員の家庭的事情等に応じて、着任の前後は、出張を柔軟に認めて転勤前の自宅に帰って対応することを容易にするなどの配慮をしております。 5. 本件では、育休前に、元社員の勤務状況に照らし異動させることが必要であると判断しておりましたが、本人へ内示する前に育休に入られたために育休明け直後に内示することとなってしまいました。なお、本件での内示から発令までの期間は4月23日から5月16日までの3週間であり、通常よりも長いものでした。また、着任日を延ばして欲しいとの希望がありましたが、元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした。
着任後に出張を認めるなど柔軟に対応しようと元社員の上司は考えていましたが、連休明けの5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出されたため、この後は、転勤についてはやり取りがなされませんでした。このため元社員は転勤に関しての種々の配慮について誤解したままとなってしまったものと思います。
カネカ社長のメールが流出。育休明け直後に転勤を指示したことがあると認める
日経ビジネスが社長が出したメールを入手しています。
2019年6月3日 社員各位 社長
昨日6月2日より、SNS上に当社に関連すると思われる書き込みが多数なされていますが、正確性に欠ける内容です。
育児休業休職直後に転勤の内示を行ったということはありますが、これは育児休業休職取得に対する見せしめといったものではありません。
十分な意思疎通ができておらず、着任の仕方等、転勤の具体的な進め方について当該社員に誤解を生じさせたことは配慮不足であったと認識しております。
春の労使協議会でも述べたとおり、「社員は最も重要なステークホルダー」であります。
今回のような行き違いを二度と発生させない様、再発防止に努めます。
以上 -カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手-日経ビジネスより
メールの中で、育児休暇直後に転勤の内示を行ったことはあると認めています。「誤解」とか「行き違い」とか言っていますが、育児休暇直後の社員の状況を配慮していないことに関しては何も触れていません。。
見せしめでないにしても、これがカネカでの当たり前の対応と考えているように受け取れました。。
夫婦共働きで、0歳と2歳の子供がいる家庭で、育児休暇直後に転勤を命じることは、社員のことを考えているとは全く思えません。
カネカはくるみんマークを取得
くるみんマークとは、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣より認定を受けた証で、カネカは2009年にカネカはくるみんマークを取得しています。
「次世代育成支援対策推進法」認定マーク(愛称:「くるみん」)を取得
株式会社カネカ 広報室
2009/09/10
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、「次世代育成支援対策推進法」*1に基づく「基準適合一般事業主」として、8月28日付けで厚生労働省大阪労働局の認定を受け、認定マーク(愛称:「くるみん*2」)を取得しました。同マークは、「次世代育成支援対策推進法」に基づいて、企業など事業主が少子化対策として社員の子育て支援のための「行動計画」を策定・実施し、その基準に適合すると認定された場合に付与され、マークを広告や商品などに使用することができます。
当社は、2007(平成19)年4月に下記の「行動計画」を策定し、その目標の達成に取り組んでまいりました。今回の認定取得により、当社のこれまでの「子育て及び仕事と家庭の両立の支援推進」や「女性の活躍拡大」への取り組みが認められたことになります。当社は、今後も仕事と家庭の両立を支援し、多様な人材の活躍の場の提供に積極的に取り組んでまいります。-カネカのページより-
少子化対策のため、子育てサポートを推進している企業が、育児休暇復帰2日目に約20日後に転勤を内示して、それがまかり通ってしまうのは異常だと思います。
カネカのパタハラ育児休暇問題の記事の紹介
ここまでの報道記事をまとめました。状況がわかりしだい、追加していきます。
- 6/6 カネカが「育休明け転勤」問題に公式見解「当社の対応に問題は無いことを確認」(Huffpost)
- 6/4 カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手(日経ビジネス)
- 6/3 夫の育休直後に転勤命令「信じられない」妻が告発 カネカ「コメントは差し控えたい」(buzzfeed)
- 6/3 「育休復帰、即転勤」で炎上、カネカ元社員と妻を直撃-日経ビジネス
- 6/3 カネカ企業サイトの育休関連ページ「故意に消したのではない」「旧サイトが見えていて誤解を招いた」担当者説明(nifty)
東証一部上場企業でも安心できない時代に
カネカのような東証一部上場の大手企業で、くるみんマークを取得している企業でも、育児休暇直後に転勤を命じたり社員の人生を考えていないような対応を命じられる可能性があり、そしてそれが合法で何ら問題ないというのは驚くべきことです。。
共働きで子供が0歳と2歳なのに、育児休暇復帰直後に転勤を命じるのを何ら悪いと思っていないカネカ。
社長のメールからも、報復でないので全く問題ないと思っているようにしか見えません。
日本の少子化が進んでいく理由が垣間見えた気がします。
中小企業なら、きっとより厳しいことでしょう。。
終身雇用制度が崩壊し、年金だけで暮らせる時代でもなくなり、今後は自分で稼ぐスキルを磨くことがより大切になってくると思います。
【パタハラ】カネカが育児休暇の男性社員に強制転勤。退職し炎上
ここまで、カネカが育児休暇明けの男性社員に転勤を命じ、男性社員が退職して炎上した問題を解説しました。
不安定な世の中なので、何かがあるかわかりません。。自分で稼げるスキルや副業などでリスクヘッジをするのもよいと思います。
この「もふもふ不動産」のブログでは実際に僕が不良所得を稼げるようになった方法を解説した不労所得を築くためのロードマップをまとめていますので、ぜひ見てみてください。
Youtubeでも解説しています。