この記事では、そんなお悩みにお答えします。
土地の値段って、いくらくらいが妥当なのかわかりにくいですよね。。
土地の価格は「一物五価」といわれていて、5つの値段が付いているといわれています。
- 実勢価格
- 公示地価
- 基準地価
- 相続税路線価
- 固定資産税評価(固定資産税路線価)
国や自治体がいろいろ価格を決めていたりしますが、結局のところ実際にその付近の土地がいくらで売られているのかの実勢価格が一番重要になります。
この記事では、自分が土地を所有したとき、どれくらいの価格なのかを調べる具体的な方法を初心者にわかりやすく解説しています。
もくじ
土地の価格~1)実勢価格とは?
これが一番大事です!
まずは実勢価格さえ押さえておけば、大きな失敗や騙される可能性は小さくなりますので、絶対に抑えておきましょう!
実勢価格とは、実際に土地が取引される価格のこと。「Aさんの土地をBさんがxxxx万円で買った」とかの、まさにその価格!
ということです。
って思われるかもしれません。まさにその通り。
自分の持っている土地の実勢価格は、売却されないとわからないのです。
そのため、自分の土地の付近の土地の値段から推定して価格を算出します。
付近の土地の㎡単価を出してみる
もっとも簡単で単純な方法は、付近の土地の㎡単価を出してみて比較することです。
例えば、家の目の前の100㎡の土地が2000万円で売られていたとします。
そうすると、1㎡あたり2万円という価値を持っていることになります。
もし150㎡の土地を持っていたとしたら、1㎡当たり2万円なので3000万円くらいの価格になると予想できます。
このように、付近の土地の㎡単価を出してみて、自分の土地の面積にかけてみるのが最も単純な算出方法です。
実際は、土地の形状や用途や面積や建蔽率や容積率や接道などがかかわってきますが、ざっくり抑えておくとよいでしょう。
- 変な形の土地だと安くなる。(旗竿地など)
- 広すぎると安くなる(用途が限られる)
- 家が建てられない用途や、市街化調整区域だと安くなる
- 建蔽率や容積率が小さいと安くなる
- 接道が悪いと安くなる
といった具合です。家を建てにくければ立てにくいほど安くなり、欲しいと思う人が少なくなるほど土地の価格が安くなるというイメージで良いでしょう。
実勢価格の調べ方~売られている土地を見てみる
あなたが所有されている土地の近くに、売りに出ている土地がないか調べてみましょう。
アットホームや、スーモなどで売りに出ている土地の価格を調べることができます。
住所や地図などから検索することができるので、実際にどれくらいの価格で売りに出ているのか?
㎡単価を出してみて、あなたの保有されている不動産の価格を算出してみましょう。
過去の取引事例を調べてみる。
国土交通省の土地総合情報システムで、過去の土地の取引事例を調べることができます。
地図をクリックして、自分が見たい町をクリックすると、取引事例が表示されます。
これで、どういう土地がいくらくらいの㎡単価で売却されたかがわかります。
ただし、これは自己申告制で登録されていくため登録されていない取引が多々あります。参考程度にとどめておくのが良いでしょう。
土地の価格~2)公示地価とは?
公示地価とは、国土交通省が毎年3月に公示する標準地の地価のことです。
地価公示法という法律に基づいて発表されています。この公示地価が、土地の価格として一番基準になって活用されているイメージがあります。
公示地価は、平成31年の場合、全国から26000地点の地価を算出しているのが特徴です。1地点あたり2人以上の不動産鑑定士さんが取引時差例など様々な情報から地価独自に算出し、その評価をもとに決定されているようです。
ニュースにもよく取り上げられます。
公示地価:地方圏の平均が27年ぶり上昇、回復基調が全国に広がる
2019年の全国の公示地価は、東京・大阪・名古屋の三大都市圏以外の地方圏の平均が27年ぶりに上昇に転じた。三大都市圏を中心とした地価回復の流れが全国的に広がってきている。国土交通省が19日発表した公示地価(1月1日時点)によると、地方圏の全用途(住宅地、商業地、工業地)の平均で0.4%上昇し、1992年以来のプラス。札幌・仙台・広島・福岡の四市が5.9%上昇と全体をけん引し、他の地域も下落幅が縮小した。
用途別では住宅地が0.2%上昇と27年ぶりにプラスとなり、前年に26年ぶりのプラスに転じた商業地は1.0%上昇。商業地は四市で9.4%上昇し、他の地域も横ばいとバブル崩壊以降の下落に歯止めがかかった。
3大都市圏は平均2.0%上昇と6年連続プラスで、住宅地、商業地とも各圏域で上昇が継続。全国平均は1.2%上昇と4年連続プラスで前年の0.7%から伸びが加速した。国交省は公示地価の上昇について、景気回復による雇用・所得環境の改善や低金利下で交通利便性に優れた地域を中心に住宅需要が堅調なほか、訪日外国人観光客の増加や再開発事業を背景に不動産需要が拡大していることが背景にあるとみている。-bloombergより–
公示地価の調べ方
公示地価は、全国地価マップで見るのが見やすいです。
この全国地価マップで、公示地価をクリックし、地価が見たい地点をクリックすると表示されます。
例えば名古屋駅前の基準地点は1㎡あたり632万円でした。高いですね!
公示地価の注意点は、全国の約26000地点しか算出されないということです。
他の地点は算出されないので、自分の土地の価格を知りたいときは、近くの基準地点の価格から推測することになります。
実際に自分の土地の評価を知るときは、相続税路線価や、固定資産税評価を使うことになります。
土地の価格~3)基準地価とは?
不動産投資家として長年活動していますが、自分が不勉強なので基準地価という言葉をあまり聞く機会がありませんでした。
コトバンクさんより引用しますと、
国土利用計画法の土地取引価格の審査基準価格として設定されたもので,都道府県が毎年1回公表している。具体的には都道府県知事が基準地について不動産鑑定士の鑑定評価を求め,毎年7月1日に現在の標準地価を判定し,10月初めに公表する。土地取引の指標,正常な地価形成を目的とした公示地価とほぼ性格を同じくしており,公示地価を補完する形をとる。実勢地価を 100%とした場合,基準地価は 70~80%といわれている
–コトバンク–
公示地価とほとんど同じのようですが、公示地価を補完するような形で発表され、都道府県が発表しているところが違うようです。
公示地価だけでいいような気がしてしまいますが…ちょっと詳しくはわかりませんでした。
土地の価格~4)相続税路線価とは?
その名の通り、相続税の基準となる土地の価格の算出方法が相続税路線価です。
これは国税庁が毎年7月に発表する土地の価格の基準となっています。
- 道路1本1本に㎡当たりの土地の価格を決める(路線価)
- その道に面している土地は、「路線価×土地の面積」で価格を算出する
という仕組みになっています。道路の2面に面している場合など、ちょっと複雑な計算になります。
例えば、1㎡当たり10万円の道に面している200㎡の土地の相続税土地価格は、10×200=2000万円となります。
相続税路線価の見方
相続税路線価も、全国地価マップで見るのが見やすいです。
いろいろな記号があるので、記号の詳しい見方は相続税路線価の記号の見方(国税庁)を参照にしてみてください。
これだと、自分の土地の評価額をかんたんに算出することができます。
あなたの土地の目安として参考にしてみてください。
土地の価格~5)固定資産税評価
ここまでたくさんでてきましたが、固定資産税評価が最後です!
市町村が固定資産税を算出するときに使う土地の価格です。
すべての土地には、固定資産税評価額が決まっています。
あなたが所有している土地も、固定資産税評価額が算定されていて、その金額に応じた固定資産税がかかってきているはずです。
たとえば、保有している土地の固定資産税評価額が200万円だとしたら、固定資産税は6000円(この金額はてきとうです)といった具合に、土地の固定資産税評価額と固定資産税の金額が決まってきています。
固定資産税にも路線価があり、道1本ごとに価格が決められています。なので、自分の土地の固定資産税の目安が知りたい場合は、固定資産税路線価を使い算出する方法もあります。
土地の価格は、どの価格を使えばいいのか?
ここまで、
- 実勢価格
- 公示地価
- 基準地価
- 相続税評価
- 固定資産税評価
と5つ紹介しました。
一番重要なのは、実勢価格です。どれくらいの価格で売買されるか?知りたい場合は実勢価格を調べましょう。
一般的に、どれくらいの価値なのかを知りたい場合は公示地価を見るのが良いでしょう。
相続税の評価価格は相続税の計算や、銀行の担保評価に使われることが多いです。
固定資産税評価は、固定資産税の支払い金額を知りたいときに使うイメージです。
実勢価格と公示地価の関係は?
土地の実勢価格と公示地価の関係はあるのか?というと、多少あるというイメージです。
一般的には、
- 都会では公示地価よりも実勢価格が高い
- 田舎では公示地価よりも実勢価格が安い
という傾向にあります。都会は土地を欲しがる人が多くなるため、公示地価よりも高くなる傾向があり、逆に田舎では土地を欲しい人が少なくなるので公示地価よりも実勢価格が安くなる傾向があります。
前に、「あの不動産屋さんから買った東京の土地は、固定資産税評価よりもずっと高いので詐欺だ!」とかいう記者を見たことありますが、これは間違いです。。都会では公示地価で購入できるケースはほとんどないと思ったほうがいいでしょう。
公示地価と相続税評価と固定資産税評価の差は?
一般的には、公示価格が10万円/㎡だとしたら、
- 公示価格:10万円/㎡
- 相続税評価:8万円/㎡
- 固定資産税評価:7万円/㎡
という関係がざっくり成り立ちます。
なので、どれか一つを知っておけば、だいたいほかの価値はざっくりと予想が付くことになります。
土地の価値、価格のまとめ
ここまで、土地の価格は5種類
- 実勢価格
- 公示地価
- 基準地価
- 相続税評価
- 固定資産税評価
があり、それぞれ価格が異なっていると解説してきました。いろいろ複雑なのですが、実勢価格を気にしておけば、まず問題ないと思います。
それでもやはりかなり複雑でわかりにくいところもあるので、もし土地の価値や売却していくらになるかなど知りたいときは専門家に聞いてみるのも手だと思います。
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