不動産投資家のもふです。今回は、外資系企業に勤めているサラリーマンの方に不動産投資の体験談の記事を書いていただきました。
この方の戦略は、東京都内の駅から徒歩5分以内という物件に注目し、価格が下がりにくい資産性の高い区分マンションを購入されるという戦略です。
- 練馬駅徒歩1分
- 戸越銀座駅徒歩5分
という立地の良いところに購入されており、値上がりも期待できるエリアで攻めています。繰り上げ返済をして残債を減らしたり、余裕がある購入の仕方をされているのが印象的でした。ほぼ満室で運営できており、若干手残りも残っています。
とても堅実に、区分マンションから不動産投資をスタートされていて、こういうのなら区分マンションもありだなと思いました。
不動産運用・投資という言葉を聞くと皆様はどういうイメージを受けるでしょうか?
リーマンショックの記憶でリスクが高い投資手法という印象があったり、先祖代々受け継いだ土地を既に持っている地主さんがサイドビジネスとしてはじめるものだという思いがあったりしないでしょうか。
私は外資系企業に勤務する会社員ですが、2015年にひょんなきっかけで不動産投資を始めるまでは、不動産投資に対して上述のような思いを抱いていました。
しかし、今では2室の区分マンションを所有するようになり、3室目の購入も検討しています。そして、不動産投資はサラリーマンにも適した老後資金作りや大切な家族のためのリスク回避手段だと思うようになりました。
幸い、現在のところ、空室期間はなく、家賃収入から毎月の投資用ローンを返済していっても、月に5万円程度の手残りがあります。
また、家賃査定をしたところ、購入時から価値はほぼ下がっていなかったので、家賃収入によってローン返済が完了している部分、得をしているという感覚があります。もちろん、東京五輪後の不動産市場の下落可能性や、日本の少子高齢化など不安要素はいくつかありますが、いまのところ私の区分マンション投資はまずまず成功しているように思います。
この記事で、私の区分マンションの投資体験をお伝えすることで、これから不動産投資をはじめてみたいと思っていらっしゃる会社員の皆様のご参考になればこの上なく幸いです。
もくじ
私が不動産投資を始めたきっかけ

同僚の成功に影響を受ける
不動産投資を始めたきっかけは、ひょんなきっかけでした。前職の同僚が、2室東京都内の区分マンション投資をしていてうまく運用が進んでいることを聞き、不動産仲介会社の紹介を受けて話を聞いてみたのがきっかけです。
話を聞くまでは、給与収入以外に不労所得があるなんて羨ましい、という興味本位の気持ちで、自分も不動産を購入するとは思っていませんでした。
しかし、オフィスのあるビルまで訪問してくれた不動産管理会社の担当者の話を聞くうちに、これは私にも始められるかもしれないという気持ちになりました。
不動産投資に感じた魅力
一番の魅力は、手持ちのキャッシュを減らさないで、金融機関からの融資を受けて不動産を購入できるところです。我々外資系企業の会社員は、比較的年俸は高いですが、古くからある日本の大企業にあるような充実した退職金や年金制度は用意されていません。公的年金だけでは余裕のある暮らしが出来ないといわれている今日この頃ですので、何か資産運用をはじめて老後資金を自分でも用意しておきたいと思っていたところだったのです。
不動産投資をして低金利のローンを組んで長期保有すれば、賃料で金融機関への返済がまかなえるので、他人の資金を使って不動産を取得することができます。老後を迎えるころにはローン返済が終わるように設計すれば、定年時にはローンが残っていない不動産が自分の手元に残ります。その家賃収入を、老後の生活費の足しにあてていけばよいのです。
もう一つの魅力として、家族のための生命保険の代わりになるということです。我が家には未就学児の子供達がいるのですが、子供達が成人するまでに私に何かあったらという心配は常につきものです。そういったリスクをカバーするためには、掛け捨ての生命保険に入るという手段もありますが、保険効果を得つつ投資にもなる不動産投資という手段もあります。投資用ローンを組むと、団体信用生命保険に加入しますが、加入期間中に契約者に万一のことがあった場合、残債が消滅して、制限のついていない不動産の所有権が遺族のものになります。
不動産投資を始めるにあたって感じた疑問

不動産投資は副業になってしまうのか?
不動産投資をはじめるにあたって心配だったのが、不動産投資は副業になってしまうのではないかということです。不動産を他人に貸して賃料をいただくということは、小規模ですが不動産賃貸事業を営む個人事業主になるということです。
私の前職の会社を含めて多くの会社では、就業規則で副業を禁止しています。大切な資産である従業員が本業そっちのけで副業に励んでしまうと、会社の営業に差し障り我出てしまう可能性があるからです。書籍やネットなどで少しリサーチしてみたところ、不動産投資は副業にあたると考える人もいましたが、多くの意見では、副業というよりは資産形成の一貫であり、サラリーマンであっても認められるものというものでした。
会社の人事部に確認してみたところ、上記見解のとおり、問題なくやってよいということでした。私に不動産投資を勧めてくれた同僚は、会社の中でも重要な役職についている人でしたので、おそらく自社では問題ないだろうと予測していたのですが、お墨付きをもらうことで安心して始めることができました。皆様も、不動産投資をはじめるにあたっては、念のため就業規則や人事部に確認してみることをおすすめします。
不動産投資のリスクを小さくするためにはどうすればよいか?
不動産投資の説明を受けたときに、メリットだけではなくリスクについてももちろん説明を受けました。不動産投資は銀行預金のように元本が保証された投資手段ではないですので、どうしても一定のリスクはつきものです。自分がどのくらいのリスクならば受け入れられて、その代わりにどのくらいのリターンを期待するのかということによって、不動産投資に踏み出すべきなのか、踏み出すべきとして何室所有するのか、自己資金はどの程度投入するのか、どういう物件を選ぶのかという結論は変わってきます。
私個人としては、ミドルリスクミドルリターンが、最も感覚的にフィットしました。不動産投資は株式やFXのように、何倍ものリターンがあるものではありませんが、手堅い物件を選び、相場に比べて高すぎない家賃を設定すれば、4%程度の利回りは得られることが多いです。また、そのような物件であれば、長期の空室リスクも考えづらいです。
許容できるリスクに応じた物件選び
私の考えでは、低金利時代において銀行に預金するだけでは資産が全く増えないので、多少リスクをとったとしても不動産投資はやったほうがよいものと思います。
ただ、余りにも高いリターンを期待して格安物件を購入して高く貸そうとしても、値段が安いということは、駅から遠かったり事故物件だったりする可能性があるので、空室リスクが大きくなってしまいます。
そこで、東京都内で駅から5分以内の物件に限定して物件を選ぶことで、リスクを許容範囲におさめるという戦略をとることにしました。人口が減る中でも、東京だけは今後も人口が増えること、ワンルームマンションを借りてくれる若年層のニーズを考えると、多少狭くても駅から近く通勤や通学に便利な物件がよいであろうことなどを考慮しました。

初めての区分投資マンション購入、練馬区の物件

私の初めての区分投資マンションは、東京都練馬の徒歩1分の物件です。練馬は練馬区の中心地ですが、東京都と埼玉県を結ぶ路線の重要地で、多くの人が居住しています。
決め手になったのは、やはり徒歩1分という利便性です。練馬は都営大江戸線という地下鉄が走っていますが、この距離だと、雨の日でもほぼぬれずに家に戻ることができます。
また、周囲に区役所やスーパー、本屋、薬局などのインフラが一通り揃っていることも魅力でした。
頭金を出さずにフルローンで購入することも可能でしたが、1件目については多少頭金を入れたほうがよいというアドバイスを受けました。金融機関としても、ある程度頭金を用意できる人のほうが融資をしやすく、金利もさげてもらえるからです。2件目以降の物件を購入する際は、既に不動産投資をはじめている投資家というある程度の信用をもって審査をしてもらえるので、フルローンでも問題ないだろうということでした。
そのため、練馬の物件を購入するときには、400万円の頭金を入れ、残りの18,000,000円程度を金融機関から借り入れました。金利は変動金利ですが、1.7%でした。
すぐに賃借人がついてくれたのでほっとしました。
管理については、不動産仲介会社に業務委託をしました。自主管理をする方もいますが、サラリーマンの資産運用として不動産投資をする場合には、管理委託契約を結んだほうが無難といえるでしょう。めったに発生はしないようですが、水漏れや騒音などが万一あった際に、賃借人から直接クレームを受けてすぐに対応することを求められたり、家賃が滞納されて督促しなければならなかったりという可能性はあるので、管理はプロに任せたほうが安心だからです。
練馬については、その後繰り上げ返済を数回したこともあり、家賃収入から管理手数料や固定資産税などの経費と毎月の銀行への返済を差し引いても、手残りとして月4万円代後半の利益がでます。購入後もうすぐ4年目を迎えるため、今後繰り上げ返済手数料も安くなることもありますので、お金を貯めてはこまめな繰上げ返済をして、収益性をもっと上げていきたいと考えています。
2つ目の区分投資マンション、品川区の物件を購入

一件目の練馬の物件を購入して3ヵ月後に、品川区の戸越銀座徒歩5分の物件を追加で購入しました。
戸越銀座には長い商店街があり、生活に必要なものはほとんどすべてそこで揃うといっても過言ではありません。
また、品川周辺は、日本政府からアジアヘッドクォーター特別区に指定されており、今後大規模な再開発が予定されています。再開発がなされると、設備投資が期待できるので、地価が今後上がる可能性があります。
品川区の物件を購入する際には、フルローンで購入しました。上述のように、2件目であることから、初回購入時に比べると、投資用ローンの審査がとおりやすい状況だったこともあり、不動産だけにキャッシュを集中して投資してしまうことに抵抗感があったためです。
およそ2300万円程度で取得しましたが、現在のところ、家賃収入から諸経費と銀行への返済を差し引いても、数千円単位ですがプラスになります。
品川戸越の物件についても、繰上げ返済を可能な限りで進めていき、利回りを上げて生きたいと考えています。あまり繰り上げ返済をしてしまうと団体信用生命保険の効果が薄れてしまうので、バランスが大切ですが、低金利とはいえ金融機関に支払う利子の額は決して安くはないですので、繰上げ返済は不動産投資の成功のために必要なことだと考えています。
これまでの振り返り

購入後約4年間が経過して、今のところ不動産投資は順調に進んでいると思っています。
思っていたことと違った点
当初思っていたことと多少違ったのが、思ったよりも不動産賃貸事業をしている実感が薄いことです。
一旦購入してしまえば基本的に不動産管理会社にお任せのため、物件自体も購入時に見に行ったきり、特に訪れる機会はありません。賃借人の方のお名前や基本情報は書類の上では拝見していますが、実際にお目にかかったことはないので、部屋を貸している感覚もあまりありません。
今後賃借人の方の入れ替えの際のタイミングなどで、リフォームや模様替えなどを検討するかもしれませんが、そういった際に物件を見ることで、じょじょにオーナーとしての実感が育っていくものかもしれません。
こうすればよりよい結果が得られたかもと思われる改善点
2件の不動産を購入したときに、他の物件や他の不動産事業者との比較はほとんど行っていません。今振り返ると、もう少し相場の研究や勉強をしてから購入したほうが、結果が大きく出やすかったのかもしれないと思います。しかし、知識ばかりを仕入れても、リスクが怖くなってしまってなかなか不動産投資に一歩が踏み出せないという可能性があります。
不動産投資は、長いサラリーマンとしての勤務期間を味方につけ、レバレッジを効かすことにそのメリットがあります。そういった意味では、余り考え込みすぎずに、よいと思った物件を勢いよく買ってしまったのが、かえって良かったといえるのかもしれません。
良かった点
良かった点としては、不動産投資を通じて、数字やお金に関心を持つようになったことです。通常の生活で、あまり利回りを意識することなどないかもしれませんが、常にリスクとリターンを考えて行動するきっかけになったと思います。
今後の不動産投資の目標、まとめ

今後の不動産投資の目標としては、まず1件目を完済しつつ、その家賃収入を使って3件目、4件目の購入をすすめていきたいと思っています。
今のところ東京都内で購入していますが、地震リスクなどを考慮すると、五大地方都市などある程度人口が見込める規模の都市であれば、地方都市での購入も考えてもよいと思っています。
以上、私の体験が、これから不動産投資を検討されている方のご参考になれば、大変幸いです。皆様の投資の成功を心よりお祈り申し上げております。
もふさん、こんにちは。
まさか新築区分?の成功例?とは…。
手残りがあると言っても頭金や繰り上げ返済で、ですよね。
将来高く売れるようなことも考えにくいし、トータルで考えると(笑) きっともふさんもそのへん分かってて敢えて載せたのだと思っていますがいかがですか?
私は中古区分限定で購入、退去したらリノベして実需に売却のスキームでやっていますが、区分で利益を出せるのはそれくらいしかないのかな、と。
こんにちは、いつもYouTubeでもふもふ不動産さんの動画を楽しく拝見させていただいております。
もふさんが区分マンション投資についての記事を扱うのは珍しいので興味深く読ませていただきました。
記事だけだと何とも言いにくいのではありますが、せっかくの外資系の高属性と推定されるビジネスマンの方が行う投資としては、ちょっともったいないのでは、というように率直に感じました。上の方もコメントされているとおり、頭金に数百万円入れて繰上返済をさかんに行うとなると、毎月のキャッシュフローだけ見るとプラスで儲かっている感覚になりますが、トータルで見ると大幅にマイナスなんじゃないかなと推察してしまいます。これをするくらいなら、例えばインデックス投信に毎月積立購入していたほうがトータルで増えていきそうな気もします。果たして、これが「成功」と呼べるのか、大いに疑問です(もちろん成功かどうかなんて、出口を迎えるまではわからないので、現時点では神のみぞ知るといったところかもしれませんが・・・)。
もふさんの動画や記事は、不動産投資、あるいは投資全般について本質を鋭く突いたものばかりで、良いもの・ダメなものをハッキリと指摘するスタイルを魅力的に思っています。
ですが今回の記事は、「資産性」「節税」「保険」とかをメリットに上げる教科書的な営業トークをする業者に言われるがままマンション投資をする典型的なサラリーマンオーナーのようにしか映りませんでした。
ただ、世間に広まっているサラリーマン不動産投資の実態を垣間見ることもできた気がするので、自分はもっと戦略的にやろう、気を付けよう、と思うきっかけにもなりました。
「個人の価値観による」と言えばそれまでですが、あらゆる分析の努力を尽くした上で投資するのかどうか、というスタイルをもたないと。
この記事について、もふさんのコメントが「とても堅実に、区分マンションから不動産投資をスタートされていて、こういうのなら区分マンションもありだなと思いました。」とサラっと書かれていますが、もう少し深堀したコメントをお伺いしたく思いました。
(「ありかもしれないと思ったけど、僕ならしません」、というような心の声が聞こえる気がします。)
寄稿してもらった手前、あまり批判的なことは言いにくい面もあるかもしれませんが、もふもふ不動産のサイトで記事を掲載しているがゆえに、「もふさんが太鼓判を押しているから、マンション投資いいな!」と思う人も出てくるかもしれません。
すみません、長文失礼しました。