Shiller CAPE Ratio
シラーPER(CAPEレシオ)の推移チャート(1881年〜)
2026年9月末時点のS&P500のシラーPER(CAPE)
CAPE(過去10年の実質利益ベース)40.58倍
月ごとの値でみた過去約145年(1881年1月〜2026年9月)の中央値は16.61倍、平均は17.79倍。いまはその中央値を23.97ポイント上回っています。
CAPEに「何倍から上」という決まった基準はありません。分母が過去10年の実質利益の平均なので、1年だけ利益が急に増えたり減ったりしても大きくは動かないのが、通常のPERとの違いです。参考までに、分母が直近12か月の実績利益である実績PERは25.22倍(2026年6月末)です。
シラーPER(CAPEレシオ)は、米国株S&P500の株価を過去10年の実質利益の平均で割った指標です。ロバート・シラー教授が公表している1881年1月からの全期間をチャートにし、過去の中央値・最高・最低、年代別の平均、そして分母が直近1年の利益である通常の実績PERとの違いまで数字で載せています。
データ更新日:2026/09/20(半年ごとに更新しています)
シラーPER(CAPE)の長期チャート(実績PERとの比較つき)
2009年に実績PERが123.73倍まで跳ね上がったため、縦軸を自動にすると直近の動きが下端に潰れてしまいます。このページは縦軸の上限を50倍で固定しており、実績PERの線はその時期だけ上に振り切れて見えなくなります。それより上まで見たいときは、左の数字の上を上下にドラッグしてください(ダブルクリックで元に戻ります)。期間を「5年」「10年」に絞ると縦軸は自動に戻ります。実績PERの線は右端がCAPEより手前で終わります。直近数か月ぶんの利益がまだ確定していないためです。
グラフの網掛けは景気後退期(日本=内閣府の景気基準日付、米国=NBER)、縦の細い線は主な出来事で、出来事の名前と年月を線に付けた旗で添えています。画面が狭く出来事が多いときは線だけになり、線の近くに触れると名前が出ます。
CAPEレシオの過去平均・中央値は何倍か
| 項目 | CAPE | 米株PER |
|---|---|---|
| 直近 | 40.58倍2026年9月末 | 25.22倍2026年6月末 |
| 1年前 | 38.58倍2025年9月末 | 27.10倍2025年6月末 |
| 5年前 | 37.62倍2021年9月末 | 26.70倍2021年6月末 |
| 10年前 | 26.73倍2016年9月末 | 23.97倍2016年6月末 |
| 20年前 | 25.64倍2006年9月末 | 16.82倍2006年6月末 |
| 30年前 | 25.68倍1996年9月末 | 19.15倍1996年6月末 |
| 50年前 | 11.81倍1976年9月末 | 11.01倍1976年6月末 |
| 期間中の最高 | 44.20倍1999年12月末 | 123.73倍2009年5月末 |
| 期間中の最低 | 4.78倍1920年12月末 | 5.31倍1917年12月末 |
| 平均 | 17.79倍1881年1月〜2026年9月 | 16.22倍1871年1月〜2026年6月 |
| 中央値 | 16.61倍1881年1月〜2026年9月 | 15.08倍1871年1月〜2026年6月 |
最高・最低・平均・中央値は、CAPE=月中平均(1881年1月〜2026年9月、1,749 か月分)、米株PER=月中平均(1871年1月〜2026年6月、1,866 か月分)から計算しています。
直近のCAPEは40.58倍(2026年9月末)です。月ごとの値でならした中央値は16.61倍、平均は17.79倍。いちばん高かったのは1999年12月末の44.20倍、いちばん低かったのは1920年12月末の4.78倍でした。
同じ表に並べた実績PERは、中央値が15.08倍、最高が123.73倍(2009年5月末)と、CAPEよりはるかに大きく振れています。2つの数字は分母が違うので、どちらの指標どうしで比べているかをそろえないと意味が変わります。
表の見方で2つ注意点があります。ひとつは、2つの系列で最高・最低や収録期間の月が違うので、時点は数字のすぐ下に列ごとに書いてあること。もうひとつは、実績PERの直近が2026年6月末で止まっていることです。実績利益の確定を待つため、この系列は毎回いちばん新しい数か月が欠けます。また、シラー教授の原データの株価は月末の終値ではなくその月の日々の終値の平均なので、表とチャートの1点はその月を代表する値だと考えてください。
シラーPER(CAPEレシオ)とは何を計算した数字か
CAPEは Cyclically Adjusted Price Earnings ratio(景気調整後の株価収益率)の略で、ジョン・キャンベル氏とロバート・シラー氏が使い始めた指標です。両氏の論文には、その出発点がはっきり書かれています。ベンジャミン・グレアムとデビッド・ドッドが1934年の『証券分析』で、バリュエーション指標を見るときの利益は「5年以上、できれば7年か10年」の平均を使うべきだと述べており、「その助言に従い、過去10年の実質利益を平均して利益をならした」というのが定義の由来です(Campbell & Shiller, NBER Working Paper 8221)。
計算はこうなります。
- 分子:物価で実質化したS&P500の株価
- 分母:同じく実質化した過去10年の1株利益の平均
利益を10年分ならすので、景気が悪化して1年だけ利益が消えても分母はほとんど動きません。逆に言えば、直近の業績が良くなったこともすぐには反映されません。通常のPER(実績PER)が「いまの株価 ÷ 直近12か月の利益」であるのに対し、CAPEは「いまの株価 ÷ 10年ぶんの利益の平均」です。同じ「PER」という名前でも、見ているものが違います。
データの作り方も押さえておくと読み違えを防げます。シラー教授の説明によると、月次の株価はその月の日々の終値の平均、利益と配当は1926年以降はS&P社の四半期4期合計から線形補間した月次、1926年より前はCowlesらの年次データからの補間です。物価調整に使うCPI-Uは1913年から、それ以前はWarrenとPearsonの物価指数をつないでいます(Shiller Data)。CAPEの開始が1881年1月なのは、10年分の利益をならすのに1871年1月からのデータが必要だからです。
なお、シラー教授は自社株買いが主流になったことで利益の伸び方が変わり、CAPEの水準に影響しうると述べ、配当を株価指数に再投資して調整したトータルリターン版のCAPEも別途公表しています。このページで使っているのは通常版のCAPEです。
CAPEが高かった時期・低かった時期
1929年9月|32.56倍
世界恐慌の直前、1929年9月のCAPEは32.56倍でした。同じ月の実績PERは20.17倍で、こちらは特別に高い数字には見えません。その後S&P Composite(S&P500の前身)の月次の株価は1929年9月の31.30ptから1932年6月には4.77ptまで下がり、CAPEも5.57倍になっています。
1999年12月|44.20倍(この系列の最高)
ITバブルの局面で、CAPEは1999年12月末に44.20倍と、1881年以降でいちばん高い水準になりました。2000年8月でも42.87倍です。このとき米10年国債の利回りは6.45%でした。
2009年|CAPEと実績PERが逆を向いた
このチャートでいちばん分かりやすい対比がここです。2009年3月、実績PERは110.37倍まで上がり、5月には123.73倍をつけました。同じ時期のCAPEは13.32倍で、こちらは下がっています。株価そのものは2008年9月の1,216.95ptから2009年5月に902.41ptへ下落しているので、株価が上がってPERが跳ねたのではありません。割る側の利益が急激に減ると、実績PERはいくらでも大きくなるという性質が出た局面です。分母を10年分ならすCAPEには、この跳ねが出ませんでした。
1920年12月・1982年7月|一桁台
逆にCAPEが最も低かったのは1920年12月末の4.78倍です。米国のCPI上昇率が1920年6月末の+23.67%から1921年6月末の-15.79%まで振れた、物価が激しく動いた時期にあたります。第2次石油危機後の1982年7月も6.64倍と一桁台でした。
2020年代|40.58倍
2020年3月のコロナ・ショックでいったん24.82倍まで下げたあと、2021年11月に38.58倍、直近は40.58倍です。月末値が40倍台に乗ったのは、1999年から2000年にかけての時期以来になります。
長期金利や株価と重ねて見る
CAPEは「株価 ÷ 10年平均の利益」なので、この線だけを見ても、株価が動いたのか利益がならされているのかは分かりません。金利と並べるのは、一般に金利が上がると株式に求められる利回りも上がり、同じ利益に対して許容されるバリュエーションは下がりやすいと説明されるからです。実際にそうなっていたかは、重ねて見ると確かめられます。下のリンクを開くと、その組み合わせのチャートがそのまま出ます。
- シラーPER(CAPE) × 米国の長期金利10年国債の利回りと並べる
- シラーPER(CAPE) × S&P500株価そのものの動きと並べる
- シラーPER(CAPE) × 米国の実質長期金利物価上昇率を差し引いた金利と並べる
- ほかの指標と自由に組み合わせる(経済指標チャート)日米の金利・為替・株価・PERを2本の軸で重ねられます
CAPEと実績PERの年代別の平均
10年ごとに月ごとの値を平均したものです。CAPEは1881年1月から、実績PERは1871年1月から収録しているので、1870年代はCAPE側が空欄になります。
実績PERの2000年代の平均には、2009年5月末に123.73倍をつけた異常値が入っています。CAPEのほうは同じ10年でもその跳ねが入らないので、年代どうしを比べるならCAPEの列のほうが使いやすくなっています。
| 年代 | CAPE | 米株PER |
|---|---|---|
| 1870年代 | — | 11.34倍1871年1月〜1879年12月 |
| 1880年代 | 15.91倍1881年1月〜1889年12月 | 15.20倍 |
| 1890年代 | 17.76倍 | 17.42倍 |
| 1900年代 | 17.66倍 | 13.69倍 |
| 1910年代 | 10.98倍 | 10.98倍 |
| 1920年代 | 12.16倍 | 12.72倍 |
| 1930年代 | 14.78倍 | 16.65倍 |
| 1940年代 | 11.76倍 | 11.25倍 |
| 1950年代 | 14.62倍 | 11.87倍 |
| 1960年代 | 20.66倍 | 17.87倍 |
| 1970年代 | 12.74倍 | 12.30倍 |
| 1980年代 | 11.49倍 | 12.03倍 |
| 1990年代 | 25.29倍 | 21.64倍 |
| 2000年代 | 26.67倍 | 31.39倍 |
| 2010年代 | 25.55倍 | 19.76倍 |
| 2020年代 | 33.88倍2020年1月〜2026年9月 | 26.45倍2020年1月〜2026年6月 |
各年代の月中平均の平均です。その年代の全部がそろっていない端の年代は、実際に平均した期間を数字の下に添えています。
データの出典と更新日
CAPEと実績PERは、ロバート・シラー教授が公表している『Irrational Exuberance』の付属データ(ie_data.xls)から取り込んでいます。実績PERは同ファイルの株価Pを利益Eで割った値です。
このページの数値について、3点ご注意ください。①原データの株価はその月の日々の終値の平均で、月末日の終値ではありません(表では便宜上その月の値として並べています)。②実績PERは直近数か月が欠けます。分母の実績利益が確定するまで値が入らないためで、この表の実績PERの直近は2026年6月末です。③1926年より前の利益・配当は年次データからの補間、1913年より前の物価はWarrenとPearsonの指数をつないだもので、現在の統計と同じ精度ではありません。
- S&P500のCAPE(シラーPER):Robert J. Shiller, Irrational Exuberance
過去10年の実質利益の平均で株価を割った景気調整後PER。1881年1月から。 - S&P500の実績PER:Robert J. Shiller, Irrational Exuberance
株価÷実績利益(trailing)。1871年1月から。直近数か月は利益が未確定で欠ける。 - データ更新日:2026/09/20(半年に1回、手作業で更新しています)
このページは公表されている統計データを見やすく並べたものです。特定の銘柄や取引を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。データは出典元の公表値をもとにしていますが、加工の過程で誤りが含まれる可能性があります。正確な数値は各出典元をご確認ください。