もふもふ不動産のもふです。
僕は投資家でTwitterやYouTubeやブログなどで資産運用や不動産投資について解説しています。
ソフトバンクが1.3兆円もの史上最大の赤字を出してしまいました。
投資家の私がソフトバンクGの決算をわかりやすく解説させて頂きます。
株や経済に興味のある人は最後まで見ていってください。
もくじ
ソフトバンクGの会社の概要と、これまでの経緯
色々な会社があるのでややこしいですが今回は本体の「ソフトバンクG」のお話になります。
- ソフトバンクG:本体
- ソフトバンク:携帯会社
- VF:ファンド運営
- ARM:半導体の会社
- Sprint:アメリカの携帯会社
- …などなど
ソフトバンクの下にはZホールディングス(ヤフー)があり、さらにZOZOやLineもある大企業です。
ソフトバンクこれまでの流れ
ソフトバンクGがSVF(ソフトバンクビジョンファンド)を立ち上げて投資会社になる事を
宣言されてからの流れも確認しておきましょう。
- 2018年:ソフトバンク(携帯)が上場
- 2019年:ウィーワーク問題。上場失敗。高値で投資家に売り抜けられず
- 2020年4月:1.3兆円の営業損益を発表
2017年にSVFを立ち上げて投資会社になると宣言されソフトバンクGは投資会社に転換しました。
その後、投資先のウィーワークが2019年に5兆円の価値があると言われていたが実際は赤字寸前の会社だったことがわかり上場失敗。高値で投資家に売り抜けられませんでした。
その結果2019年11月に3ヶ月で7000億円の赤字を出しています。
これまでの経緯としてはSVFで投資したけど失敗して、下り坂といった状態です。
ソフトバンクGの決算解説。世界恐慌なのか?
ソフトバンクGの決算はどうだったのか見ていきましょう。
決算説明会ではまず世界恐慌の話から始まりました。
世界恐慌の時にNYダウの平均株価が10分の1下落し、元の値段まで戻るのに25年かかったお話をされた後に今回の新型コロナも世界に同じように大きな影響を与える出来事であり「今は未曾有の危機ですよ」という前置きがありました。
孫さんにはいつもと違う暗い印象を受けました。
連結の業績。1.3兆円の赤字に転落
連結決算を確認していきましょう。
営業利益がSVFで前期2兆円の利益を上げていたのが-1.3兆円となってしまいました。
少し注意したいのが、投資会社ですので何かでお金が出ていって赤字というわけではなく、買った株が下がったから損失が出たということですのでこの赤字の意味は気をつけましょう。
営業利益の内訳
1.2兆円の利益がなくなり-1.9兆円の損失になってしまったことがわかります。
携帯会社は安定しています。
ソフトバンクビジョンファンドが大赤字。これまでの含み益を吹き飛ばす
SVF(ソフトバンクビジョンファンド)は88社に投資していますが、その多くが今回のコロナで株の価値が減ってしまいました。
しかし、累計で見ると8.8兆円投資して赤字は-0.1兆円なのでまだまだ赤字は小さいので「大きな失敗ではない」というニュアンスで孫さんはお話しされていました。
ですが、もっともっと赤字が膨らんでいく可能性もありますので注意が必要だと思います。
SVF(ソフトバンクビジョンファンド)の資本構成
SVFの資本構成(10.7兆円の内訳)を見てみましょう。
全体の4割ほどを占める他LPからの4.4兆円の優先出資部分は7%定率分配保証の運用となっています。
今回VFとしての含み益がなくなりトントンくらいまでいってしまった現状で、4.4兆円の部分に関しては7%の配当は出さないといけないため、他の部分での利益が潰されている感じです。
SprintとT mobileが合併完了
Tモバイルと合併して新Tモバイルが誕生し、時価総額13兆になりました。SBGは24%持っていますので、今後も新Tモバイルの株価が上がっていけばソフトバンクとしては嬉しいですね。
armの業績。チップは増えている。
armとは約5年前に3兆円くらいで買収したスマートフォンのCPUの設計回路図を売っている会社です。この会社の設計回路を使ったチップが売れるとライセンスでお金が入るビジネスモデルです。
armのチップの出荷が指数関数的に急増していますがスマホの売上が下がるとそのまま減っていくと思うので気をつけましょう。
スマートフォンメインからクラウド側でも使われるように
armの強さは低消費電力です。処理速度上がってコストが削減されて電力効率もいいということでアマゾンのAWSもarmに置き換わっているといっていました。
ただ、スマートフォンに比べてサーバーの台数は少ないと思われるのでどこまで利益貢献するかはわからない部分です。
アームの売上はチップが売れた割には上がらなかった
今回、売上は2002億→2006億とあまり伸びていません。出荷台数上がっても売り上げが変わらないとあまり意味がないのでそこは気になっています。
ソフトバンクの株主価値についての解説
孫さん曰く、
ソフトバンクが持っている保有株式が28.5兆で借金は6.8兆円なので差し引き21.6兆円相当の株主価値はあると言っています。
孫さんはソフトバンクGには21.6兆円の価値があるとは言っていますが市場はそれを受け入れず株価は落ちてしまっているのが現状です。
- アリババの株を使い1.25兆円調達予定
- LTV(準有利子負債/保有株式率)はまだ14%(〇〇%以上だと〇〇だと言われている)
- 配当金に関しては未定
配当金は2020年度は未定の方針のようです。0~44円の間で配当が出ると考えて貰えばいいと仰っていました。
ソフトバンクGの今後の状況の解説。業績の見通しは不明
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携帯電話:順調
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スプリント:Tmobileと合併し安泰
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ARM:チップの出荷は増えているが売上低迷
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SVF:株価下落中。不調
一番の懸念はSVF(ソフトバンクビジョンファンド)です。ここから株価が戻せばいいですがさらなる赤字で含み損になっていく可能性も。。。
今まで何兆円もの利益を出していましたが、たった半年で全部吹っ飛んでしまいました。
今後の見通しに関してはわからないのでSVFが足かせにならないか懸念が残ります。
来期の見通し不明
今回の決算を見て思った事、感じたことです。
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決算では状況の解説のみだった
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今後の見通しは解説していない
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孫さんも元気がない様子。。
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SVF2は、自社のみで行う
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今後は積極的には投資せずにいいものだけ見極めていく
ソフトバンクが投資会社に変わってから初めての大きな危機に直面しています。
投資会社なので買った株が今後どうなるのかがポイントです。
アリババの創業者のジャック・マー氏が社外取締役を退任。孫さんが孤立化
アリババの創業者であるジャック・マー氏がソフトバンクGの社外取締役を退任してしまいました。
これまでにも優秀な経営者(人材)が孫さんの元を離れていっています。
2016年 ニケシュ・アローラ退任(Googleの元幹部)
2017年 日本電産 永守社長退任
2019年 ユニクロ 柳井社長退任
2020年 ジャックマー氏、退任
歴戦の猛者達が孫さんから離れていってしまっているのは心配です。
ジャックマーさんは昨年アリババのCEOも退任されているので元々決まっていたことで仲違いしたとかではないかもしれませんが、ソフトバンクが投資会社化することで名だたる経営者が離れていってしまっています。
孫正義さん自身の借金についての解説
孫さんは株を担保に借金をしています。
2兆数千億の資産で5000億円の借金なので大丈夫だとは思います。
この3ヶ月くらいで株価は2倍くらいになっているので、数ヶ月前は1兆くらいになっていたのでは?。。。
5000億の借金はソフトバンクの株を担保にして行われていたのでソフトバンクの株が下がることで担保余力が無くなり、3月に担保を追加で入れていました。そこで3月末に自社株買いを発表することで自分の持っている株の価値を高めようとしたのでは?と疑っています。
詳しくはこちらの動画で解説しています。
ソフトバンクGは破綻するのか?
結論から言うとすぐ潰れるとは思っていません。
借金は6.8兆円ありますが保有株は28.5兆円ありますので、株を売って資金調達すれば大丈夫なのですぐ破綻するとかではないと思います。
まとめ
ソフトバンクGの決算について解説しました。
今回の決算解説では孫さんの表情が暗かったことが印象的でした。
SVFに関しては今後の経済状況によってはもっと赤字になる可能性もありますので安心はできません。
今後もソフトバンクから目が離せません。
- ビジョンファンドが大幅赤字1.3兆円の損失を出し、携帯会社の利益を食ってしまっている。
- 孫さんには今の世界が「世界恐慌並み」に見えているよう
- ジャックマーが退任…
- 今期の業績は不透明。SV次第では赤字拡大の可能性も
投資の勉強
もし株式投資などに興味がある場合は、勉強してみてください。
参考:株価が暴落しているときに投資を始めるのがおすすめな理由