Real 10-Year Interest Rates

実質金利の推移チャート(日本と米国)

2026年8月末時点の実質10年金利

日本1.04%

米国1.35%

日本について、月末値でみた過去約40年(1986年7月〜2026年8月)の中央値は1.46%、平均は1.28%。いまはその中央値を0.42ポイント下回っています。

このページの実質金利は10年国債の利回り − 消費者物価指数(CPI)の前年同月比です。先行きの予想物価上昇率ではなく、実際に起きた物価上昇率を差し引いた実績ベースの数字なので、日本銀行や市場が使う「実質金利」とは値が違います(違いは下で説明しています)。CPIの公表が遅れるぶん、金利のページより最新月が1か月手前になります。

金利から物価の上昇分を差し引いたものが実質金利です。日本と米国の10年国債の利回りから、それぞれのCPI前年同月比を引いた値を並べました。チャートは日米がそろう1986年から、米国だけの数字は1962年までさかのぼり、0を下回った期間の一覧、過去の最高・最低、年代別の平均を数字で載せています。

データ更新日:2026/09/20(半年ごとに更新しています)

日米の実質10年金利を重ねたチャート

期間

どちらも月末値だけの系列です(CPIが月次のため日次はありません)。計算式は10年国債利回り(月末値) − CPI前年同月比です。収録は日本が1986年7月から、米国が1962年1月からですが、このチャートは日本に合わせてあるので、「全期間」を押しても1986年7月までです(米国の1962年〜1985年は下の「年代別の平均」に入れています)。0の線より下にあるときは、物価の上昇率が10年国債の利回りを上回っていたことを表します。CPIの公表は1か月以上遅れるため、いちばん右の点は名目金利のチャートより1か月手前で止まります。米国は2025年10月のCPIが公表されていない(連邦政府の予算失効で調査ができなかった)ため、その1か月だけ線が途切れます。

グラフの網掛けは景気後退期(日本=内閣府の景気基準日付、米国=NBER)、縦の細い線は主な出来事で、出来事の名前と年月を線に付けた旗で添えています。画面が狭く出来事が多いときは線だけになり、線の近くに触れると名前が出ます。

その他の経済指標のチャート

すべての指標を重ねて比較する(比較チャート) 金利と為替、株価とPERなど、2種類の指標を1枚のグラフに重ねて見られます。

実質金利はいま何%か(過去最高・最低と平均)

項目日実質10年米実質10年
直近1.04%2026年8月末1.35%2026年8月末
1年前-1.09%2025年8月末1.31%2025年8月末
5年前0.43%2021年8月末-3.95%2021年8月末
10年前0.44%2016年8月末0.52%2016年8月末
20年前0.74%2006年8月末0.92%2006年8月末
30年前2.81%1996年8月末4.08%1996年8月末
期間中の最高6.25%1987年1月末9.68%1984年5月末
期間中の最低-3.79%2023年1月末-6.22%2022年3月末
平均1.28%1986年7月〜2026年8月1.99%1962年1月〜2026年8月
中央値1.46%1986年7月〜2026年8月1.95%1962年1月〜2026年8月

最高・最低・平均・中央値は、日実質10年=月末値(1986年7月〜2026年8月、482 か月分)米実質10年=月末値(1962年1月〜2026年8月、775 か月分)から計算しています。

直近は日本が1.04%、米国が1.35%です(どちらも2026年8月末)。月末値でいちばん高かったのは日本が1987年1月末の6.25%、米国が1984年5月末の9.68%。いちばん低かったのは日本が2023年1月末の-3.79%、米国が2022年3月末の-6.22%でした。

日米は最高・最低をつけた月も、収録している期間も違います(日本は1986年7月から、米国は1962年1月から)。そのため上の表は、数字のすぐ下にその列自身の時点を書いています。日米を比べるときは、同じ行の左右の数字を見てください。

実質金利とは(このページの計算式と、よく使われる定義との違い)

実質金利は、名目の金利から物価の上昇分を差し引いた金利です。日本銀行は展望レポートで、名目金利が低いことがそのまま金融緩和の度合いの高さを意味するわけではないとしたうえで、先行き物価が下落すると予想されれば借り入れてまで消費や投資をする動機は乏しくなるため、「名目金利から予想物価上昇率を差し引いた『実質金利』をみていくことが重要となる」と説明しています(日本銀行「経済・物価情勢の展望」2024年4月 BOX5)。

ここで大事なのは「予想」物価上昇率という部分です。日本銀行は同じ資料で、予想物価上昇率には様々な指標があり幅をもってみる必要があるとしたうえで、複数のインフレ予想の指標を合成して実質金利を試算しています。市場でよく使われるのは、普通国債と物価連動国債の利回りの差から逆算するブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)です(財務省『ファイナンス』2024年2月号「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)入門」)。

このページの実質金利は、予想ではなく実績を使っています。10年国債の利回り(月末値)から、その月のCPI前年同月比を引いただけの単純な計算です。過去にさかのぼって同じ方法で長く並べられるのが利点で、日本は1986年、米国は1962年まで届きます。一方で、ニュースや日本銀行の資料に出てくる「実質金利」とは数字が一致しません。比べるときは、どちらの定義かを確かめてください。

日本の実質金利が0を下回った期間

実質金利がマイナスというのは、物価の上昇率が10年国債の利回りを上回っていたということです。日本について、月末値が0未満だった連続期間を並べました。CPIが月次の統計なので、この系列に日々の値はありません。

期間長さいちばん低かった月そのときの値
1997年9月〜1997年11月3 か月1997年10月-0.63%
1998年3月〜1998年3月1 か月1998年3月-0.32%
2008年6月〜2008年10月5 か月2008年7月-0.76%
2013年8月〜2015年5月22 か月2014年5月-3.11%
2016年2月〜2016年3月2 か月2016年2月-0.26%
2016年10月〜2020年8月47 か月2018年2月-1.45%
2021年9月〜2021年9月1 か月2021年9月-0.12%
2021年11月〜2025年12月50 か月2023年1月-3.79%

0未満だった連続期間です(日実質10年の月末値ベース)。

2022〜2023年に実質金利が大きくマイナスになった局面

日本と米国で、マイナス幅が最大になった月は違います。分解すると、その理由がはっきりします。

米国|2022年3月末に-6.22%

このとき米10年国債の利回りは2.32%、米国のCPI上昇率は8.54%でした。物価が先に大きく上がり、名目金利がまだ追いついていなかった時期です。FRBが利上げを始めたのは2022年3月16日で、この月にあたります。その後は名目金利が上がり物価上昇率が落ち着いたため、実質金利はプラスに戻りました(直近は1.35%)。

日本|2023年1月末に-3.79%

このとき日本の10年国債利回りは0.51%、CPI上昇率は4.3%です。日本銀行は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)のもとで10年物国債金利が「ゼロ%程度」で推移するよう誘導し、変動幅を「±0.5%程度」としていました(2022年12月20日の金融政策決定会合の公表文)。物価が上がっても名目金利のほうは動く幅が決められていたぶん、実質金利の下げ幅が大きくなりました。米国との違いは、物価の高さよりも名目金利が動いたかどうかにあります。

上の一覧のとおり、日本の実質金利は2021年11月から2025年12月まで50か月続けてマイナスでした。プラスに戻ったのは2026年に入ってからで、直近は1.04%です。名目のほうの動きは日本の10年国債利回りとCPI上昇率を重ねたチャートで確かめられます。

実質金利の年代別の平均

10年ごとに月末値を平均したものです。日本は1986年7月からなので1980年代は3年半ぶん、米国は1962年1月からなので1960年代は8年ぶんの平均になります。いちばん下の年代はまだ途中です。

年代日実質10年米実質10年
1960年代2.26%1962年1月〜1969年12月
1970年代0.42%
1980年代4.20%1986年7月〜1989年12月5.04%
1990年代2.72%3.65%
2000年代1.69%1.86%
2010年代0.00%0.60%
2020年代-1.10%2020年1月〜2026年8月-0.81%2020年1月〜2026年8月

各年代の月末値の平均です。その年代の全部がそろっていない端の年代は、実際に平均した期間を数字の下に添えています。

年末の実質金利一覧

各年12月の月末値です。日本の系列が始まる1986年から並べています。いちばん下の年はまだ途中なので、データのある最終月を「時点」欄に載せています。

時点日実質10年米実質10年
1986年12月末5.66%6.13%
1990年12月末2.82%1.97%
2000年12月末1.85%1.73%
2010年12月末1.13%1.80%
2011年12月末1.19%-1.07%
2012年12月末0.89%0.04%
2013年12月末-0.86%1.54%
2014年12月末-2.08%1.41%
2015年12月末0.07%1.54%
2016年12月末-0.26%0.38%
2017年12月末-0.95%0.29%
2018年12月末-0.29%0.78%
2019年12月末-0.82%-0.37%
2020年12月末1.24%-0.43%
2021年12月末-0.71%-5.52%
2022年12月末-3.55%-2.57%
2023年12月末-1.95%0.53%
2024年12月末-2.49%1.69%
2025年12月末-0.03%1.50%
2026年8月末時点1.04%1.35%

期間が長いので、2010年以降は毎年、それより前は10年ごとに載せています。すべての年を見たいときは、上のチャートの線に触れてください。

名目の金利や物価と重ねて見る

実質金利は引き算の結果なので、これだけを見ても金利が動いたのか、物価が動いたのかは分かりません。元になる名目の金利とCPIを並べると、その内訳が見えます。下のリンクを開くと、その組み合わせのチャートがそのまま出ます。

データの出典と更新日

実質金利の2本は、このサイトが元の系列から計算した引き算の結果です。出典元が「実質金利」という統計を公表しているわけではありません。日本は財務省の国債金利情報(10年)から総務省統計局のCPI(総合)の前年同月比を、米国はFRBの統計H.15(10年の定数満期利回り)から米労働統計局(BLS)のCPI(全都市消費者・全品目・季節調整前)の前年同月比を引いています。

くり返しになりますが、差し引いているのは実績の物価上昇率で、予想物価上昇率ではありません。日本銀行の資料や市場でいう実質金利とは値が違います。米国側は2025年10月のCPIが公表されていないため、実質金利もその月は計算できません(BLS「2025 Federal Government Shutdown Impact on the CPI」)。また月末値だけの系列で、日次はありません。CPIの公表時期の関係で、いちばん新しい月は名目金利の系列より1か月手前になります。

  • 日本の実質10年金利:財務省・総務省統計局 より算出
    日本10年国債利回り − CPI前年同月比。事前の期待インフレではなく実績値ベース。
  • 米国の実質10年金利:FRB H.15・BLS より算出
    米10年国債利回り − CPI前年同月比。事前の期待インフレではなく実績値ベース。
  • データ更新日:2026/09/20(半年に1回、手作業で更新しています)

このページは公表されている統計データを見やすく並べたものです。特定の銘柄や取引を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。データは出典元の公表値をもとにしていますが、加工の過程で誤りが含まれる可能性があります。正確な数値は各出典元をご確認ください。