税金は高い…そんなイメージがあると思います。会社から支払われている給料に対して、どのような仕組みでいくらくらいの税金を支払っているのかご存知でしょうか?
普通は会社がすべて計算してくれるので、サラリーマン自信が税金を計算することは少ないと思います。
しかし、税金の知識を知っているのと知らないのとでは、生涯生きていくうえで支払う税金が大きく変わる可能性もあります。
また、副業をして利益が出始めると、副業に対しても税金を支払わないといけなくなります。この副業に対しても税金を考慮しないと、事業がうまくいかなくなる可能性すらあります。
私はサラリーマンでありながら2014年から不動産投資を開始。2015年に法人を設立し運営してきました。
- 会社員としての所得税、住民税
- 個人事業主として所得税、住民税
- 法人として法人税
を支払ってきており、税金について勉強してかなり詳しくなってきました。
年収700万円のサラリーマンの所得税と住民税が、約70万円になるのですが、その計算方法など具体定期に開設することで仕組みを説明しています。
この記事ではサラリーマンが支払っている税金の仕組みについて、経営者や投資家目線でわかりやすく解説しています。
Youtubeでも解説していますので、こちらもぜひご覧ください
もくじ
サラリーマンの税金の仕組み~副業にかかる税金の解説
サラリーマンであれば、会社から給料をもらっていると思います。
そこでは、源泉徴収という仕組みで会社が代わりに税金を支払ってくれる仕組みがあります。その仕組みのおかげで、会社員は自分自身で税金を支払わないですんでいます。
もし不動産投資などを行っていて、そちらから家賃をもらっていたら、サラリーマンの給料と不動産投資の家賃の合計した所得に対して税金がかかる仕組みになっています。
日本は累進課税をという仕組みをとっているので、収入が増えれば増えるほど税金が高くなっていく仕組みです。
なので、もし副業として不動産投資や別のビジネスをする場合は、より節税が大切になってきます。
サラリーマンの税金の仕組みをまず知ろう
サラリーマンは源泉徴収のおかげで納税が楽になっているメリットがあるのですが、一方で税金のことを考えなくても一律に税金を納めているという、国や地方自治体にとってはとても楽な存在となっているのです。
税金の知識は、国が教えてくれるものではなく自分で申告することが必要な場合が多いです。知らないことで損をするのです。
例えば、住宅ローン減税という仕組みがありますが、これも申告しないと減税の恩恵を受けられません。知らないと損するのです。
税金の知識を身に着けて、正しい節税を行うことはとても大事です。
サラリーマンの税金の仕組み~課税所得を知ろう
まず、サラリーマンの給与にかかる税金の仕組みを解説します。
独身で年収700万円の方の税金の計算例です。
参考記事:お金のカタチ(年収700万円の手取りはいくら?)を参考にしました。
サラリーマンの税金の出し方は、以下のような流れになります。
- 年収に対してかかる給与控除を計算し、給与所得を出す
- 年金や健康保険や扶養控除などを出し、給与所得から引いて課税所得を出す
- 課税所得に対し、住民税と所得税が決まる
という流れになっています。
給与控除を出してみよう
1 給与所得控除とは
給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出しますが、この給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて、次のようになります。ただし、給与等の収入金額が660万円未満の場合には、以下の表にかかわらず、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)(e-Govへリンク)により給与所得の金額を求めます。
平成29年分~平成30年分
給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)給与所得控除額 1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円 3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円 6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円 10,000,000円超 2,200,000円(上限) 国税庁より引用
年収700万円の場合、給与控除は
給与控除 = 収入金額×10% + 120万円=190万円
となりますね。
給与所得 = 年収 – 給与控除 = 700-190=510万円
となります。
課税所得を出してみよう
年収700万円の課税所得を出してみましょう。
お金のカタチのサイトによると基礎控除が38万円、社会保障控除が100万円とのこと。つまり、
課税所得 = 給与控除(510万円) – 基礎控除(38万円) – 社会保障(100万円) = 370万円
となります。
この370万円に税金がかかるのです。
もし、ご結婚されていて家族を扶養されていれば、扶養控除などが追加され、さらに課税所得が下がります。
年収700万円のサラリーマンの税金の金額
課税所得が出せれば、所得税と住民税は簡単に出せます。
所得税の計算方法
日本は累進課税の制度を採用しているので、課税所得に応じてかかる税率が変わってきます。
今回の年収700万円のケースですと、課税所得が370万円となったので、それに当てはまる税率を確認します。
所得税の速算表 課税される所得金額 税率 控除額 195万円以下 5% 0円 195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円 330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円 695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円 900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円 1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円 4,000万円超 45% 4,796,000円 (注) 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、求める税額は次のようになります。
700万円×0.23-63万6千円=97万4千円国税庁のサイトより引用
国税庁のサイトより、
所得税 = 課税所得(370万円)×20% – 42.75万円 = 約30万円
となります。
住民税の計算方法
住民税は、どこの地域でも基本課税所得の10%になります(例外もあり)。(厳密には基礎控除が所得税と住民税でちょっと異なるのですが、そんなに違わないので今回は無視して計算しています)
住民税 = 課税所得(370万円)×10% = 約37万円
年収700万円のサラリーマンの所得税と住民税
ここまで計算したように、所得税が約30万円、住民税が約37万円となっており、合計しても約67万円です。
年収700万円に対しては、約10%くらいしかかかっていない計算になりますね。
サラリーマンの税金で、累進課税に対するよくある勘違い
累進課税でよくある勘違いなのですが、一気に税率が上がると思いこまれている方がいます。
例えばこの表で、
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
これはよくある間違いなので、要注意です。超えた部分の税金がUPするというイメージです。計算をかんたんにするために、控除額というので調整しているのです。
年収700万円のサラリーマンが、不動産投資の副業で100万円の課税所得が増えたらどうなる?
ここまでは年収700万円のサラリーマンにかかる税金を解説してきました。
もし、不動産投資を初めて、年間100万円の課税所得が入ってきたとしたらどれくらい税金がUPするのか計算してみましょう。(家賃ではなく課税所得なのに注意しましょう。家賃から経費や減価償却を引いた値です。)
このサラリーマンの課税所得が370万円なので、所得税が20%で住民税が10%のあわせて30%の税金がかかります。
不動産投資で100万円課税所得にかかる所得税と住民税
= 100 × 30% = 30万円
さて…不動産投資で得た100万円の課税所得に対し、30万円もかかってしまうのです。
結構大きくないですか?
年収700万円のサラリーマンの所得税と住民税が70万円くらいなのに、課税所得が100万円増えただけで30万円も税金がUPするのです。
これが累進課税の怖いところで、増えれば増えるほど税金がUPしていきます。
このことからも、不動産投資に対して以下に税金を抑えつつ経営していくかが重要なポイントとなります。
サラリーマンの税金の仕組み~副業にかかる税金の解説のまとめ
サラリーマンの税金の仕組み、副業で利益が出た場合の税金の仕組みについて解説してきました。
サラリーマン自体の税金はそこまで大きくないのですが、副業で収入が増えた場合に一気に税金が増える累進課税の怖さについて説明しました。
脱税は絶対にNGなのですが、正し税金の知識を身につけてることは、経営者として必須の知識になります。
わかりやすいと評判の本もあるので、税金の知識を身につけましょう。
Youtubeでも解説していますので、こちらもぜひご覧ください