10Y minus 2Y Yield Spread

長短金利差(10年−2年)の推移と逆イールド(米国・日本)

2026年9月17日時点の長短金利差(10年−2年)

米国(10年−2年)0.27ポイント

日本(10年−2年)1.13ポイント

米国(10年−2年)について、月末値でみた過去約50年(1976年6月〜2026年9月)の中央値は0.78ポイント、平均は0.84ポイント。いまはその中央値を0.51ポイント下回っています。

比較文は米国についてのものです。単位の「ポイント」はパーセントポイントのことで、金利の水準そのものではなく2つの金利の差です。プラスなら10年国債の利回りが2年国債を上回っている状態、マイナスなら長い年限の金利が短い年限を下回っている状態(逆イールド)を指します。

10年国債の利回りから2年国債の利回りを引いた差を長短金利差といいます。これがマイナスになった状態が逆イールドです。米国は1976年6月からの約50年分、日本は1986年7月からの約40年分を1枚に重ね、マイナスだった期間が何か月続き、いちばん深いときで何ポイントだったかを一覧にしました。直近は米国が0.27、日本が1.13です。

データ更新日:2026/09/20(半年ごとに更新しています)

米国と日本の長短金利差の長期チャート

期間

どちらも「10年国債の利回り − 2年国債の利回り」です。0より下にある区間が逆イールドで、長い年限の金利が短い年限を下回っていたことを意味します。米国は2年物の定数満期利回りが始まる1976年6月から、日本は10年物の掲載が始まる1986年7月からしかありません。網掛けの景気後退期(米国=NBER、日本=内閣府の景気基準日付)と重ねて見ると、マイナスに沈んだ時期が網掛けの手前に来ているかどうかを目で確かめられます。単位のポイントはパーセントポイント(2つの金利の差)です。

グラフの網掛けは景気後退期(日本=内閣府の景気基準日付、米国=NBER)、縦の細い線は主な出来事で、出来事の名前と年月を線に付けた旗で添えています。画面が狭く出来事が多いときは線だけになり、線の近くに触れると名前が出ます。

その他の経済指標のチャート

すべての指標を重ねて比較する(比較チャート) 金利と為替、株価とPERなど、2種類の指標を1枚のグラフに重ねて見られます。

長短金利差の過去最高・最低は何ポイントか

項目米長短金利差日長短金利差
直近0.27ポイント2026年9月17日1.13ポイント2026年9月17日
1年前0.56ポイント2025年9月末0.70ポイント2025年9月末
5年前1.24ポイント2021年9月末0.20ポイント2021年9月末
10年前0.83ポイント2016年9月末0.21ポイント2016年9月末
20年前-0.07ポイント2006年9月末1.04ポイント2006年9月末
30年前0.62ポイント1996年9月末2.05ポイント1996年9月末
40年前1.07ポイント1986年9月末0.79ポイント1986年9月末
期間中の最高2.84ポイント2011年1月末2.55ポイント1995年11月末
期間中の最低-2.01ポイント1980年2月末-0.54ポイント1990年3月末

最高・最低は、米長短金利差=月末値(1976年6月〜2026年9月、604 か月分)日長短金利差=月末値(1986年7月〜2026年9月、483 か月分)から計算しています。日々の値動きの中では、これより高い日・低い日があります。いちばん新しい1か月ぶんは、まだ月が終わっていないため、それぞれの数字に添えた日の時点の値です。

米国でいちばん深い逆イールドは、月末値で1980年2月末の-2.01、日々の値では1980年3月20日の-2.41でした。反対にいちばん差が開いたのは2011年1月末の2.84です。日本は月末値の最低が1990年3月末の-0.54、最高が1995年11月末の2.55でした。最高も最低も、日米でまったく違う時期に付いています。

上の表の「期間中の最高・最低」も、このように日米で時点が違うので、その時点を数字のすぐ下に国ごとに書いてあります。「N年前の同月末」の行では、同じ時点の日米を横に読めるようにしています(米国は1976年6月から、日本は1986年7月からなので、40年前の行は米国にしか入りません)。

米国の中央値は0.78、日本の中央値は0.86。ふだんはプラス(10年のほうが高い)が当たり前で、マイナスは例外的な状態だということが、この2つの数字から読み取れます。

逆イールドとは(なぜ景気の話とセットで語られるのか)

日本銀行の用語解説では、イールドカーブは「横軸に残存期間、縦軸に金利水準をとり、異なる残存期間の金利水準を並べることにより、残存期間と金利の関係を表した曲線」と定義されています(日本銀行「イールドカーブ」)。長く貸すほど金利が高いのがふつうの形で、この曲線が右上がりになります。その並びが逆転し、長い年限の金利が短い年限を下回った状態が逆イールドです。このページのチャートは、その逆転の度合いを「10年 − 2年」の引き算1本で表しています。

逆イールドが景気の話とセットで語られるのは、米国で長い実証研究の蓄積があるからです。ニューヨーク連邦準備銀行が公開している解説「The Yield Curve as a Leading Indicator: Frequently Asked Questions」(2005年10月、Arturo Estrella)は、長短金利差がその後の実体経済活動と一貫した負の関係を示してきたこと、先行の長さはおよそ4〜6四半期であること、1950年以降の米国の景気後退をほぼすべて示唆し、「誤った」シグナルは1967年の1回だけだったこと、を整理しています(同文書。なお同文書には、見解は筆者個人のものでニューヨーク連銀や連邦準備制度のものとは限らない旨の注記があります)。

注意したいのは年限の組み合わせです。同文書がもっとも頻繁に使われる指標として挙げているのは「10年 − 3か月」で、このページの「10年 − 2年」とは違います。同じ「逆イールド」という言葉でも、どの2本を引き算したかで逆転の時期も深さも変わります。ニュースで見た逆イールドとこのチャートが一致しないことがあるのは、その違いによるものです。

米国で長短金利が逆転していた期間の一覧

米国の長短金利差が月末値で0を下回った連続期間を、古い順に並べたものです。「長さ」はその期間が何か月続いたか、「そのときの値」はいちばん深かった月の差(パーセントポイント)です。

NBERが判定した1980年以降の米国の景気後退の始まりは、1980年1月・1981年7月・1990年7月・2001年3月・2007年12月・2020年2月です(チャートの網掛けと同じ出典)。この6回は、いずれもその前に長短金利差がマイナスになった時期があります。ただし2020年2月の景気後退の前の逆転は2019年8月の数営業日しかなく、月末値を拾う下の表には出てきません。月末だけを見ていると見落とす逆転があるということです。

逆に、逆転したのに景気後退がすぐには来なかった例もあります。1998年6月の1か月だけの逆転のあと、次の景気後退が始まったのは2001年3月でした。また、下の表でいちばん長い2022年7月からの逆転のあとには、チャートの網掛け(NBERの景気基準日付)は付いていません。「マイナスになった=いつ何が起きる」と読める指標ではないことは、この表自体が示しています。

期間長さいちばん低かった月そのときの値
1978年8月〜1980年4月21 か月1980年2月-2.01ポイント
1980年9月〜1981年9月13 か月1980年11月-1.41ポイント
1982年1月〜1982年4月4 か月1982年2月-0.41ポイント
1982年6月〜1982年6月1 か月1982年6月-0.22ポイント
1989年1月〜1989年5月5 か月1989年3月-0.43ポイント
1989年8月〜1989年9月2 か月1989年8月-0.16ポイント
1998年6月〜1998年6月1 か月1998年6月-0.05ポイント
2000年2月〜2000年11月10 か月2000年3月-0.47ポイント
2005年12月〜2006年2月3 か月2006年2月-0.14ポイント
2006年6月〜2006年6月1 か月2006年6月-0.01ポイント
2006年8月〜2007年2月7 か月2006年11月-0.16ポイント
2007年5月〜2007年5月1 か月2007年5月-0.02ポイント
2022年7月〜2024年7月25 か月2023年6月-1.06ポイント

0未満だった連続期間です(米長短金利差の月末値ベース)。月の途中では、これ以外にも0を割った日があります。

日本で長短金利が逆転した唯一の局面

日本の線を見ると、0を割っているのはバブル末期の1989年から1991年にかけての一続きの局面だけです。月末値で見ると、1989年5月末に初めて0を割り、断続的に沈んだあと、1989年9月末から1990年9月末まで13か月、1990年11月末から1991年8月末まで10か月とマイナスが続きました。いちばん深かったのは1990年3月末の-0.54、日々の値では1990年3月23日の-0.72でした。

この時期、日本銀行は公定歩合を2.5%から段階的に引き上げ、1990年8月30日には6.0%としています(日本銀行「基準割引率および基準貸付利率の推移」)。短い年限の金利が政策金利に引っ張られて先に上がり、10年国債の利回りを追い越した、という並びになります。内閣府の景気基準日付では、その後の景気の山は1991年2月で、ここから1993年10月まで景気後退期です(チャートの日本側の網掛け)。ただし日本の逆転は景気の山より前に終わらず、1991年8月末まで続いています。米国のように「マイナスになってから景気後退が来る」という並びで読めるわけではありません。

そして、日本でこれが起きたのは約40年でこの局面だけです。米国のように何度も繰り返されたわけではないので、同じ読み方が日本にも当てはまるとは言えません。日本の長短金利差は直近1.13で、月末値でみた中央値の0.86と比べてどの位置にあるかは、上の答えブロックと数値表で確認できます。

チャートで逆イールドを見つける手順

上のチャートで実際に確かめるときは、次の順で見ると分かりやすくなります。

  • 1. 0の位置を探す。左の目盛りで0より下に沈んでいる区間が逆イールドです。
  • 2. 網掛けとの前後を見る。網掛けは景気後退期(米国=NBER、日本=内閣府)。沈んだ区間が網掛けの手前に来ているかどうかを見ます。
  • 3. 期間を絞る。期間ボタンの「5年」「10年」を押すと、直近の動きが縦に広がって見やすくなります。
  • 4. 線に触れる。その日の両方の値が吹き出しで出ます。表は月末値ですが、こちらは日々の値です。

もとになっている2本の金利そのものを見たいときは、米10年と米2年日10年と日2年をそれぞれ重ねてください。差が縮んだ理由が「長いほうが下がった」のか「短いほうが上がった」のかは、引き算の線だけでは分かりません。

政策金利やもとの国債利回りと重ねて見る

長短金利差は2本の金利の引き算なので、そのままでは「どちらが動いたのか」が消えてしまいます。中央銀行が決める政策金利と並べると、短いほうの金利が動いた局面かどうかが分かります。下のリンクを開くと、その組み合わせのチャートがそのまま出ます。

データの出典と更新日

どちらの系列も元の国債利回りから当サイトで計算したものです。米国は FRB「Selected Interest Rates(H.15)」の定数満期利回り(CMT)の10年物と2年物の差、日本は財務省「国債金利情報」の10年物と2年物の差です。月次は両系列の月末値どうしの差、日次は両方に値がある営業日だけを計算しています。

収録の開始が異なります。米国は2年物のCMTが始まる1976年6月から、日本は10年物の掲載が始まる1986年7月からです。したがって表の「40年前」の行は米国にしか入りません。また日本の2年債は、発行が止まっていた1978年5月20日〜1979年8月21日に掲載がありませんが、この期間は10年物のデータが無いためこのチャートには影響しません。

単位のポイントはパーセントポイント(10年金利 − 2年金利)です。上の表の最高・最低は月末値ベースで、日々の値動きの中ではこれより深い日・浅い日があります。景気後退期の網掛けは、米国がNBER、日本が内閣府の景気基準日付です。

  • 米国の長短金利差(10年−2年):FRB H.15 より算出
    米10年国債利回り − 米2年国債利回り(パーセントポイント)。2年物のCMTが始まる1976年6月から。長い金利が短い金利を下回る(値がマイナスになる)状態を逆イールドと呼ぶ。月次は両系列の月末値どうしの差、日次は両方に値がある営業日。
  • 日本の長短金利差(10年−2年):財務省 国債金利情報 より算出
    日本10年国債利回り − 日本2年国債利回り(パーセントポイント)。10年物の掲載が始まる1986年7月から。長い金利が短い金利を下回る(値がマイナスになる)状態を逆イールドと呼ぶ。月次は両系列の月末値どうしの差、日次は両方に値がある営業日。
  • データ更新日:2026/09/20(半年に1回、手作業で更新しています)

このページは公表されている統計データを見やすく並べたものです。特定の銘柄や取引を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。データは出典元の公表値をもとにしていますが、加工の過程で誤りが含まれる可能性があります。正確な数値は各出典元をご確認ください。