この記事ではそんな疑問にお答えしていきます。
少しでも安く良い不動産を買いたい場合、たくさんの不動産を見て調査することが大切です。
そんな中で、たまに「市街化調整区域」の不動産を見ることがあると思います。
私は不動産投資家で、これまでに10回以上不動産を売買しており、常に不動産情報を検索しています。その中で、よく市街化調整区域の不動産をみます。
市街化調整区域の不動産は、価格は安いのですが、売却しにくく再建築できない場合もあるので、住居用としても不動産投資用としてもあまりお勧めできません。
- 市街化が抑制されているので不便
- 不動産の価値が付きにくく、将来売却できない可能性がある
- 住宅ローンの融資が付きにくい
この記事では、市街化調整区域とは何か、市街化調整区域の不動産を買ってもいいのかどうかについて、不動産投資家の私の意見を解説します。
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もくじ
市街化調整区域とは?市街化を抑制する区域
市街化調整区域とは、都市計画法に基づき指定される、「市街化を抑制すべき区域」のことです。
少子高齢化に伴い、過疎化が課題となっています。地方自治体としても、広いエリアの電気や水道や道路や下水などのインフラを整備することが難しくなってきており、都市として市街化する「市街化区域」と、市街化を抑制する「市街化調整区域」にエリアを分けています。
市街化区域とは
市街化区域とは、市街化を行って街を発展させていく地域になるので、住居が建ち道路が整備されて行きます。
その市町村が市街化を行っていくエリアなので、下水道などのインフラの整備も優先的に行われます。
ほとんどの住宅やマンションは、市街化区域に建っています。
市街化調整区域とは
市街化調整区域は、市街化を抑制するエリアなので住宅を建てることが難しいエリアです。
市街化調整区域の土地に新築の建物を建てることは基本むずかしいと考えたほうが良いでしょう。開発許可を取れば建てられるケースもありますが、自治体によって対応はまちまちなので担当部署に確認が必要です。
また、市街化が抑制されたエリアと指定されているので、道路や下水道などの整備が遅れたり、外灯や歩道などの整備も優先されないことも考えられます。積極的に買う理由はあまりないと考えています。
一方で、市街化調整区域にも住宅が建っていることがあり、たまに売却に出されることがあります。
例えば、既存宅地といって市街化調整区域に指定される前に家が建っていたケースがあります。この場合は同規模の物件に限り、建て直しが可能なケースもあります。
(参考)愛知県岡崎市の市街化区域と市街化調整区域
例として、愛知県岡崎市の市街化区域と市街化調整区域を見てみましょう。
岡崎市は387㎢の広さがあり、人口は約38万人住んでいる愛知県の中核都市の一つです。
赤で囲まれている部分が市街化区域になり、約58㎢のエリアが指定されています。主に電車の駅の周りが指定されているのがわかると思います。やはり駅をメインに都市が発展していくため、駅の周りを中心に市街化区域にされることが多いです。
赤で囲まれていない黄緑のエリアが市街化調整区域になります。約202㎢が市街化調整区域です。市街化区域に比べると、市街化調整区域のほうがはるかに広いですね。岡崎市として市街化区域に都市機能を集中させたいという意図があり、このようになっています。
右端のほうのグレーの部分は、都市計画区域外のエリアとなっていて、非線引きエリアとも呼ばれているエリアです。
市街化調整区域に家を買うのはありなのか?
結論から言うと、市街化調整区域に家を買うのはあまりお勧めできません。
- 市街化が抑制されているので不便
- 不動産の価値が付きにくく、将来売却できない可能性がある
- 住宅ローンの融資が付きにくい
という理由があります。
1.市街化が抑制されているので今後の発展が見込めない
まず、市街化が抑制された地域なので、今後の発展が見込みにくい地域です。
不動産は、都市化が進み人口が増えるエリアで価格が上昇します。
市街化調整区域ではエリアとして地価の上昇も見込みめないため、地価が下落していく可能性のほうが高いでしょう。
2.不動産の価値が低く、将来売却できない可能性がある
市街化調整区域の不動産を購入したいという方も少ないく、あまり人気がない状況です。
エリアとして地価の上昇も見込みめないため、地価が下落していく可能性のほうが高いでしょう。
そのため不動産の価格としては、一般的に市街化調整区域の不動産は安い傾向にあります。
10年後20年後に、ますますそのエリアが過疎化していったとき、不動産に価格が付かなくて売却ができなくなる可能性もあります。
不動産を放棄することは不可能なので、不人気エリアの不動産を保有することはかなりのリスクになります。
長期間保有する可能性があるのでしたら、市街化調整区域に不動産を買うことはお勧めしにくいです。
3.住宅ローンを受けるのが難しい
市街化調整区域は市街化を抑制するエリアなので、ほとんどの銀行が市街化調整区域の不動産に住宅ローンを融資をしません。
マイホームのイロハさんの記事によると、住信SBIネット銀行、じぶん銀行などの一部の金融機関では、市街化調整区域でも住宅ローンが借りられる可能性があるそうです。
しかし、そのほかの大部分の銀行では融資を受けるのが難しいので、現金で購入できる人しか買えないことになります。そうすると、その住宅を購入できる人がかなり絞られてしまうので、ますます売却しにくい状況です。
不動産投資で市街化調整区域の物件を買うのは、問題か?
僕自身、これまで1棟物の不動産投資物件を4棟、戸建てを2戸、土地を1カ所購入してきましたが、市街化調整区域の不動産を購入したことはありません。
また、不動産投資物件としても、市街化調整区域の不動産は購入しないようにしています。
- 市街化が抑制されているので不便
- 不動産の価値が付きにくく、将来売却できない可能性がある
- 住宅ローンの融資が付きにくい
という理由があるのもそうなのですが、不動産投資物件として持つにはもう一つデメリットがあります。
それは銀行からの担保評価も低いので、保有していても資産として認められにくい事です(銀行によりますが)。
せっかく現金を出して不動産を買っても、銀行から評価されないと資産をただ単に減らしただけのように見られてしまいます。
自分の住居用なら、気に入ってずっと住むという選択肢もあると思いますが、僕は投資用の物件なら何年後かには売却して出口を取りたいと考えています。
その時に市街化調整区域だと売却が非常に難しいので、足かせになってしまう恐れがあります。。
価格がよっぽど安く、利回り100%とかの物件であれば考えることも可能なのですが、利回り20%くらいだと市街化調整区域のデメリットのほうが大きく、わざわざ購入する意味はないと個人的に考えております。
市街化調整区域とは?不動産を買ってもよいのかまとめ!
ここまで市街化調整区域についてまとめてきました。
市街化調整区域は、市街化を抑制するエリアなので発展が見込めないエリアです。市街化調整区域の不動産の価格は安い傾向にあるのですが、融資が付きにくかったり売却するのが難しいというデメリットのほうが大きいので、購入はあまりお勧めできません。
よほどの理由がない限り、購入を見送ったほうが良いと考えています。
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