Real Effective Exchange Rate (JPY)
円の実質実効為替レートの推移(1964年〜)
2026年7月末時点の円の実質実効為替レート
BISのnarrowベース・2020年=10061.99指数
30年前(1996年7月末)は136.65指数でした。いまはそれを74.66ポイント下回っています。月末値でみた過去約62年の最高は179.53指数(1995年4月末)、最低は56.61指数(1964年3月末)です。
これは「円」でも「ドル」でもなく指数です。2020年の平均を100として、円が主要な貿易相手国の通貨全体に対して、物価の差まで含めてどれだけの購買力を持つかを表します。数字が下がるほど、円で外国のモノやサービスを買う力が弱いことを意味します。「◯◯より高いと割高」という基準はありません。
ドル円は「円とドル」だけの交換比率ですが、実質実効為替レートは、貿易相手国の通貨全体に対する円の強さを、物価の差まで含めて指数にしたものです。「円の実力」と呼ばれるのはこの指標です。国際決済銀行(BIS)が公表する円の実質実効為替レートを、1964年1月からの約62年分でチャートにしました。
データ更新日:2026/09/20(半年ごとに更新しています)
実質実効為替レートの60年チャート(円の実力の長期推移)
国際決済銀行(BIS)のnarrow(狭義)ベース、2020年の平均=100の指数です。単位は円でもドルでもありません。グラフの左上に出る「為替(円)」は、このサイトで為替のグループに付けている共通のラベルで、縦軸の数字が円という意味ではありません。線が下がるほど、円で外国のモノやサービスを買う力が弱いことを示します。日本銀行が公表している実質実効為替レートはBISのbroadベースなので、同じ日でも値が違います(下の解説を参照)。月末値のみで、日々の値はありません。
グラフの網掛けは景気後退期(日本=内閣府の景気基準日付、米国=NBER)、縦の細い線は主な出来事で、出来事の名前と年月を線に付けた旗で添えています。画面が狭く出来事が多いときは線だけになり、線の近くに触れると名前が出ます。
円の実質実効為替レートの過去最高・最低はいくつか
| 項目 | 時点 | 実質実効 |
|---|---|---|
| 直近 | 2026年7月末 | 61.99指数 |
| 1年前 | 2025年7月末 | 67.30指数 |
| 5年前 | 2021年7月末 | 90.87指数 |
| 10年前 | 2016年7月末 | 106.96指数 |
| 20年前 | 2006年7月末 | 103.38指数 |
| 30年前 | 1996年7月末 | 136.65指数 |
| 50年前 | 1976年7月末 | 92.97指数 |
| 期間中の最高 | 1995年4月末 | 179.53指数 |
| 期間中の最低 | 1964年3月末 | 56.61指数 |
| 平均 | 1964年1月〜2026年7月 | 104.68指数 |
| 中央値 | 1964年1月〜2026年7月 | 100.62指数 |
最高・最低・平均・中央値は月末値(1964年1月〜、751 か月分)から計算しています。
直近は61.99(2026年7月末)です。月末値でいちばん高かったのは1995年4月末の179.53、いちばん低かったのは1964年3月末の56.61でした。約62年分の月末値の平均は104.68、中央値は100.62です。
30年前(1996年7月末)の136.65と比べると、直近はその半分以下です。50年前(1976年7月末)の92.97も下回っています。ドル円のほうは50年前(1976年9月末)の286.86円から153.71円になっていますが、この2つは別々の見方であって、どちらかが正しいというものではありません。違いは次の節で説明します。
BISがこの指数を公表しているのは月次だけなので、このページに日々の値はありません。
実質実効為替レートとは(ドル円と何が違うのか)
実効為替レートは、1つの通貨ではなく、貿易相手国の通貨全体に対する為替レートを、貿易額の重みをつけて平均したものです。日本銀行は「実質実効為替レートは、さらに、対象となる国・地域の物価動向も加味して算出される」と説明しています(日本銀行「実効為替レート(名目・実質)」の解説)。ドル円との違いは2つあります。
- 相手がドルだけではない:ユーロ、人民元、ウォンなど、日本が貿易している相手の通貨がまとめて入ります。ドルに対してだけ円安でも、ほかの通貨に対して円高なら、指数はそれほど下がりません。
- 物価の差を調整する:日本の物価がほとんど上がらず、相手国の物価が上がっていれば、為替レートが同じでも日本円で外国のモノを買う力は落ちます。実質実効為替レートはこれを反映します。
この差がはっきり出たのが2011年です。ドル円は2011年10月末に77.97円と、1995年4月末の84.04円より円高でした。ところが実質実効為替レートは、2011年10月末が134.87に対して1995年4月末は179.53。ドル円では2011年のほうが円高、実質実効では1995年のほうがはるかに円高という逆転が起きています。間の16年で日本の物価がほとんど上がらなかった一方、相手国の物価は上がり続けたためです。
なお、日本銀行が公表している実質実効為替レートはBISのbroadベース(約65か国・地域)で、このチャートのnarrowベースとは対象国が違うため値も違います。日銀は「1993年以前の計数については、Broadベースの計数が存在しないため、Narrowベースの実効為替レートの前月比伸び率を用いて、過去に遡って延長推計しています」としています(日本銀行「実効為替レート(名目・実質)」)。このページがnarrowベースを使っているのは、1964年まで切れ目なくさかのぼれるのがこちらだからです。
1995年のピークと、いまの水準
円の実質実効為替レートが最も高かったのは1995年4月末の179.53です。同じ月、東京市場では1ドル=79円75銭という当時の戦後最高値がついています(内閣府『平成7年 年次世界経済報告』)。名目でも実質でも円がいちばん強かった時期が重なっている、数少ない局面でした。
直近の61.99は、そのピークのおよそ3分の1です。このデータが始まる1964年1月以降で、直近と同じかそれより低い月末値が最後にあったのは1964年12月(61.75)でした。1ドル=360円の固定相場だったころと並ぶ水準、ということになります。ただし1964年当時の日本は貿易相手も物価水準も今とまったく違うので、「あのころに戻った」と言えるのはこの指数の上だけです。
指数が下がること自体に良い悪いはありません。同じ動きが、輸出企業や訪日客を迎える業種には追い風に、輸入に頼る業種や海外で買い物をする個人には向かい風になります。どちらの側にいるかで意味が変わる指標です。
円の実質実効為替レートが大きく動いた局面
1971年〜1973年|固定相場の終わり
ニクソン・ショックのあった1971年8月末は68.36。同年12月のスミソニアン合意を経て12月末は75.15、変動相場制に移った直後の1973年2月末には85.22まで上がりました。1960年代は60前後で動かず、この1年半ほどで2割以上動きました。
1985年〜1988年|プラザ合意のあと
プラザ合意のあった1985年9月末は100.02でしたが、1年後の1986年9月末には137.26、1988年12月末には143.52。3年余りで4割以上上がりました。ドル円が216.50円から125.05円へ動いた時期です。
2011年〜2015年|ピークからの反転
東日本大震災のあった2011年は円高が進み、10月末の指数は134.87。その後は反転し、日本銀行が量的・質的金融緩和を導入した2013年4月末には102.88、2015年6月末には88.59まで下がりました。4年足らずで3割以上の下落です。
2022年以降|下げ幅が一段と大きく
2022年10月末は73.28、2024年7月末は65.12、そして直近が61.99です。この間、ドル円も148.63円から153.71円へ円安が進みましたが、指数の下げ方のほうが急です。円安と、日本と海外の物価上昇の差が、同じ方向に効いたためです。
実質実効為替レートの年代別の平均
10年ごとに月末値を平均したものです。1960年代の欄は1964年からの6年分、2020年代の欄もまだ途中なので、ほかの年代と同じようには比べられません。1990年代を頂点に、そこから下がり続けている形がひと目で分かります。
| 年代 | 実質実効 |
|---|---|
| 1960年代 | 63.71指数1964年1月〜1969年12月 |
| 1970年代 | 89.85指数 |
| 1980年代 | 112.46指数 |
| 1990年代 | 136.99指数 |
| 2000年代 | 119.13指数 |
| 2010年代 | 106.97指数 |
| 2020年代 | 78.24指数2020年1月〜2026年7月 |
各年代の月末値の平均です。その年代の全部がそろっていない端の年代は、実際に平均した期間を数字の下に添えています。
ドル円や物価と重ねて見る
実質実効為替レートは「為替」と「物価の差」を1本にまとめた数字なので、その2つを分けて見ると動きの理由がつかめます。ドル円と重ねれば、名目の為替だけでは説明できない部分がどれだけあるかが見え、日米のCPI上昇率と重ねれば、その差がどう開いてきたかが見えます。下のリンクを開くと、その組み合わせのチャートがそのまま出ます。
- 円の実質実効為替レート × ドル円名目の為替だけで説明できるかを確かめる
- 円の実質実効為替レート × 日本のCPI上昇率物価の側がどう効いているかを見る
- 日本のCPI上昇率 × 米国のCPI上昇率日米の物価上昇の差そのものを並べる
- ほかの指標と自由に組み合わせる(経済指標チャート)日米の金利・為替・株価・PERを2本の軸で重ねられます
データの出典と更新日
数値は国際決済銀行(BIS)が公表する実効為替レート指数のうち、円の実質・narrowベース(2020年=100)です。BISは名目実効為替レートを貿易ウェイトつきの幾何平均で計算し、それを相対的な消費者物価で調整して実質実効為替レートを求めています。ウェイトは3年ごとに更新され、更新のたびに過去にさかのぼって改定されるため、以前に見た数値と一致しないことがあります。
日本銀行が公表している実質実効為替レートはBISのbroadベースなので、同じ月でも値が違います。どちらかが誤りということではなく、対象としている国・地域の範囲が違います。このページの最高・最低・平均・中央値は月末値ベースで、日々の値はありません。
- 円の実質実効為替レート:国際決済銀行(BIS) 実質実効為替レート(narrowベース)
BISが公表している実質実効為替レートのnarrowベース、2020年=100。1964年1月から。数値が下がるほど円の対外的な購買力が弱い。日本銀行が公表している実質実効為替レートはBISのbroadベースで、broadの計数は1994年1月からしか無いため1993年以前はnarrowの前月比伸び率で遡及延長されており、この系列とは値が異なる。 - データ更新日:2026/09/20(半年に1回、手作業で更新しています)
このページは公表されている統計データを見やすく並べたものです。特定の銘柄や取引を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。データは出典元の公表値をもとにしていますが、加工の過程で誤りが含まれる可能性があります。正確な数値は各出典元をご確認ください。