岩崎えり
「長崎“激安中古戸建て”投資倶楽部」代表。結婚を機に将来的に夫婦が豊かに暮らすための手段を本気で考え、2014年より不動産投資 をはじめる。4棟64戸の大家さん。現在は長崎ドミナント戦略により拡大中!3歳の娘の子育てをしながらママ大家さんとして奮闘の日々をおくりつつ、主婦やOL のマネーリテラシーを広げるために、定期的にセミナーや勉強 会を主宰している。著書に『30代ママ、2ヵ月で“月収150万円大家さんになる!』がある。(ブログ、Twitter、Line@)
「少子高齢化や過疎化で空き家が増えるけどどうしよう」
「田舎に家があるけど、どうしたらいいのだろうか?」
この記事ではそんなお悩みに答えます。
いま日本は人口が減少しており、今後空き家が増えてくると思われます。
そういった中で空き家を活用する方法がとても重要になってきます。
私自身、これまで不動産投資家として古びた空き家を購入し、なるべくお金をかけないように奇麗にリフォームして、貸し出すことで家賃収入を得てきました。
古い家を直すのは大変ですが、安く購入して安く直すことができれば、不労所得として家賃を稼いでくれます。
この記事では、自分の実体験をもとに、空き家を活用し再生した方法を解説していきます。
私は、2014年から不動産投資をしているママ投資家の岩崎えりと申します。
ちょうど今年の2月に5万円でボロボロの戸建てを購入しまして300万ほどでリフォームをして5万円前後で貸し出す予定です。
もくじ
空き家の活用方法の紹介
更地にする
空き家を更地にする場合は、まず家の解体費用がかかります。解体費用は構造や広さ、道路状況などにもよって様々ですが、木造住宅であれば1坪あたり2万前後が多いようです。
業者によっても値段が異なってくるため見積もりをお願いする場合は複数に頼み合い見積もりをとることをお勧めします。
更地にする場合はデメリットや注意点があります。まずは、そこが再建築可能な土地なのかを調べておく必要があります。その土地が「市街化調整区域」ですと、そこに新しく家を建てられないからです。時々不動産業者さんがよく調べもせずに更地にして売却した方がいいと言うことを聞き、確認せずに更地にしてしまい、どうしようもなくなってしまう場合もあるので注意が必要です。(参考:市街化調整区域の不動産投資はありか?)
次に固定資産税が上がってしまう可能性があるということが挙げられます。家屋が建っている場合は、住宅用地となり固定資産税軽減の特例(200平方メートル未満で1/6)を受けているのです。しかし家屋を壊して更地にしてしまうとこの特例を受けられなくなるため固定資産税が上がってしまうのです。
その場所が更地にした方が需要があるのか、家屋が建っていた方が需要があるのかも調べておくことが必要です。家屋が建っていた方がそこをリフォームして住みたい方や、賃貸に出したい個人投資家の方、転売したい業者さんなどがいる可能性も考えてみましょう。
- 再建築可能かどうか確認しましょう
- 固定資産税がUPすることを忘れずに。。
売却する
売却する場合はどうでしょうか?
メリットとしては、損害賠償の心配がなくなります。空き家を所有しており、近隣に被害を与えた場合には損害賠償責任を負わなければなりません。人が住んでいない家屋は劣化のスピードが早く、耐久性も劣ってきます。そのため、地震や台風などの自然災害が起きた場合は倒壊や破損による近隣への被害を与える可能性があることも考慮しておかなくてはなりません。しかし売却するとそのような損害賠償の心配はしなくてよくなります。
次に一定の期間以内であれば3000万円の特別控除がうけられる可能性があります。適用期限は、「所有者が住まなくなった日」から3年が経過した年の12月31日までで、譲渡所得が3,000万円まで控除されます。
デメリットをとしては、売却する場合は手数料など費用が発生します。仲介手数料や登記費用、
司法書士報酬や譲渡所得税などです。これらの費用を支払うとどうなのかを事前に検討しておきましょう。(参考:不動産を高く売却する方法)
なおして貸し出す
自分でリフォームや修繕などをして賃貸物件として貸し出すこともできます。いわゆる不動産投資です。
戸建ての不動産投資は、少額から始められリスクも少ないため、初心者の方には比較的やりやすい投資手法だと思います。戸建ての場合、立地も駅近でなくても賃貸需要がみこめます。私も長崎で戸建て投資をしていますが、駅から少し歩いても戸建てに住みたいという子どもがいるファミリー層だったり、ペットを飼いたいという層の需要が高いです。小さな子どもがいると泣き声だったり走り回る音がどうしてもしてしまいますのでマンションよりも戸建てに住みたいという方が多いようです。ペットも鳴き声を気にして戸建てに住みたいと考える方が多いようです。そして戸建てだと荷物が増えるので引っ越しがおっくうになるため、一度入るとずっと住んでくださるというメリットもあります。不動産投資の一番のリスクは空室なのでずっと住んでくださるというのは重要ポイントです。
比較的ハードルの低い戸建て投資ですが、修繕費と家賃収入のバランスをみて利益がでるかを考える必要があります。戸建てはリフォームの自由度が高いので色々と試してみたくなるのですが、ちゃんと収益がでるぐらいに収めましょう。(参考:空き家のリフォーム費用がない場合は融資を使おう)
また戸建て投資のデメリットとして、入居率が0か100かということが挙げられます。アパートやマンションですと1室空室になっても他の部屋が埋まっていたらカバーできますが、戸建てだと1世帯なので退去されると0になってしまいます。キャッシュで買っていた場合は大丈夫ですがローンをくんでいたら返済しないといけないため、空室になっても耐えられるように家賃収入はためておきましょう。こちらの改善策としては、投資用の戸建てを複数個所有することで、一戸空室になっても他の戸建てでカバーできます。
民泊展開
観光客が多いエリアであれば民泊としても展開できます。訪日外国人数は年々増加しており、JNTOの推計によると、5月の訪日外客数は前年同月比3.7%増の277万人を記録しています。
日本の政府は、当初2020年のオリンピックまでの年間の訪日外国人数の目標を2000万人としていましたが、2015年にも達成する勢いであったため2016年に数値の見直しがあり、目標値を4000万人に変更しました。
民泊のメリットとしては、上記のように訪日外国人が増加しているので需要があるということや、家賃だと月〇〇万円という家賃収入の上限がありますが民泊だとそれを遥かに上回る収入を得ることも可能です。また宿泊者との交流を楽しいと感じるホストの方も多いようです。
デメリットは、民泊をするためには、旅館業法、建築基準法、また各自治体ごとの基準など、様々な法律関係をクリアする必要がありハードルが高いことや、宿泊者とのトラブルがあげられます。2017年6月に民泊新法が成立され、2018年6月に施行されました。それに伴い、営業日数が180日以内に制限されたり、宿泊台帳や防災設備の設置が必要となったため、少ない日数で経営コストもかかるようになったためそこで民泊をやって利益がちゃんとでるのかを事前によくシュミレーションする必要があります。
空き家を活用した不動産投資の注意点
空き家を活用した不動産投資の注意点としては、現地調査をきちんとすることが大切です。
そこが空き家になっているということは、立地だったり、建物の状態だったりと何かしらの問題点を抱えていることが多いからです。
現地調査を行う場合は、その建物の状態を確認してリフォームするのであればいくらぐらいかかるのか、賃貸に出した場合は相場はいくらなのか、どのようなターゲット層に需要がありそうなのかを確認し、そして周辺に住んでいる方に聞き込みができるとさらに良いと思います。
空き家を活用した不動産投資の体験談
私の長崎の知り合いの大家さんは、空き家をただでいいかた引き取ってほしいといわれ、ただで引き取ってしまうと贈与したとみなされ贈与税が発生してしまうため、2万円で引き取ったそうです。それを300万円ほどでリフォームし今は6万円で賃貸にだしているそうです。
私も今年の2月に5万円で長崎市のボロ戸建てを購入しました。長崎市は元々がカルデラ地形なため街がすり鉢状になっており階段や坂が多い場所です。普通ですと階段立地はマイナス要因ですが長崎は階段が当たり前なのでマイナス要因になりません。そしてそこに実は不動産の歪みが発生しており、階段立地の場所で2万円や5万円という信じられない価格で戸建てが買えてしまったりする場所なのです。
今は空き家が増加しているのが社会問題にもなっているので、地方に行くとただでいいから空き家を引き取ってほしいというところは実は沢山あります。しかしそこはただで引き取ったとしても賃貸需要がない場所が殆どです。その点長崎は特別で賃貸需要があるのに低価格で戸建てが買えてしまう場所なのです。他の地方でもこのような場所はまだあると思います。もしも空き家を引き継いで困っている方がいらっしゃったらその家をリフォームして賃貸にだしたらどうなのかという視点で色々と調査してみるといいと思います。
もしも賃貸需要が低い場所だとしても、コアな層を狙ったリフォームなどをすると、その物件の強みになることもあります。私の知り合いの大家さんは、床を真っ赤な薔薇の模様にし、和室も赤と黒、キッチンはピンクのアクセントクロスを使用したところ、反響があり若いご夫婦の奥様が大変気に入られ即決で契約されたそうです。普通だと奇抜すぎて賃貸しにくいと考えがちで、私も最初写真を見せられたときは「この方やってしまったな・・・」と実は思ったのですが、結果は見事に若奥様の心にズキュンとささり今もずっと住んでくださっているそうです。コアな層に刺さった場合は、長く住んでくれるというメリットもあります。
空き家の活用方法のまとめ
このように空き家には、更地にする、売却する、リフォームして賃貸にだす、民泊展開するという活用方法があり、メリットデメリットをみてきました。
私としてはすぐに更地にしてしまうのではなく、リフォームして賃貸に出すとどうなのか?ということを検討してみてほしいと思います。昨今空き家が社会問題となっておりますが、その空き家をどう生かしていくのか?ということを考えてみてほしいとおもいます。日本の木造の法廷耐用年数は22年とされていますが、実はこれは日本だけなのです。https://allabout.co.jp/gm/gc/29143/のサイトによると国別の住宅の平均寿命は、イギリスは75年、アメリカは44年に対し日本は26年と極端に短く設定されています。
世界基準はもっと長いのです。もう築古だからとあきらめずにリフォームして賃貸するという選択肢も考えてみてはどうでしょうか?そのことが地域活性化などにもつながっていくと思います。日本がどんどん空き家が増加して寂しいことになってほしくないです。微量かもしれませんが個人の力で空き家を再生していくということを私は推奨していきたいです。