コロナウイルスの影響で、アメリカの失業率が史上最悪となりました。
この記事では、アメリカの経済の現状や、今後どうなっていくのかについて分かり易く解説します。
もくじ
アメリカの雇用統計の結果で失業率が14.7%、失業者が2050万人
まず、アメリカの雇用統計について簡単に解説します。
アメリカの雇用統計は原則、毎月第1金曜日(<夏時間>日本時間21:30<冬時間>日本時間22:30)に発表される最も大切な経済指標の一つです。
そんな雇用統計の発表が、5月8日にありました。
発表された数字は、史上最悪で、非農業部門の就業者数が2050万人もの減少。失業率も14.7%に急上昇しました。
たった1ヶ月で、世界が変わってしまうほどの数字でした…。
実際に、アメリカの失業率の推移を見てみます。

グラフを見ると、リーマンショック後からは長期的に低下してきましたが、今回のコロナウイルスの影響で、垂直に跳ね上がってしまいました。。ここまでの急上昇は過去に例がありません。
失業保険の申請者数も増加中。減ってきていないので失業者が増え続けている
アメリカの失業保険の申請者数も爆増しています。

3月下旬から申請者数は大きく増加し、4月上旬にピークがきているものの、今でも1週間で320万人もの申請があり、まだまだ失業者が増えている状態です。
5月の雇用統計の結果で、もしかしたらさらに失業者が増える可能性もあります。。
失業率の増加でも市場は悲観していなく、株価は下がっていない
多くの人々が職を失っている現状ですが、株式市場を見ると、そこまで悲観的ではないです。
これは一時的な解雇が大半で、ロックダウンの解除や経済が回復すれば、再び仕事に就くことができると判断しているからですね。
GS(ゴールドマン・サックス)やモルガン・スタンレーのアナリストの中には、経済活動の低下が底打ちした可能性があるとの見方をする人もいます。
しかし、再び仕事に雇用される保証はなく、経済活動がこのまま低迷をすれば、雇用の回復が鈍くなる可能性もあり、まだまだ余談を許さない状況です。
ダウ平均の株価は回復中

引用:株探
NYダウの動きを見てみると、2/12に高値を付けた後、約1ヶ月で40%ほど下落しました。
しかし、3/23に底を付けてから株価は回復しており、今では半値戻しの水準にあります。
業績は2極化。GAFAとマイクロソフトを合わせた時価総額が、東証一部を超える。
GAFAとは、Google,Apple,Facebook,Amazonの略で、最近ではMicrosoftを足して、GAFAMなんて呼ばれたりもしています。
そんな、GAFAMの時価総額(企業の価値)が東証一部の時価総額を超えたのです。
- 東証一部企業の時価総額の合計:約550兆円
- GAFAMの時価総額の合計:約560兆円
たった5社で東証一部約2100社の時価総額を超えるとは、日本人にとっては複雑ですが、凄い事ですね。
また、GAFAMは2019年末の時価総額を超えた水準まで回復しており、コロナショックで下げた分は回復している状態です。
GAFAMの株価をチェック。株価はかなり戻している。
具体的に、GAFAMの株価をチェックしてみると、5社いずれも強い動きをしている事が分かります。

まずは、Googleの親会社Alphabetの株価です。
広告事業などは、コロナショックの影響を受けているものの、株価は回復しています。

次に、Appleの株価を見ていきます。こちらも、ハードウェアなどの売れ行きに影響は出ているものの、ほぼコロナ前の水準まで回復している事が分かります。

続いて、Facebookの株価です。こちらは、Googleと同様に広告がメイン事業で、コロナの影響は出ているものの株価は回復しています。

次に、Amazonを見てみると、コロナ前の株価を大きく超えている事が分かります。
Amazonは、EC事業やAWS事業が好調で、今回のコロナショックを機に成長が加速しているので、株価も上昇しています。

最後に、Microsoftの株価です。
Microsoftは、企業向けクラウドサービスのAzureなどが好調で業績を牽引しています。
また、オンラインミーティングの需要が増えた事からMicrosoftの提供している「Teams」の需要が増え、アクティブユーザーが7500万人を超えた事も、株価の押し上げ要因になっているようです。
このように、GAFAMは株価の回復がとても力強い事が分かりますね。
破綻する企業も出始めている。
GAFAMのように、コロナ前まで株価を戻している企業もあれば、経営破綻してしまう企業も増えています。
ゴールドジムが経営破綻
フィットネスジムで有名な「ゴールドジム」を運営する、米GGIホールディングスが経営破綻しました。
ゴールドジムは、世界で約700カ所のジムを構える大手でしたが、コロナウイルスの影響は大きかったです。ジムに行く習慣があった人でも、今回の緊急事態宣言やロックダウンの影響で行く事ができず、利用者が激減した事が、経営破綻に繋がってしまいました。
高級百貨店 「ニーマン・マーカス」や衣料品大手「Jクルー」が経営破綻
高級百貨店や衣料品大手も、コロナウイルスの影響をもろに受けています。
ニーマン・マーカスはネット通販の台頭で経営不振に陥ってましたが、今回のコロナウイルスの影響によって、営業を停止した事が追い討ちをかけた形に。。
Jクルーは、約490店舗を構える小売チェーンですが、こちらもロックダウンの影響などにより、経営破綻に。実店舗を構える企業は、大手でも非常に厳しい状況だという事が分かります。
今後の景気は回復する楽観論と、景気悪化の悲観論に分かれている
今後の景気の予想を見ていくと、楽観論と悲観論に分かれています。
楽観論。景気は回復する
株価が、3月に底を付けてから半値戻しの水準を回復していることや、世界各国が金融緩和や財政政策を行なっている事もあり、5月に入ってからは楽観論が多くなっている様に感じます。
悲観論。景気は後退する
一方で、株価は現在回復しているものの、もう一度下落し2番底を探る展開になるという意見もあります。
もちろん、株価や経済の動向を言い当てる事は誰にもできないので、筆者は中立の立場をとっています。
世界の国々のGDPが成長している中、日本は成長できていないので厳しい状況
GDPとは、国内総生産の事です。GDPを見ればその国の経済が成長しているかどうかが分かりますが、日本は中々厳しい状況です。

グラフを見てみると、日本は1980年~1995年頃までは成長を続けていましたが、それ以降のGDPは停滞している事が分かります。
これを、「失われた20年」とか「失われた30年」なんて呼ばれたりもしています。
一方、アメリカや中国に目を向けてみると、大きな成長を続けている事が分かりますね。
先進国である日本ですが、世界から取り残されている様な状況になってしまっています。。
GDPが成長していないという事は、日本で働いている人の給料も上がらないという事なので、一人一人がスキルを身に付け、より高い付加価値を提供できる様になる事が大切だと思います。
まとめ〜アメリカの失業率が史上最悪
アメリカの失業率が、過去最大を記録しました。
一方で、一時的な失業が大部分と考えられていますので、ロックダウンが解除され、経済活動が再開すれば、回復する可能性が高いと考えています。
しかし、失業率が大きく回復しない場合は、経済により深刻な影響が出ていると考えられます。
株価の方は、回復している企業と低迷している企業と2極化しています。
雇用統計を始め、今後のアメリカの経済指標には注目ですね。
投資の勉強
株価は暴落しましたが、4月以降は強い企業はやはり強い値動きをしています。
これを、チャンスとして捉えている方もいらっしゃいますね。
もし、株式投資に興味のある方は勉強してみてください。
- 株式投資の基礎。株とは何か?
- SBI証券の解説(僕がメインに使っているおすすめの証券会社)
- SBIネオモバイル証券の解説(少額から個別株できる)
- おすすめの投資信託(自己責任で…)
- 積立NISAの仕組みを解説
YouTubeでも解説しているので、ぜひ見てみてください!
米国の失業率が凄い数字みたいですね…