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不動産投資で小規模企業共済制度を活用!節税し自分で年金を作る方法

この記事を書いた人

大家族大家

子供や祖父母、兄弟等16人家族で同じ屋根の下に住んでいる。(まだ増えそう、、、)子供達の教育費を稼ぐ為に日々事業や投資活動に勤しんでいる。自分の部屋は無い。国内外の不動産、太陽光発電投資を中心にペーパー資産への投資、社会保険分野(年金、助成金、給与等)や複数の個人法人を最大限に活用した将来を見据えてのキャッシュフローの構築を実践中。そのノウハウを多くの人に共有していきたいというのが最近の想い。(大家族大家さんのコラム一覧)

大家族大家です。最近金融庁が公表した資産形成に関する報告書案で「老後30年で約2000万円が必要」「公的年金だけでは生活水準が低下」「自助の充実」といった記述が盛り込まれていたことから批判が殺到しました。(参考:年金制度は破綻する3つの理由)

内容については、特に目新しいことではなく、いちいち突っ込むことでもないのかなと思うのですが、政界やネット社会では、ここぞとばかりに政府を批判したい人たちが攻撃しています。批判については興味がないのですが、「老後30年で約2000万円」については不動産収入を活用することで、国民年金や厚生年金にプラスして負担感なく作ることができるのではと思います。

今回は60~65歳以降の年金プラスアルファを作っていく方法について考えていこうと思います。

不動産投資で年金をつくる

よく新聞に都内の新築ワンルームを購入して年金を作ろうという広告があります。

ここでの「年金」という言葉は、ローン返済が終われば毎月不労所得が入ってくるという意味で使われていますが、トータルで計算すると損が出ているケースが多そうです。(参考記事:ワンルームマンション投資は99%失敗する)

こういったいい加減な投資ではなくきちんとした事業計画に基づいた不動産投資ができれば、不動産投資で年金のような収入をつくることはできるとは思います。

不動産投資の勉強方法は、不動産投資の講座で解説しているので見てみてください。

不動産投資は課税所得が大きくなってしまう

不動産投資が順調に進んでいくと、支払う税金の多さに驚くことになるでしょう。不動産投資で税金が多く感じる理由は、銀行の借り入れの元金返済は経費にならないためです。

借り入れの返済が経費ではないので、手元に残るお金(キャッシュフロー)より、税金がかかる課税所得が大きくなってしまうので、税金の金額が大きく感じてしまいます。

サラリーマンの給料+不動産収入で、さらに税金はUPする

例えば額面給与が700万円の場合、給与所得控除や社会保険料を引いた課税所得が370万円となります(詳しくは、サラリーマンの税金の計算方法の解説記事を参照)

家賃収入が1000万円のケースを見てみます。家賃収入に対して空室損を10%、運営費20%、減価償却費が15%、返済比率を50%としますと、

家賃収入1000万円➖空室損100万円➖運営費200万円➖減価償却費150万円で課税所得550万円ですが、

家賃収入1000万円➖空室損100万円➖運営費200万円➖返済500万円でキャッシュフローは200万円となります。

※計算については簡略化するため、詳細を省いています。

上記のように給与所得が370万円で、不動産所得が550万円と仮定すると、課税所得は920万円となります。

920万円だと、900万円を超える部分に関しては所得税が33%、住民税が10%で合計43%の税金がかかってきます。高いですよね。。

(注:900万円を超えた部分の所得税が33%となり、920万円全体の所得税が33%ではありません)

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

不動産投資の世界では黒字倒産の話を聞くことがありますが、所得が増えた割にキャッシュフローが増えないのでこういうことが起きるのです。

将来の年金プラスアルファを作っていこうと思っても、その前にかなり税金で持っていかれることになってしまいます。この問題に対してどのように対処すべきでしょうか。

小規模企業共済を使って、節税しつつ年金を作る

不動産投資をすることによって所得が上がり、高い税率で税金を支払うことになってしまうわけですから、この所得を下げることができれば節税として効果は大きいです。

もちろん所得を下げるために高級車を買ったり接待交際費を必要以上に出してしまう等無駄遣いをしてしまっては意味がありません。無駄遣いをせずに節税することがとても重要になります。

ここでおすすめなのが小規模企業共済を使う節税方法です。

小規模企業共済を使えば、不動産の所得を圧縮しながら、さらに将来の年金を作ることができるのでとてもおすすめな制度になります。

小規模企業共済の加入方法

小規模企業共済は独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が運営している制度の1つです。中小機構のHPによると、「国の機関である中小機構が運営する小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。」とあります。

これだけみると、サラリーマンの方は自分には関係ないと思われるかもしれません。ですが、サラリーマンでもアパート経営をしていれば立派な経営者です。確かに制度の説明では「アパート経営等の事業を兼業している給与所得者(法人または個人事業主と常時雇用関係にある方)」は原則として加入資格がないとされていますが、実は加入する方法が2つ考えられます。

1つめは法人を設立して自ら役員になり、その法人で物件を取得する方法です。事業を営む法人の役員であるので、問題なく小規模企業共済に加入することができます。基本的にはこの形の加入をお勧めします。

2つめはサラリーマンではあるが、個人事業主として加入する方法です。先ほどサラリーマンは原則加入資格がないことを紹介しましたが、その方の状況や捉え方によっては加入できる可能性があります。サラリーマンが不動産賃貸業を兼業している、という書き方はサラリーマンが「主たる事業」であるので加入できないということですが、「主たる事業」が不動産賃貸業でサラリーマンを兼業していたらどうでしょうか。

不動産賃貸業だけでは安定感に欠けるので、副業としてサラリーマンをやっているというケースはあり得るはずです。このあたりは非常に曖昧ですが、給与と比較すると不動産賃貸業は売上や収益もかなり大きくなりがちです。。加入手続きの段階では、青色申告ができる基準である5棟10室以上という点も考慮されますが、この基準をクリアした上で、不動産賃貸業が「主たる事業」と言えそうであれば、充分可能性があります。実は私もこのパターンで加入しています。

小規模企業共済の掛け金は全額控除され節税効果が大きい

さて、節税メリットとしてはどうでしょうか。

月々の掛け金は1,000円〜70,000円まで500円単位で自由に設定が可能で、加入後も増額・減額できます。

掛け金は全額控除できます。このメリットは大きいです。

自分で運用するということはできませんが、2019年現在年1%の利息がつきます。

掛け金の最終的な受け取り方は、廃業したり事業譲渡したり様々な方法がありますが、ここでは年金や退職金としてのケースを考えます。制度上は「共済金B」という名称なのですが、65歳以上で180ヶ月以上掛け金を支払った場合に受け取れるとなっています。この時一時金として受け取れば、「退職所得」となり、年金方式で受け取れば「公的年金等控除」が受けられるので、会社の退職金の金額等確認してなるべく有利になる方法を考える必要がありますが、どちらの方式もしくは両方の方式を利用しても税金はゼロもしくはかなり少ない金額になるはずです。

小規模企業共済のデメリット

デメリットとしては、加入して240ヵ月未満で解約た場合、支払った金額が満額かえってきません

年金として優遇されている制度であるため、このようになっているようです。あくまで、あなたご自身の将来の年金として無理のない範囲で必要な金額を積み立てるようにするのがお勧めです。

詳しくは中小機構のページを参照してください。

iDeCoを使って自分で年金を作る

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、加入者が自ら定めた掛金額を拠出・運用。原則60歳以降に、掛金とその運用益の合計額を元に給付額が決定し、給付を受ける制度です。

拠出限度額は、第1号被保険者(自営業者)が年額81.6万円、第2号被保険者(会社員・公務員等)は年額27.6万円(会社に企業年金が無い場合)、第3号保険者(第2号保険者に扶養されている配偶者)も同じく年額27.6万円です。立場によって掛け金の上限は違いますが、この後ご説明する小規模企業共済等と違い加入条件がほとんどなくメリットが出るケースが多いので、一度は検討すべきだと思います。

不動産投資をしていなくてもやる価値はありますが、課税所得が高い人ほど節税効果が高いので、不動産投資と相性がいいわけです。

メリット1.掛け金が全額所得控除

年収500万円のサラリーマンが毎月23,000円をiDeCoで積み立てた場合、年間の掛け金が276,000円、その全額が所得控除されるので約56,000円の節税になります。

見方を変えると、220,000円払うだけで、276,000円積み立てられるとも言えます。20年間だと4,400,000円払って5,520,000円積み立てられるので支払い金額の約125%が積み立てられるということですね。これは民間の保険会社がやっている個人年金保険と比較するとびっくりするほど差があります。個人年金保険は商品にもよりますが20年間で今だと返戻率が103~105%程度が多いようです。民間保険会社の個人年金保険を検討するなら先にiDeCoを検討する方が良さそうです。

メリット2.運用コストが低い

通常株や投資信託等の金融商品を購入して出た運用益には約20%の税金がかかりますが、iDeCoでは一切かかりません。100万円の利益が出た場合、本来であれば80万だったのが100万円丸々残るので有利だと言えます。メリット1のところで、支払額の約125%が積み立てられると申し上げましたが、これにプラスして通常より125%利益が残る(80万円だったのが100万円)仕組みです。

メリット3.受け取り時も税金優遇制度がある

積み立てた資産は60歳以降に受け取ることになりますが、その際も一時金として受け取るなら「退職所得控除」や年金としてなら「公的年金控除」が受けられます。

デメリットとしては、口座の維持に手数料がかかる、60歳まで運用中の資産を引き出せないと言ったことがありますが、節税+コストの低い運用で年金づくりという点では積極的に検討すべきだと思います。

経営セーフティ共済(倒産防止共済)

年金づくりのお話からは少し外れますが、中小機構では経営セーフティ共済という制度があります。掛け金月額20万円まで、40ヶ月以上納めていれば全額戻ります。

最大800万円まで積み立てることができます。但し戻す時には利益になってしまうので、大規模修繕等損失が出る時に戻す必要があります。こちらは事業所得があることが前提となるので、給与所得と不動産所得のみでは加入できません。

最近は太陽光発電投資のブームは収まってしまいましたが、一定規模以上の売電事業をやっていれば事業所得になるので経営セーフティ共済に加入することができます。

事業所得があるとこの共済に限らず、メリットが出てくることがあるようなので、発電所を1箇所くらい持っておくといいかもしれません。事業所得を得られる時間を取られない副業は他になかなか無いと思います。

不動産投資、小規模企業共済、iDeCoを活用した年金づくりと節税のまとめ

iDeCoと小規模企業共済の共通の特徴は、掛け金を全額節税できるのに、戻す時は税金がほとんどかからない有利な税制を活用でき、不動産投資との相性がよくお勧めです。

節税というとグレーなスキームも数多くありますが、こういった公的な制度は正々堂々と活用できます。

また投資の観点で言うと、基本的に元本割れしないのにそこそこの利益が生み出せる、超ローリスクミドルリターンとも言えます。定期預金の利息が0.01%(2019年三菱UFJ銀行)程度の時代においてはかなり魅力的といえるのではないでしょうか。

私は様々な公的制度を常に研究しています。不動産投資の醍醐味は融資を利用することにより、何千万や何億といった物件を取得し、運営できることにあります。

規模と比較して十分なキャッシュフローや売却益を得られるかどうかはその方の状況にもよるかと思いますが、個人でも規模が大きかったり、法人を設立して物件を運営している場合等実は使える公的制度が色々あります。例えば助成金です。これは事業者が雇用保険に加入していて雇用している従業者がいる必要がありますが、条件に当てはまれば小規模零細企業と言えども実は様々な助成金を得ることができます。むしろ大企業であれば受給できない助成金もあるので、狙い目と言えそうです。

また規模が大きいと、経費の幅そして枠は広がります。事業と全く関係ない出費を経費とすることはいけませんが、物件までの交通費や関連業者への接待交際費等は当然経費になります。他にも経費として認められそうな出費があるかぜひ検討してみてください。

今回触れたもの以外にも有利な公的制度は色々あります。その方々の置かれた状況によるので一概に言えませんが、受給できるのにしていなかったり、節税できるのにしていなかったりするものは意外と多いようです。知り合いの投資家や社会保険労務士さんに相談するのも1つの手かもしれません。

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