もふもふ不動産のもふです。
Googleが決算発表の中で、YouTubeの収益を初めて公開するという大ニュースが流れました。
YouTubeの収益(売り上げ)というのは、YouTubeができてから15年、公開されることはなかったんです。
YouTubeの収益が公開されたとあれば、僕も興奮せずにはいられません。
そこでこの記事では、YouTubeの収益公開について、YouTubeの歴史を踏まえながら、僕なりに分析して解説してみようと思います。
今まで明かされることのなかったYouTubeの収益について気になる方は、ぜひ読んでいってください。
もくじ
Alphabetの会社構成。子会社としてGoogleがある
先ほどから「Google」と言ってしまっていますが、「Alphabet」という会社がGoogleの親会社です。
その下にいくつもの会社がぶら下がっていて、その一つにGoogleがあるということです。
また、さらにその下、Googleの下に
- Google検索
- Googleマップ
- YouTube
- Googleアドセンス
- Android
といったものがあるのです。
今回は、そのAlphabetが決算発表を行いました。
YouTubeの歴史を解説。2005年にYouTubeが開設される
そもそもYouTubeは、2005年にVC(ベンチャーキャピタル)から1150万ドルを調達し、開始されました。
日本円に直すと、だいたい11億円くらいですかね。
2006年の7月には、1日65,000本の動画がUPされ、1日1億回も再生されるようになります。
2005年当時には、動画をネットにUPするというのは、相当難しいものでした。
また、動画を見るということも、2005年当時にはかなり難しかったんです。
当時はプラグインを入れなければブラウザで動画を見れなかったなんて、今では考えられませんよね。
それなのに、ブラウザークロームなどがあれば誰でも動画を見られるようにしたというのは、すごい功績だと思っています。
また、動画を貯めておくサーバー代がすさまじい金額になっているのでは、と噂されていました。
安定的に動画を供給するというのは、当時ではかなり労力のかかる行為(お金や技術)だったんですね。
そのため、「人気にはなっていたけれど、収益はどうなの?」という印象を持っていました。
GoogleがYouTubeを◯億ドルで買収!え、まじで?
莫大なサーバー代などの噂が流れ、収益は難しいと考えられていた2006年11月、なんと、Googleが16億ドルでYouTubeを買収しました。
「え、もう買収すんの!?」
という風に思ったのを覚えています。
衝撃でした。
しかも、16億ドルというと、日本円で1,600億円ほど。
よく考えてみてください。
- 2005年に1,150万(11億円ほど)ドルを調達
- その一年後には16億ドル(1,600億円ほど)で売れる
ということです。
1年やそこらで145倍になるってすごくないですか!?
「Googleは高く買いすぎなんじゃないの」
と、当時思っていた僕は、先見の明がありませんでしたね……。
今考えると、とってもお買い得な買い物でしたよね。
YouTubeの広告は、パートナーしか入れられなかった
いろいろ調べてみると、2008年には「YouTubeパートナープログラム」というのに認められた人だけが、広告を入れられたようです。
「あなたはパートナーです。広告を入れてください」
と、YouTubeからオファーされた人だけしか広告を入れられませんでした。
2012年には、一般にも広告が開放されるようになります。
ある一定の条件とガイドラインを守れるなら、YouTubeからオファーが来なくても広告を貼り付けることができるようになりました。
設立から15年!知られなかったYouTubeの決算が明かされる
今まで、Alphabet全体の決算は出ていました。
しかし、YouTubeの決算は明かされておらず、「YouTubeの決算はどないやねん!」というように、ひた隠されてきたんです。
ただですね、決算発表では、自分の写真が載ったスライドたった1枚を見ながら社長がぐだぐだ喋っているので、正直よくわからなかったんですよね……。
「資料じゃなく、顔写真の載ったスライド1枚で喋んないでよ」と思ってしまいました。(笑)
決算開示資料がないため、少しわかりにくいかもしれませんが、解説していきます。
先見の明を持った、YouTubeのCEOとは
この方が、YouTubeのCEOである、スーザン・ウォシッキーさんです。
スーザンさんは、Googleの立ち上げ当初からマーケティングの責任者をやっていた人物です。
インテルやヘッジファンドにいた過去を持っており、その当時からマーケティングを行なっていたそう。
しかもこの方、2006年に「1,600億円でYouTubeを買おうよ」と進言した方です。
また、Googleの広告事業である「アドセンス」を立ち上げた方でもあります。
むちゃくちゃすごい方ですよね……!
1968年生まれなので、2020年現在、まだ52歳という若さです。
お子さんが5人いらっしゃり、仕事と家庭の両立まで実現させています。
YouTubeの売り上げとは?
ここからは、YouTubeの売り上げについて解説していこうと思います。
- 2017年には、81億ドル
- 2018年には、111億ドル
- 2019年には、151億ドル
の売り上げがありました。
1ドル100円だと考えると、8,100億円〜1.5兆円の売り上げがあったということですね。
2年で売り上げが2倍になっていると考えると、かなり凄まじい成長です。
しかも、まだまだ成長すると言われているので、恐ろしさすら感じます。
どこかで飽和するとは思いますが、今現在は広告がテレビなどからYouTubeに流れているというのが如実にわかると思います。
売り上げがわかったので、広告費のマーケティングが「どこに・どのように」使われるかという分析が正確になるのではと期待しています。
2000万人がYouTube premiumへ加入しているというのがニュースで流れました。
一月1,000円だと考えると、200億円の収入があるのがわかります。
サブスクリプション(登録制課金事業)も育ててはいるけど、1兆円の広告収入費と比べると、まだまだかなと感じます。
YouTube premiumは、事業の柱というよりも、これから育てていく要素の一つでしょう。
Google(Alphabet)全体の売り上げはどうなの?その凄まじい売り上げとは
Google全体の売り上げを見ていきましょう。
- 2017年には、1,108億ドル
- 2018年には、1,368億ドル
- 2019年には、1,618億ドル
というような売り上げがありました。
Google全体でも、2年で売り上げがかなり上がっています。
- 2017年の利益は、275億ドル
- 2018年の利益は、342億ドル
となっているので、(1ドル100円と考えると)3〜4兆円ほどの利益が出ています。
とんでもない利益ですね…!
トヨタとGoogle(Alphabet)の売り上げを比べてみよう
Google(Alphabet)の売り上げがどのくらいすごいのかというのを、時価総額25兆円のトヨタと比べて見てみましょう。
- 売り上げ29.5兆円
- 営業利益2.4兆円
というのが、予想として挙げられています。
こう見てみると、売り上げはトヨタの方がかなり高いですね。
しかし、利益で見てみると、3〜4兆円ほどの利益を叩き出しているGoogleの方が高いです。
ソフトウェアの企業と製造業であるトヨタとを比べるのはフェアではないかもしれませんが、日本最大の企業であるトヨタでも、Googleには太刀打ちできないというのが見て取れます。
初めての開示?Googleクラウドも売り上げが倍増していた
この資料では、Googleクラウドについても記述されていました。
Googleクラウドについての売り上げは、初めて開示されたそうです。
Googleクラウドも、例に漏れず売り上げが爆増しています。
- 2017年には、40億ドル
- 2018年には、58億ドル
- 2019年には、89億ドル
というように、凄まじい伸び率です。
本当に、ソフトウェアの売り上げの高さというのは恐ろしいと感じました。
トヨタは年間に1,000万台ほど車を作っていますが、それが一気に2倍になって、2,000万台売るかっていったら、それはかなり難しいですよね。
Googleのようなでかい会社が、たった2年で売り上げが倍増するなんて心から恐ろしさを感じてしまいます。
Googleって、資産どのくらい持ってるの?
Googleの資産って、気になりません?
こんだけ儲けているなら、かなり持っているはずですよね。
この画像の上から2番目、「cash and cash equivalents」という項目を見てください。
この項目を見ると、Googleが2兆円ほど現金を保有していることがわかります。
また、株や債権など、市場で換金できるものが11兆円ほどもあります。
資産のほとんどを株や債権で持っているということですね。
Googleはソフトウェアの会社ですが、サーバーなど、インフラ設備も持っています。
「Property and equipment,net」という箇所が、該当部分です。
そこには、736億ドルと記載されており、固定資産として8兆円持っている旨が書かれています。
ソフトウェアの会社なのにインフラも持っているなんて、強すぎますよね。
しかも、8兆円分。
世界各地にサーバーがあるので、「まじでとんでもねえ資産だな」としか言えません。
Googleの自己資本比率って?
上記の資料を見てみると、Googleの資産が30兆円、負債が8兆円あるのがわかります。
持っている資産のうち、どのくらいが借金かを表す自己資本比率を見ると、Googleの自己資本比率が75%というのもわかります。
これ、ソフトウェアの会社としては、めちゃくちゃ高いんじゃないかと思います。
これだけでかい会社が自己資本比率75%なんて、正直なところビビりました…!
Googleは強すぎる!支配的な位置の確立
決算書を見てきて思うのは、「Googleは強すぎる!」ということ。
いやー、呆れるくらい強い。
動画面で言うと、Googleの独壇場と言えるので、ライバルがいないんですよね。
またまたトヨタを例に出すと、日産やBMWなど、数多の自動車会社がライバルにいます。
トヨタのような大きな会社はそういったライバルたちと、日々、しのぎを削っているにもかかわらず、Googleは支配的な立ち位置を確立しています。
ソフトウェアって、独占できるから強いんですよね。
Googleは技術力も高い!
Googleは、技術力も凄まじいものを持っています。
Deep mindという会社を買収し、Alpha Goというコンピュータ囲碁プログラム(人工知能)を開発したことでも注目を集めました。
多くの人が普段から使っているであろうGoogle mapも外せません。
日本中、いや、世界中をくまなく見ることのできるマップを無料で提供できるなんて、一昔前では信じられませんでした。
また、iPhoneの独占を阻止しているAndroidも忘れてはいけません。
Googleってかしこいですよね。
iPhoneが出てきて市場を独占するかと思いきや、Androidを作って無料で配布するなんて。
市場独占の阻止だけではなく、誰でもアクセスできる環境を作ることで、世界中から検索の広告収入を得ているわけです。
お金を使って市場を拡大しておいて、また広告収入でより多くのお金を得るという発想には驚かされます。
まだまだGoogleの売り上げは伸びそう
まだまだ、Googleの売り上げは伸びると思います。
今みたいに、検索を独占しているので、圧倒的な利益を得ているからです。
まずはシェアを取って、そこから利益を確保する戦略がハマっています。
しかも、その利益を使い、新規事業開拓を行なっている点も見逃せません。
自動運転やGoogleグラスなどの分野ですね。
新規事業開拓を山ほど行なっているため、失敗も数え切れません。
最近で言うと、Googleプラスでしょうか。
フェースブックに取って代わる存在として誕生したGoogleプラスですが、撤退を決めるなど、うまくいかなかったようです。
検索で入ってくる利益を使い、圧倒的な技術で新規事業を開拓していくやり方は「すごいなあ」の一言です。
まだまだGoogleが伸びる要因の一つとして、Googleに勝てる企業がほとんどいないということも挙げられます。
GAFAやNetflixといった企業しかありません。
最近のGoogleは、マネタライズに走ってきたなというのもあります。
Google検索の上の方に、広告出ていませんか?
その広告の数が上から3〜4つにまで及んでおり、僕個人としては「稼ぎにきてるな〜」という印象を持ちました。
YouTuberの未来はどうなるの?
ここまではGoogleの売り上げなどを見てきました。
ここからは、YouTuberがどうなっていくのかという観点でお話をします。
気づいた方もいるかもしれませんが、YouTubeは売り上げを公開していても、利益を公開していないんです。
YouTubeの売り上げは年々増加していても、利益は謎なんですね。
毎日、数え切れないくらいの人間が動画をUPしたり視聴したりしているので、とんでもなくサーバー代などの設備費がかかります。
もしかしたら、そういった設備費からくる赤字を垂れ流して売り上げを上げているのかもしれません。
まさに「ブラックボックス」です。
まだまだYouTube上にチャンスは転がっている
広告費が上がっているということは、言い換えると、Google側は広告を流せる動画を欲しているということです。
ビジネス系や教育系など、お金になる動画を推しています。
ただ、Google検索からすると信頼性や権威性は重要視される傾向にあるため、将来的にはYouTubeもそういった流れが重要視されるのではと考えています。
僕も、いつ動画が再生されなくなるかはわからず、Googleの匙次第とでも言えます。
手のひらの上で踊っているような感じです。
Googleの匙次第ではありますが、5GやBluetoothの発達が後押しとなり、まだまだYouTubeは伸びると思います。
僕もその波に乗っていけたらいいなと、ひそかに決意しております…。
下記の動画では、この記事内容について動画でも語っています。
余談も交えながら語っているので、よかったら動画も見てください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。